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コラム
正月と「死と再生」の物語
2019年1月1日 公開 / 2020年7月20日更新
明けましておめでとうございます。正月早々「死と再生」というちょっとドキッとするタイトルですいません。でもお正月だからこそ、こういうことも実感がわくのだと思うので、考えたことを書いてみますね。
昔から人間は年月の変わり目や季節の変わり目に、古い世界が新しい世界に生まれ変わる、というイメージを持ってきました。もっともこれは正月に限らず、昔の人は毎日朝日が昇ると「今日一日見守って下さい」と手を合わせる習慣もあったといいます。しかしやはりお正月はなんだか神聖で新鮮な「新しい年の始まり」と言う気持ちになりますね。
初詣にも行った人もいるかもしれません。もちろん神社でなくても、それぞれの人の心の中には何かしら「神様」のような「自分を遠くから見守ってくれている」存在があれば、安心できるものです。
そして人は正月のような季節や時間の切り替わる時に、一度その神様にお会いして、「これまでの古い自分」を「これからの新しい自分」へと生まれ変わらせてくれる儀式をするのです。
初もうでなどで「鳥居をくぐる」ことはありませんか?あれは一度この世から「神の世界」に入って「象徴的に死ぬ」ことで、再び神様に「象徴的に産まれ変わらせて」もらい、新しい日々を送る儀式なのです。
人間はこうして「死と再生」を繰り返しながら新しい自分にバージョンアップしていくのですね。
しかし考えてみれば、大みそかから新年まで何か特別な1日を過ごしたわけでもないのだけれど、こんなにみんなが大騒ぎするなんて考えてみればものすごいことですね。日本中、いや世界中の人が一つの「死と再生」の物語を共有しているわけですから。
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