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岸井謙児プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

「自閉スペクトラム症」ー対人社会性・コミュニケーションの問題ー

岸井謙児

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テーマ:こういうことでお困りではありませんか?

このテーマでは、いくつかのこころの問題について簡単な説明をしてます。もしかしたら自分が当てはまると思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、くれぐれも自己診断せずに、気になる場合は必ず信頼できる専門の医師に受診してください。私たちカウンセラーは診断はできませんが、メンタルなケアが必要な場合はお力になれるかもしれません。ご相談下さい。

さて、今回取り上げるのは「自閉スペクトラム症」。色々な場面で取り上げられることが増え、かなり社会に知られて来た障害です。ですがまだまだ誤解も多く、是非正確な知識と支援が普及されることを願わずにはいられません。
その特徴は、1)対人社会性・対人コミュニケーションの問題 2)特定の興味関心やこだわりの問題 の二つに大きく分けられています。

今日はまず「対人社会性・対人コミュニケーションの問題について簡単に説明します。簡単に言うと、相手の人の気持ちを察することが苦手で、言葉や身振りの裏にある相手の思いに気づきにくい、と言うことです。最近の言葉で「KY」=空気が読めない、と言う流行り言葉がありますが、それに近いかもしれません。ただもっと直接的に、その場での相手の見えない思いを察することが苦手なのです。例えば「顔で笑って、こころで泣いて」や「(相手が)遠慮している雰囲気を察する」だとか「(相手が)こう言われればこう思うだろうな、というような気遣いや配慮」が苦手というようなことですね。



例えば一つの例を出せば、道で転んだ女の子が痛そうな表情で「大丈夫・・・大丈夫です」と言ったときに私たちは表情から本当の気持ちと言葉のズレを察して、「あぁ~口では大丈夫って言っているけど、本当は大丈夫ではないのだろうな」と考えるのではないでしょうか。ところが「裏読み」と言う対人社会性とコミュニケーションの苦手な方は、「あぁそうなのか、大丈夫なんだな」と思いがちです。これは一つの例ですが、このような些細な(?)すれ違いが積み重なると、対人関係にも影響が出てきます。

ただ知的に問題のない方の場合、きちんと説明してもらえれば理解できる方も沢山いらっしゃいます。ですから接する側としては、あいまいな「角の立たない」言い方よりは、はっきりと、しかし冷静に自分の気持ちや言いたいことを伝える努力が必要でしょう。もちろん、理解できたからと言ってこちらの意見に賛同されるかどうかはケースバイケースでしょう。それは特別障害の問題ではなく、考え方の違いと理解してください。

次回はいわゆる「こだわり」について説明します。

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岸井謙児(臨床心理士)

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カウンセリング暦35年。子供から大人まで、うつ・対人関係の悩み・発達障害・不適応・ひきこもりに関わる問題に丁寧に、かつ誠実に対応します。また全国から電話・スカイプなどでも相談を多数受け付けています。

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