「物語」は明日を生きる力を産み出す
最近いろいろな人の話を聞いていると、正反対な傾向に気がつきます。
一つは、周囲の人との関係があまり気にならず、むしろ自分の世界の中で完結してしまっている印象を受ける人。
もちろんまったく周囲から孤立しているというわけではなく、
相手の人がどう思っているかを気にしない、というかあまり感じられていない。
こういうタイプの人たちは、自分の世界を持っていて趣味や興味に半端なく詳しいことが多いですね。
おびただしい知識に圧倒されて、感心させられることがあります。
もう一方は逆に周囲の人の気持ちが気になって仕方がない人たち。
彼らは自分のことが嫌われているとか、悪口を言われているのではないか、と気になって仕方がありません。
そのために人の前で何か行動することにためらいがちになり、結果的に学校や職場に行けなくなってしまいます。
この人たちの両極端の間に、ほとんどの人たちは位置しているのでしょう。
ある意味それはグラデュエーション状態で、どこからが極端でどこからが中庸かなんて言えるものではありません。
ただ一つ言えることは、どちらの極にしても、極端な傾向は社会的な適応に苦しむことになりがちだということ。
Aちゃんは自分の趣味の世界に夢中です。
しかし学校でその趣味を共有できない人とは上手くいかず、
結局自宅に籠って毎日自分の趣味の世界で一日の大半を過ごしています。
Bくんは逆に自分の趣味の世界を人がどう思っているかが気になって仕方がありません。
周囲の人からけなされないか、とか悪く言われないか、と気になって仕方がありません。
その結果集団に入ることができなくなりました。
人との関係に過敏に、あるいは疎遠になっている彼らの気持ちの絡まりを
どうすれば少しでも和らげることができるか、いろいろと考えさせられている毎日です。