こころの口癖<セルフトーク> ⑭ スキルとしてのセルフトーク
今回取り上げた絵本はこれ 「名前をうばれた なかまたち」
人にはそれぞれ名前があります。
社会的な呼び名としての名前もありますが、自分の本当の姿=アイデンティティを象徴的に表すものとしての名前もあります。
例えばアメリカインディアンの物語やゲド戦記(影との戦い)などでは、主人公たちは苦しい自分との戦いを経て、やっと自分の本当の名前を知ることでき、それによって本当の自分自身への気づきが生まれるということが描かれています。
しかしこの絵本「名前をうばわれた なかまたち」の中では、主人公のボクは関係の中での「名前」さえ他人によって奪われてしまい、単に<ガリ勉>とか<弱虫>とか呼ばれています。
それだけではありません。
さらにはひどい「暴力」を受け、周囲に見て見ぬふりをされることで、その人の存在さえ奪われてしまうのです。
“ボクの学校は牢獄
毎日 毎日が地獄”
そして彼はついに耐え切れず
“今日の夕がた 家に帰ったとき
エレベーターの鏡に写った自分の顔を見て
階段を昇ろうときめた”
そして・・・・・ボクは一番上の階から・・・・・・
いじめの問題は本当に解決が難しいと思います。
なぜなら「隠されて、見てみぬふりをされて、しらんぷりをされてしまうから」です。
いえ、それは間違いでした。
「隠されて、見て見ぬふりをされて、しらんぷりをされてしまうから」なのではなく、
「隠して、見て見ぬふりをして、しらんぷりをしてしまう」からです。
誰がそんなことをするのかって?
決まっています。
「それはほかでもない、この私自身がしていることなのだ」
と気がつくことからまず始めなければならないでしょう。
最後に<ボク>はあなたに、そして私に問いかけます。
“あなたの本当の 名前は?”