221【相続・不動産投資】純資産2億5,500万円 20年後に約4億円の差 「不動産の複利」やる?やらない?

竹下昌成

竹下昌成

テーマ:相続


221【相続・不動産投資】純資産2億5,500万円 20年後に約4億円の差 「不動産の複利」やる?やらない?
■ 20年後、純資産に約4億円の差

いきなりですが、

現在の純資産2億5,500万円。

72歳のご夫婦です。

金融資産1億円。
賃貸アパート8,000万円。
自宅7,500万円。

借入金はありません。

この資産をそのまま保有するのか。

それとも、無担保になった不動産の信用力を活用するのか。

今回、今後のインフレも加味して、20年間の資産推移をかなり粗く試算してみました。

結果は、

何もしないコースでは、92歳時点の純資産が約3億7,400万円。

最も積極的に資産を活用する「全部使うコース(笑)」では、約7億7,700万円。

その差、

約4億円。

もちろん、これは将来を正確に予測するものではありません。

不動産価格も、家賃も、金利も、インフレ率も変わります。

あくまで、

同じ2億5,500万円からスタートして、20年間の資産の使い方を変えると、どれくらい違う可能性があるのか?

を見るための粗いシミュレーションです。

それでも、

20年後、約4億円の差。

やる?

やらない?

今回は、そんな話です。

■ 実は「ボツ」を想定して作った研修資料です

このシミュレーション。

もともとは、相続・贈与をテーマにした研修資料として作りました。

70代のご夫婦。

子供は3人。

自宅もアパートも無担保。

将来の相続を少し心配している。

普通なら、

「相続税をどう減らす?」

「生前贈与をどうする?」

と考えるところです。

もちろん、それも大切です。

でも僕は、

「この人たち、まだ72歳ですよね?」

と思いました。

人生100年なら、あと20年くらいあるかもしれません。

しかも、

自宅とアパートが無担保。

これだけの資産があるのに、何もしない?

僕から見ると、

ちょっと宝の持ち腐れです。

そこで、

「何もしない」

「まあまあ増やす」

「信用を活用する」

「全部使う(笑)」

という4つのコースまで作りました。

作っているときから、

「これは不動産投資に偏り過ぎ。たぶんボツだな(笑)」

とは思っていました。

そして予想どおり、この部分はボツ。

まあ、一般的な相続・贈与の研修ですから当然です。

でも、

研修資料としてはボツでも、僕の考え方としてはボツではありません。

なので、コラムにしました(笑)。

■ 自分たちは、それでよかった。でも子供は?

ここで考えたいのが、

次の世代です。

自宅がある。

アパートがある。

借金もない。

自分たち夫婦だけを考えれば、

「これで十分」

かもしれません。

でも、このご夫婦には子供が3人います。

自分たちはそれでよかった。

でも、同じ資産をそのまま次の世代へ渡せば、単純に考えれば、

子供1人あたりは3分の1です。

しかも、一棟アパートは3つには切れません。

そうなると、

「長男にアパートを相続させる?」

「ほかの2人には現金?」

「3人の共有にする?」

みたいな話になってきます。

僕からすると、

そんな話をする前に、まだ20年あるんですよね?

です。

だったら、

少し増やしておけばいい。

■ 例えば、マンションを3戸だけ買う

別に、

70代から10戸、20戸とガツガツ不動産投資をする必要はありません。

例えば、

マンションを3戸だけ買う。

子供が3人なら、

1戸ずつです。

自宅とアパートは無担保。

その信用力や担保余力を少し活用して、収益不動産を買う。

あとは、

不動産と時間に働いてもらいます。

家賃が入る。

家賃から借入金を返す。

借入金が減る。

残債が減れば、その分、純資産が増える。

それを20年間続ける。

僕は、これを

「不動産の複利」

と考えています。




自分が20年間必死に働くわけではありません。

資産が資産を生み、家賃と時間が借金を減らしていく。

その仕組みを作っておく。

それだけです。

■ 一棟アパートは3つに切れない

もう一つ考えておきたいのが、

今あるアパートです。

一棟アパートは収益を生んでくれる大切な資産ですが、

子供3人だからといって、

きれいに3つには切れません。

さらに建物が古くなれば、

収益物件としての価値と、その下にある土地そのものの価値をどう考えるか、という問題も出てきます。

だから僕なら、

「今は家賃が入っているから大丈夫」

だけでは終わらせません。

20年後、この資産をどんな形で子供に渡すのか?

そこまで考えます。

マンションを3戸増やしておけば、

そのまま1戸ずつ渡してもいい。

売却して現金にしてもいい。

既存のアパートと組み合わせて分けてもいい。

つまり、

次の世代に残せる選択肢が増えます。

これも立派な相続対策だと思います。

■ 相続税が増えるから、資産を増やさない?

不動産は相続との相性も面白い資産です。

物件や立地によりますが、僕が所有しているマンションでも、相続税評価額が実勢価格の3割程度になるものがあります。

一方、借入金の残債は、一定の要件のもと債務控除の対象になります。

つまり、

資産を増やしたからといって、相続税評価額まで同じ割合で増えるとは限りません。

ただし、今回は節税の話をしたいわけではありません。

僕は以前のコラムで、

「相続税は親がさぼった過怠税」

という、かなり乱暴な表現を使いました。

親から資産を受け継いだ。

自分には子供が3人いる。

だったら、

自分の代で3倍に育てて、3人に残せばいい。

もちろん、現実はそんな単純ではありません。

でも、考え方としてはそういうことです。

相続税が増えるから、資産を増やさない。

それも少し違うと思います。

■ 20年後、約4億円の差

今回の試算では、

純資産2億5,500万円からスタートしました。

そして20年後。

何もしないコースは、

約3億7,400万円。

「全部使うコース(笑)」は、

約7億7,700万円。

差は、

約4億円。

元の純資産が2億5,500万円です。

つまり、

20年間の選択によって、元の純資産を上回るほどの差が生まれる

という粗い試算になりました。

もちろん、

「だから全部使いましょう」

ではありません。

むしろ逆です。

■ ガツガツやらなくてもいい

マンション3戸でもいい。

2戸でもいい。

1戸でもいい。

ここまで何十年もかけて、

自宅を買った。

アパートを維持してきた。

借入金も返した。

そして、

無担保の資産を作った。

だったら、

そこで完全に止めなくてもいいんじゃないでしょうか。

自分が頑張る必要はありません。

自然に増える仕組みだけ作っておく。

あとは、

不動産と時間に働いてもらう。

■ 自分たちの代だけで考えない



自分たちは、

それでよかった。

でも、

子供の世代は3分の1になる。

だったら、

自分たちが築いた資産を、

もう少しだけ次の世代へつないでみる。

相続税を減らすことだけが、相続対策ではありません。

資産そのものを育てて、子供に残せる選択肢を増やす。

これも相続対策です。

人生100年。

72歳なら、

まだ20年あるかもしれません。

せっかくここまで何十年もかけて育ててきた資産です。

あと20年、子供たちのために少しだけ働いてもらってもいいんじゃないでしょうか。

ガツガツではなく、仕組み。

頑張るのではなく、時間。

そして、

相続税だけを見て、資産を増やすことまで止めなくていい。

これが、研修ではボツになった(笑)、

僕が考える相続対策です。

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