82【不動産投資】動画6分「ストックとフロー」価格と利回り、キャピタルとインカム

最近、
「不動産×テクノロジー」
「不動産×AI」
をうたう会社がかなり増えました。
物件分析シート。
AI査定。
CF分析。
融資シミュレーション。
昔よりかなり便利になっています。
実際、
初心者でも短時間で
・利回り
・返済比率
・CF
・金利耐性
などを確認しやすくなりました。
これはこれで悪くないと思います。
ただ、
実際の不動産投資は、
そんなに単純ではありません。
今回、
実際の物件評価シートを例に、
・AIならどう見るか
・僕ならどう見るか
を簡単に整理してみます。
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■ 物件評価シートの概要
今回のシートは、
不動産投資物件を一枚で確認できる評価レポートです。
物件概要。
AI価格査定。
利回り。
CFシミュレーション。
融資条件。
リスク要因。
などがまとめられています。
かなり見やすいです。
初心者には便利だと思います。
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■ 上部の主要指標
・スコア
72/100
・販売価格
4,860万円
・表面利回り
7.5%
・割安スコア
+7.4%
AI価格査定
・路線価割合
161.7%
良好
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■ 物件概要
・住所 横浜市
・構造 木造
・築年 2007年
・延床面積 98.3㎡
・土地面積 341.7㎡
・総戸数 6戸
・駅徒歩 11分
・路線価割合 161.7%(良好)
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■ STAGE 1 AI価格査定
・AI予測価格 4,526万円
・販売価格 4,860万円
・割安スコア +7.4%
・割安額(絶対値) 334万円
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■ リスク要因
擁壁。
土砂災害警戒区域。
サブリース。
数値内訳にあり。
土砂災害警戒区域内。
現在サブリース中ですが、
売主にて解約可能です。
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■ AI考察
価格:
相場より7.4%割高。
慎重な検討が必要です。
CF:
シナリオB(地銀2.5%)で
当社4条件をすべてクリア。
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■ CFシミュレーション(3シナリオ)
A:都銀1.2%
B:地銀2.5%
C:ノンバンク3.8%
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■ 融資期間
A:4年
B:32年
C:35年
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■ 年間CF
A:▲985.1万円
B:+39.1万円
C:+8.6万円
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■ 税算利益
A:▲377.6万円
B:+115.1万円
C:+78.1万円
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■ ICR
A:4.46倍
B:2.14倍
C:1.41倍
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■ 月次返済
A:+103.8万円
B:+18.4万円
C:+20.9万円
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■ 年間返済
A:+1,245.0万円
B:+220.8万円
C:+251.3万円
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■ 当社4条件(シナリオB)
・年間CF > 0
・帳簿黒字
・ICR ≧ 1.0
・債務償還 ≦ 32年
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■ 一般AIならどう見るか
たぶん、
「悪くない案件」
と評価すると思います。
理由はシンプルです。
数字上、
ある程度整っているからです。
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■ AIが評価しそうなポイント
① 表面利回り 7.5%
横浜で7%超。
数字だけ見ると、
比較的高利回りです。
② 地銀シナリオでCFプラス
年間CF+39.1万円。
「毎年お金が残る」
という判定です。
③ ICR 2.14倍
金利耐性も、
一般論では悪くない。
④ 債務償還年数 25.4年
融資期間32年以内。
返済可能性あり、
と見やすい。
⑤ 路線価割合 161.7%
土地との比較バランスも悪くない。
AI的には、
担保力あり、
という評価でしょう。
⑥ 築年数
2007年築。
AI的には、
「築古すぎない」
「旧耐震ではない」
という評価になりやすいと思います。
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■ 竹下の見方
① 擁壁
この時点で僕は買いません。
擁壁はかなり嫌います。
評価シートでは軽く書かれていますが、
実際にはかなり重い。
高低差系は、
出口で嫌われやすい。
災害もそうですが、
売却時に苦労します。
僕は基本、
擁壁物件は避けます。
② 外部要因
エリアの将来性。
人口。
賃貸需要。
競合。
あと、
木造は特に
・火災保険料
・シロアリ
・修繕
なども考えます。
③ サブリース
解除可能、
とは書いています。
でも、
本当に解除できるのか。
解除後、
どうなるのか。
そこを見ます。
昔、
セキスイ系のサブリースで
・手数料3割
・設備全部新調
なら引き受ける
みたいな話もありました。
サブリース解除後、
中を見たらボロボロ。
でも、
空室のまま
サブリース料だけ払ってる。
そんなケースもあります。
④ 数字
小さな数字だけ見ても、
あまり意味がありません。
採用している評価基準が
妥当なのか。
そこを考えます。
例えばICR。
営業利益 ÷ 支払利息。
もちろん参考にはなります。
でも、
6室のうち1室退去したら?
それだけで崩れる可能性もある。
僕ならむしろ、
「営業利益+減価償却」
を見ます。
これで返済できるか。
銀行員時代の融資稟議書でも、
だいたいそんな感じでした。
それで足りなければ、
最後は役員報酬。
「返済可能です」
という屁理屈(笑)
でも、
実際、
銀行実務なんてそんなものです。
⑤ 実働部隊
最近は
「テクノロジーで管理」
みたいな会社も増えました。
ただ、
実際に動くのは人です。
管理会社で結果、収益は全く違います
修繕。
交渉。
クレーム対応。
募集。
現場が弱いと、
結局崩れます。
⑥ 買う人の事情
そもそも、
誰が何目的で買うのか。
そこが入っていません。
CF目的。
節税。
資産形成。
団信。
相続。
人によって正解は変わります。
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■ まとめ
テクノロジーやAIは、
かなり便利になっています。
簡単な一次判断には、
役立つと思います。
ただ、
不動産は
・立地
・管理
・人
・出口
・インフレ
・外部環境
など、
数字化しにくい部分がかなり大きい。
あと、
不動産は一点もの。
金融商品とは違います。
予期せぬラッキーもある。
「欲しい」
も立派な理由です。
そして、
本当に売れる物件は、
評価される前に売れていく。
逆に、
テクノロジーは
「売れない物件を売る道具」
なのかもしれません。
ドンブリ勘定も案外悪くないということです(笑)
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