年収のカラクリ ~年商5億円を超えた経営者たちの、自分の年収の決め方の技~
目次
1、ビジネスパーソンは、独り旅を趣味としよう
「旅行」というと、家族や友人と一緒に楽しむもの、というイメージを持つ方が多いと思います。また、企業が新しい海外市場を視察する場合にも、経営者や社員が複数名で現地を訪問し、決められたスケジュールに沿って視察先を回るのが一般的です。
もちろん、それらの旅行や海外視察には、それぞれ大きな意味があります。
しかし、それとは別に、海外ビジネスに携わる経営者やビジネスパーソンに、僕が強く勧めたいものがあります。
それが、「独り旅」です。
僕自身、仕事で海外や日本国内の地方都市へ出張すると、仕事を終えた後に数日の時間を確保し、その地域を独りで歩くことがあります。
大切なのは、「独りで行動する」という点です。
誰かと一緒に行動していると、どうしても会話や予定に意識が向きます。ところが、独りで街を歩いていると、普段であれば見過ごしてしまうものが目に入るようになります。
どのような人が街を歩いているのか。
どのような店に人が集まっているのか。
商品の価格はいくらなのか。
どのような広告が掲げられているのか。
若者は何にお金を使っているのか。
富裕層はどこに住み、どこで買い物をしているのか。
ビジネス街にはどのような企業が集積しているのか。
ショッピングモールでは、どのブランドが支持されているのか。
現地の人にとっては日常的な光景であっても、日本から来た経営者の目で見ると、そこには膨大なマーケティング情報があります。
地域の生活感を感じ、そこで知り合った人とコミュニケーションをとり、市場や商品価格を確認し、自分の判断で店を選んで食事をする。
僕にとって独り旅とは、単なる余暇ではありません。
日常業務から一度離れ、自分の感覚を取り戻す時間であると同時に、新しい市場を自分自身の目で観察し、次の事業構想を育てる時間でもあります。
特に海外では、この「独りで市場を見る時間」が、仕事と趣味の両方を兼ねた非常に重要な時間になっています。
海外ビジネスに関わる経営者には、会議室の資料だけで海外市場を理解したつもりにならず、ぜひ独りで街を歩き、その国の「普通の生活」を観察してほしいと思います。
2、独り旅の効用
僕は独立する以前、本業として経営コンサルティングに携わり、大手企業の役員として経営にも関与する一方、副業として飲食事業を拡大してきました。
独立後は、経営コンサルタントとして多くの中小企業経営者の経営支援に携わり、海外進出支援、マーケティング支援を行うと同時に、自らも複数の事業分野で会社を設立し、グループ経営を行ってきました。
経営者や経営コンサルタントという仕事では、一つの問題だけを考えていればよいという時間は、ほとんどありません。
売上、利益、資金繰り、人材採用、組織、マーケティング、新規事業、海外展開など、複数の経営課題について、同時に意思決定を続ける必要があります。
そのため、僕自身も長年にわたり、非常に長い時間を仕事に投入してきました。
僕にとって仕事は、ある意味では趣味のようなものでもあります。しかし、仕事が好きであることと、精神的な負荷がかからないことは、まったく別の話です。
経営者は、常に意思決定を求められます。
しかも、その意思決定の結果について、最終的な責任を負うのも経営者です。
だからこそ、仕事から一度物理的に距離を置き、頭の中に「空白」をつくることは、経営者にとって非常に重要だと僕は考えています。
その方法の一つが、独り旅です。
仕事を完全に止め、独りで国内外を旅することもあります。
リゾートホテルや馴染みの温泉宿で、あえて予定を入れず、ゆっくりと時間を過ごすこともあります。
一方で、初めて訪問する国では、現地に精通したガイドや通訳を依頼し、市場を見たり、その国の人々の生活や商習慣について話を聞いたりすることもあります。
後者は、純粋な休暇というより、市場調査や次の事業構想の準備という性格が強くなります。
つまり、独り旅には、僕の場合、大きく三つの意味があります。
一つ目は、日常業務から離れ、心身を回復させること。
二つ目は、新しい市場の一次情報を、自分自身で収集すること。
三つ目は、普段の仕事環境から離れ、次の事業について考える時間を確保することです。
これは経営者に限った話ではありません。
海外事業の責任者、新規事業担当者、マーケティング担当者など、常に「次の答え」を求められるビジネスパーソンにも共通します。
情報を大量にインプットするだけでは、新しい構想はなかなか生まれません。
情報から一度距離を置き、それまで蓄積した知識と、新しく目にしたものを自分の頭の中で組み合わせる時間が必要なのです。
独り旅は、そのための非常に優れた環境をつくってくれます。
3、海外こそ独り旅へ
「独り旅」という言葉には、温泉地や古都を一人で訪ねるような、どこか静かで感傷的なイメージがあるかもしれません。
しかし、海外事業に携わるビジネスパーソンには、むしろ海外でこそ独りで行動する時間を持つことを勧めます。
家族や友人と旅行したことのある国であっても、独りで街を歩き、自分で店を選び、自分で移動し、そこで出会った人とコミュニケーションをとると、その国の見え方は大きく変わります。
なぜなら、海外市場を理解するうえで本当に重要なのは、有名な観光地を見ることではなく、そこで暮らす人々の日常を見ることだからです。
事業家にとって、海外は新たな市場です。
そして、日本とは異なる所得水準、文化、家族構成、宗教、生活習慣、商習慣、価値観があります。
その違いの中に、新しい事業機会があります。
日本では既に成熟している商品やサービスであっても、海外では市場形成の初期段階にある場合があります。
逆に、日本で成功しているビジネスモデルを、そのまま海外へ持ち込んでも、まったく支持されないこともあります。
ここで重要なのは、
「日本で売れているものを海外で売る」
という発想だけではありません。
「この国の人たちは、何に困っているのか」
「何にお金を払っているのか」
「どのような商品やサービスなら、この課題を解決できるのか」
という問いを立てることです。
これは、海外進出におけるマーケティングの原点です。
現地市場を歩いていると、こうした問いに対する仮説が次々と生まれてきます。
その仮説をその場で深め、必要であれば翌日にもう一度同じ場所を訪ね、店舗や価格を確認し、現地の人に話を聞く。
この自由度は、団体視察ではなかなか確保できません。
独り旅だからこそ、「気になったから、もう一度見に行く」という行動が即座にできるのです。
もちろん、海外で独り行動をする以上、安全管理は最優先です。
日本と同じ感覚で夜間に行動したり、治安状況を確認せずに地域へ入り込んだりするべきではありません。
独り旅の目的は、危険を経験することではありません。
安全を十分に確保したうえで、観光客向けに加工された情報ではなく、現地の日常という一次情報に近づくことです。
海外市場を理解するには、「現地を知ったつもりになる」のではなく、自分自身の目で市場を見る習慣を持つことが重要なのです。
4、旅のお供は、現地ガイド
「それでも、独りで初めて行く国を歩くのは不安だ」
そう感じる方も多いでしょう。
僕自身、初めて訪問する国や都市では、現地に居住し、その地域をよく理解している通訳ガイドやコーディネーターに案内をお願いすることがあります。
ここで重要なのは、単なる観光案内を依頼するのではなく、自分の目的を事前に明確に伝えることです。
僕の場合、
「一般の消費者が利用するスーパーマーケットを見たい」
「富裕層が暮らす住宅地を見たい」
「ビジネス街を歩きたい」
「現地企業が入居するオフィスエリアを見たい」
「若い世代が集まる商業施設を見たい」
「現地で伸びているサービスを知りたい」
といった目的を伝えます。
海外市場調査では、「どこへ行くか」以上に「何を見るか」が重要だからです。
現地事情を知らないまま、自分だけで移動計画を立てると、交通渋滞、イベント、宗教行事、営業時間、曜日による混雑などによって、予定通りに動けないことがあります。
東南アジアの大都市などでは、同じ距離でも時間帯によって移動時間が大きく変わることがあります。
現地事情を理解しているガイドやコーディネーターであれば、こうした事情を踏まえて、効率的な旅程を提案してくれます。
また、地元の人が日常的に利用する店や、観光客にはあまり知られていないレストランなどを教えてもらえることもあります。
これは、単なる食事の楽しみだけではありません。
どのような客層が来ているのか。
客単価はいくらなのか。
どのような商品が売れているのか。
店舗スタッフは何人いるのか。
どのような決済方法が利用されているのか。
経営者の視点で見れば、レストラン一軒、スーパー一軒、商業施設一つにも、多くのマーケティング情報があります。
そして、独りでガイドと行動していると、移動中や食事中にじっくり話をすることができます。
現地の給与水準、住宅事情、教育、就職、消費行動、政治や社会に対する感覚など、資料だけでは理解しにくい話を聞けることがあります。
こうした会話は、海外市場を理解するうえで非常に貴重です。
さらに、僕自身の経験では、何度か仕事をお願いする中で信頼できる人材に出会い、その後、企業として継続的に仕事を依頼し、現地リサーチや事業立ち上げを支援してもらう関係へ発展することもあります。
海外ビジネスでは、「現地で信頼できる人を見つけること」自体が重要な経営資源になります。
独り旅は、単なる旅行から、こうしたネットワーク形成へ発展する可能性も持っています。
5、新しい市場の中で、事業構想力は全開に
ガイドや現地の方に案内してもらい、その地域の交通事情や治安、基本的な地理関係を理解した後は、安全を確認した範囲で、独りで街を歩く時間をつくります。
ただし、ここでも事前の情報収集は不可欠です。
海外の都市では、数本の道路を隔てただけで、治安状況が大きく異なることがあります。
日本で生活している感覚のまま行動せず、外務省の安全情報、ホテル、現地ガイド、取引先などから最新の情報を得て、立ち入るべきではない地域には近づかない。
これは海外ビジネスに携わる人間として、当然のリスク管理です。
安全を確保したうえで独りで街を歩くと、僕の場合、頭の中でさまざまな構想が動き始めます。
日常の仕事では、
今日処理しなければならない案件。
社員から上がってくる相談。
メール。
会議。
顧客対応。
資金繰り。
こうした「緊急性の高い仕事」に頭の大部分を占有されています。
一方、旅先では、その日常から物理的に離れることができます。
そこに、新しい街、新しい店、新しい広告、新しいサービス、新しい人々の生活という刺激が入ってきます。
すると、それまで頭の中に蓄積していた情報同士が、突然つながり始めます。
「このサービスは、日本のこの事業と組み合わせられるのではないか」
「この国では、日本で既に成熟したこのビジネスが、まだ成長市場なのではないか」
「逆に、この国の仕組みを日本へ持って帰ることができないか」
「この客層に対して、当社の既存商品を違う形で提供できないか」
こうした仮説が次々と生まれてきます。
僕は、思いついた段階では、完成度を求めません。
スマートフォンやメモなどに、その場でどんどん書き留めます。
重要なのは、この段階ではアイデアを評価しすぎないことです。
事業性の評価、収益計算、競合分析、法規制の確認などは後で行えばよい。
まずは、現地で生まれた仮説を逃さず記録する。
そして帰国後、その仮説を市場調査や事業計画へ落とし込んでいきます。
このプロセスこそ、僕が考える「事業構想」です。
独りでいるからこそ、誰かの予定や会話に合わせる必要がなく、考え始めたテーマについて、好きなだけ思考を深めることができます。
独り旅の最大の効用は、孤独になることではありません。
自分自身の思考に集中できる時間を、意図的につくることなのです。
6、外からの情報の刺激を受けて、自らの内面から構想は生まれる
新しい事業計画をつくる前には、必ず「事業構想」があります。
そして、その構想は、机の前でゼロから突然生まれるものではありません。
外部から入ってきた情報と、自分自身がこれまで蓄積してきた経験、知識、経営資源が結びついたときに生まれます。
その意味で、海外市場を自分自身の目で見ることには、大きな価値があります。
現地で生活する消費者を見る。
商品を見る。
価格を見る。
店舗を見る。
企業を見る。
働く人を見る。
交通を見る。
住宅を見る。
広告を見る。
そして、人の話を聞く。
インターネットや調査会社のレポートから得られる二次情報も、海外進出には不可欠です。
しかし、それだけで市場を理解することはできません。
経営者自身が一次情報に触れることで、二次情報の意味が初めて立体的に理解できるようになります。
ビジネスとは、突き詰めれば、個人や企業が抱えている課題に対して、その解決策として商品やサービスを提供し、対価を受け取る活動です。
したがって、新規事業を考えるときに最初に問うべきなのは、
「自分は何を売りたいか」
だけではありません。
「この市場では、誰が、何に困っているのか」
「その課題は、どの程度深刻なのか」
「現在、その課題をどのような方法で解決しているのか」
「既存の解決方法には、どのような不満があるのか」
「自社の経営資源を使って、よりよい解決策を提供できないか」
という問いです。
この問いを持った状態で海外の街を歩くと、旅の見え方がまったく変わります。
単なる「珍しい外国の風景」だったものが、市場情報として見えるようになります。
行列のできている店を見れば、「なぜ、この店にこれだけ人が集まるのか」と考える。
使いにくそうなサービスを見れば、「この不便を解決する事業はないのか」と考える。
日本の商品を見つければ、「なぜ、この商品がここで選ばれているのか」と考える。
逆に、日本の商品がまったく見当たらなければ、「市場がないのか、それとも、まだ誰も市場を開拓していないのか」と考える。
海外事業に携わる経営者に必要なのは、この「問いを持って市場を見る力」です。
そして、その能力を鍛える非常に実践的な方法の一つが、独り旅だと僕は考えています。
海外進出を考えている経営者の方には、いきなり現地法人を設立したり、大規模な投資をしたりする前に、一度、自分自身で現地を歩いてみることを勧めます。
市場調査の数字を見るだけではなく、自分の目で顧客を見て、自分の足で街を歩き、自分の耳で現地の人の話を聞いてください。
そこから生まれた仮説を、専門的な市場調査、事業計画、販路開拓、現地法人設立へ発展させていけばよいのです。
URVグローバルグループでは、海外進出を単なる現地法人設立や手続の問題とは捉えていません。
海外事業戦略の立案から、市場調査、進出方式の検討、販路・事業パートナーの開拓、現地法人設立、進出後の経営まで、企業の海外事業を一つの経営プロジェクトとして支援しています。
また、海外市場を自分自身の目で確認したい経営者には、海外渡航、現地視察、市場調査などについても支援しています。
「海外に進出したいが、どの国へ行くべきか分からない」
「自社の商品やサービスが海外で通用するのか、まず現地を見てみたい」
「経営者自身で現地市場を視察したうえで、海外進出戦略を立てたい」
そのような段階から、ご相談ください。
海外進出の第一歩は、必ずしも会社を設立することではありません。
経営者自身が、世界の市場を自分の目で見ること。
僕は、そこから始めることを勧めます。
URVグローバルグループの海外進出支援事業
海外進出の構想、市場調査、進出方式の検討、販路・パートナー開拓、現地法人設立、進出後の経営まで。海外事業を構想段階から総合的に支援します。
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