【ストーカートラブル】夜道でつけられている気がする|警察に相談してよい段階か
この記事は、2026年10月時点の法令(令和7年改正後のストーカー規制法を含む)をもとに作成しています。アプリの機能や画面の表示は更新されることがあるため、具体的な操作方法は各サービスの最新の案内もあわせてご確認ください。
ストーカー被害のご相談では、「スクリーンショットは撮ってあるのですが、これで足りますか」と尋ねられることがよくあります。その一方で、怖くなってメッセージを消してしまった、ブロックした後に相手の名前が表示されなくなった、というお話を伺うことも少なくありません。
スクリーンショットを撮ること自体は適切な対応です。ただ、撮り方によっては後から「いつ、誰から届いたものか」が分からなくなったり、保存したスマホが相手から見える状態になっていたりすることがあります。
この記事では、スマホの中で証拠をどう撮り、どう守り、相談の場で使える形にどう整えておくかに絞って解説します。相手を刺激せずに接触を断つ方法についてはストーカーを刺激せず関係を断つ|安全な接触遮断と証拠の残し方で取り上げていますので、あわせてご覧ください。
スクリーンショットだけでは足りなくなる場面
画像から「いつ・誰が・どこで」が抜け落ちる
スクリーンショットは、画面に表示された内容をそのまま残せる手軽な方法で、警察への相談や民事の手続でも、やり取りを示す資料として広く使われています。民事裁判では、写真や録音のように文字で書かれた文書ではないものにも、文書の証拠調べの規定が準用されます(民事訴訟法231条)。
ただ、トーク画面を1枚撮っただけでは、送り主の表示が後から変わっていたり、日付が画面の外に出ていたりして、肝心の情報が写っていないことがあります。ストーカー規制法では、拒まれているのに連続して連絡することなどが規制の対象とされているため(ストーカー規制法2条1項)、同じ相手から、いつ、どのくらいの頻度で届いたのかを読み取れるかどうかが重要になります。
加工や切り取りを疑われる余地が残る
スクリーンショットは画像ファイルなので、編集アプリで文字を消したり、都合のよい部分だけを切り取ったりすることが技術的にはできてしまいます。そのため、相手から「そんなメッセージは送っていない」「前後を切り取っている」と反論されることも考えられます。
だからといって、スクリーンショットに意味がないわけではありません。一枚の画像で完結させようとせず、元のデータ・前後の流れ・撮影した日時を組み合わせて、後から確かめられる状態にしておくことが、証拠としての力を保つうえで大切です。
1枚のスクリーンショットに入れておきたい情報
撮影の前に、次の情報が画面に入っているかを確認しておくと、後で見返したときに迷いにくくなります。
- 相手の表示名と、アカウントIDや電話番号など相手を特定する手がかり。
- メッセージや投稿の本文。
- 送受信の日付と時刻(「3時間前」のような表示だけでなく、年月日が分かる表示)。
- 画面上部のステータスバーに表示される、撮影した時点の日時。
- SNSの場合は、投稿のURLと相手のプロフィール画面。
相手を特定する情報は別に撮っておく
トーク画面には表示名しか出ないことが多いため、相手のプロフィール画面やアカウントIDが分かる画面も、別に撮っておきます。表示名やアイコンは相手が後から変えられるので、被害が続いている間に一度、相手を特定する情報を記録しておくと、同じ人物からの連絡であることを示しやすくなります。
前後が少し重なるように連続して撮る
やり取りが1画面に収まらないときは、前の画像と次の画像で数行ずつ重なるようにスクロールして撮ると、途中を抜いていないことが伝わりやすくなります。弁護士ドットコムのニュース記事でも、送受信の日時が分かるように撮ることや、前後関係が分かるよう画面を少し重複させて撮ることが勧められています。
ご自身が「連絡しないでください」と伝えた部分も、拒絶の意思を示した記録になります。自分の返信も含めて一連の流れとして残しておきましょう。改ざんを疑われることが心配なときは、メッセージが表示されたスマホ全体を別のカメラで撮影しておく方法もあります。
連絡の手段ごとに残し方を変える
ストーカー被害で使われる連絡手段はさまざまで、手段ごとに残りやすいもの・消えやすいものが違います。
| 連絡の手段 | 残しておきたいもの | 気をつけたい点 |
|---|---|---|
| LINEなどのメッセージアプリ | トーク画面、相手のプロフィール、トーク履歴の書き出しデータ | 送信の取消や退会で表示が変わることがある。 |
| SNSの投稿・コメント・DM | 投稿のURL、投稿日時、相手のアカウント画面 | 投稿が削除される前に残しておく。 |
| 電話・SMS | 着信履歴の画面、留守番電話の音声、SMSの本文と送信元番号 | 履歴は件数や期間によって古いものから消えることがある。 |
| メール | 本文、送信元アドレス、受信日時 | 迷惑メールフォルダに振り分けられたものも消さない。 |
| 自宅周辺での出来事 | 写真・動画と撮影日時 | 位置情報付きの画像を人に送るときは扱いに注意する。 |
メッセージアプリは書き出し機能も使う
LINEなどのメッセージアプリには、トーク履歴をテキストファイルとして書き出す機能を備えたものがあります。全体の流れを日時つきで確認でき、件数や頻度の整理に役立ちます。ただし、書き出したファイルは編集できる形式なので、スクリーンショットを補うものとして考えておくのが無難です。
LINE・メール・録音データの扱い全般については、LINE・メール・録音データの保存と渡し方|消してはいけない理由でも解説しています。
SNSは投稿のURLを控えておく
スマホのアプリでは、投稿のURLが画面に表示されないことがよくあります。共有メニューからリンクをコピーし、日付とあわせてメモに貼り付けておくと、後で投稿を特定しやすくなります。匿名のアカウントの場合、発信者を特定する手続でもURLや投稿日時が手がかりになります。
SNS上の行為がストーカー規制法の対象になるかどうかは、【ストーカートラブル】SNSに毎日コメントされる|ネット上の行為は規制法の対象になるかで整理しています。
着信履歴はこまめに画面を残す
着信履歴は、端末によっては一定の件数や期間を過ぎると古いものから表示されなくなります。着信が続いている時期は、こまめに履歴の画面を撮っておくと、回数や時間帯を後から示しやすくなります。無言電話や非通知の着信が続く場合の対応は、【ストーカートラブル】無言電話・非通知の着信が続く|記録と止め方で取り上げています。
ブロック・削除・機種変更の前に確認しておくこと
ブロックや通報は保存を済ませてから
相手をブロックしたり、SNSの運営会社に通報したりすることは、身を守るうえで必要な対応です。ただ、ブロックや通報の後は、相手のプロフィールや過去のやり取りが見えにくくなったり、表示が変わったりすることがあります。ブロックや通報の前に、それまでのやり取りとプロフィールを保存しておくという順序を意識しておくと安心です。
つらくても自分からは消さない
見るのもつらいメッセージを消したくなるお気持ちは、自然なものです。それでも、一度消したデータは復元できないことが多いため、通知をオフにするなどして負担を減らしつつ、データ自体は残しておくことをおすすめします。相手の側で送信の取消やアカウントの削除ができるサービスもあるため、届いたメッセージは時間を置かずに保存しておくと安心です。
機種変更や初期化は慎重に
機種変更や初期化の際に、トーク履歴の引き継ぎがうまくいかず、やり取りが消えてしまうことがあります。被害が続いている間は、できれば元の端末を手元に残しておくのが安全です。
端末の外に残る記録については、クラウド同期・バックアップに残っている場合|端末以外に残る記録もご参照ください。
保存した証拠を相手から守る
証拠を集めても、それを保存しているスマホやアカウントに相手が入れる状態では、データを消されたり、相談している事実を知られたりするおそれがあります。元交際相手や元配偶者からの被害では、交際中や同居中に端末やアカウントを共有していたことも少なくありません。
画面ロックと認証の設定を見直す
画面ロックの暗証番号を相手が知っている可能性があるときは、変更しておきます。顔や指紋の認証に、ご自身以外の情報が登録されていないかも確認しておくと安心です。
共有しているアカウントやアルバムを確認する
スマホのアカウント(Apple IDやGoogleアカウントなど)を相手と共有していた、パスワードを教えていた、家族共有の設定でつながっている、といった場合には、写真やバックアップが相手の端末から見えることがあります。スクリーンショットは写真アプリに保存されるため、共有アルバムや同期の設定によっては、撮った画像そのものが相手に伝わることも考えられます。ログイン中の端末の一覧を確認し、心当たりのない端末があれば、パスワードの変更などで切り離しておきます。
位置情報以外の経路から情報が漏れていないかについては、【ストーカートラブル】スマホや共有サービスから居場所が漏れている|位置情報以外の経路を止めるで詳しく扱っています。
保存先を一か所にしない
故障や紛失に備えて、相手が知らないアカウントで登録したクラウドや、パソコン、外付けの記録媒体などにも写しを置いておくと、どれか一つが失われても残ります。
相談の場で使える形に整えておく
フォルダとファイル名を日付でそろえる
証拠用のアルバムやフォルダを作り、「2026-10-05_LINE_1」のように日付と種類が分かる名前で整理しておくと、件数や時期を一覧しやすくなります。
画像と時系列のメモを対応させる
スクリーンショットだけでは、その日に何があり、どう対応したのかまでは伝わりません。日付ごとに、何時ごろ、どの手段で、どのような連絡があったか、そのとき自分はどう対応したかを短くメモし、対応するファイル名を書き添えておくと、相談先が全体像をつかみやすくなります。画像とメモが一対一で結びついていると、記録の信用性も高まります。
記録全般の考え方は、証拠の残し方|あとで警察・弁護士に通用する記録とはで解説しています。
相談するときは元の端末も持参する
警察や弁護士に相談するときは、整理した画像や印刷物に加えて、元の端末も持参すると、その場で元のデータを確認してもらえます。印刷した場合も、元データは消さずに残しておきます。どこに先に相談するかで迷っている場合は、【ストーカートラブル】警察と弁護士のどちらに先に相談するか|ストーカー被害での順序を参考にしてください。
よくあるご質問
もう消してしまったメッセージは取り戻せますか
自分の端末から消したメッセージでも、バックアップに残っていたり、通知の履歴やメールに一部が残っていたりすることがあります。ただし、復元できるかどうかはサービスや端末の状況によって異なり、取り戻せるとは限りません。消してしまった場合でも、残っている他の記録や、その時期に誰かへ相談した記録などを組み合わせて、被害を説明できることがあります。データがそれ以上上書きされないよう、端末の初期化などは控えて、早めにご相談ください。
相手からの電話を録音してもよいのですか
自分が当事者となっている通話を録音すること自体は、一般に違法とはされておらず、民事の手続でも証拠として扱われることが多いとされています。ただし、録音した内容をインターネット上などで広く公開すると、別の問題が生じるおそれがあります。録音データは相談先に示すために保管し、むやみに共有しないようにしましょう。なお、機種によっては録音の開始が相手に通知される仕組みがあるため、事前に確認しておくと安心です。
スクリーンショットは何枚くらい撮っておけばよいですか
枚数に決まりはありません。大切なのは、被害が始まった時期から現在までの流れと、連絡の頻度が分かることです。同じような内容が続く場合でも、日ごとに少なくとも一部は残しておくと、継続していることを示しやすくなります。撮りきれない量の場合は、書き出し機能やメモと組み合わせて記録してください。
まとめ
- スクリーンショットは民事の手続でも証拠として使われますが(民事訴訟法231条)、日時や送り主が写っていないと力が弱まります。
- ストーカー規制法は拒まれた後の連続した連絡なども対象としているため(ストーカー規制法2条1項)、頻度と期間が読み取れるように残します。
- 相手の表示名・ID・プロフィール、送受信の日時、撮影時点の日時を一緒に写し、前後が重なるように連続して撮ります。
- メッセージアプリの書き出しデータ、SNSのURL、着信履歴など、手段ごとに消えやすいものを先に保存します。
- ブロック・通報・機種変更の前に保存を済ませ、自分からはデータを消さないようにします。
- 画面ロック、共有アカウント、共有アルバムを見直し、保存した証拠が相手から見えない状態にします。
- 証拠は日付ごとに整理して複数の場所に保存し、相談の際は元の端末も持参します。
ストーカー被害の証拠の残し方でお悩みの方へ
スマホの中の証拠は、撮り方・守り方・整え方の三つがそろって、初めて相談の場で生かしやすくなります。すでに撮ってあるスクリーンショットが十分か分からない、保存した端末を相手に見られているかもしれない、という段階でも、手元にある記録を一緒に確認しながら、次に取れる手段を整理できます。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


