【解決事例】メンズエステ利用後に示談金500万円を要求された男性が、弁護士の同行で支払い0円に解決した事例
プレイが終わった後、女性から「店には言わないでおくから、その代わりにお金を」と持ちかけられることがあります。店に知られれば罰金を求められたり、警察沙汰になったりするのではないかという不安から、その場で財布を開いてしまう方も少なくありません。しかし、この申し出は、払えば確実に話が終わるという取引ではありません。本記事では、この申し出が法的にどのような意味を持つのか、その場でどう振る舞えばよいのか、すでに払ってしまった場合に何ができるのかを、順を追って整理します。
本記事は、店を介さずに女性本人から金銭を持ちかけられた場面を想定した一般的な解説です。実際の対応は、行為の内容やその場のやり取り、残っている記録によって変わります。
「店に言わない代わりに」という申し出の中身
この申し出は、女性が「店に報告しない」という自分自身の行動を約束し、その見返りとしてお金を求めるものです。言い換えれば、女性本人が約束できるのは自分が黙っていることだけで、店の判断や警察の動きまで約束できるわけではありません。
店に報告されるかどうかの不安そのものについては、【風俗トラブル】「店に報告する」とキャストに言われた|報告される前にできることで扱っています。本記事では、女性の側から「黙っている代わりのお金」を持ちかけられた場面に絞って考えます。
女性本人が約束できること・できないこと
| 事柄 | 女性本人が約束できるか | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 店に報告しないこと | 約束はできる | 守られる保証はなく、気持ちが変わることもある |
| 店が別の経路で事情を知った後の対応 | 約束できない | 店には店の判断がある |
| 警察への相談や被害届 | 口約束にとどまる | 当事者の取り決めで刑事手続を止められるわけではない |
| 後日、追加で請求しないこと | 約束はできる | 書面がなければ、約束があったこと自体を示しにくい |
払えば終わるとは限らない理由
その場で払えば店に知られずに済み、すべてが終わるように思えるかもしれません。しかし、次のような理由から、払ったことで問題が片づくとは言い切れません。
口止めの約束には法的な裏付けが乏しい
「店や警察に言わない代わりにお金を払う」という約束は、内容によっては公序良俗に反するものとして、無効と判断されるおそれがあります(民法90条)。仮に女性が約束を破って店に話したとしても、払ったお金の見返りを法的に求めることは難しい場面が多いと考えられます。
また、不同意性交等罪などの性犯罪は、被害を受けた人の告訴がなくても捜査や起訴ができる罪とされています。当事者の間で「言わない」と取り決めても、刑事手続が進むかどうかを当事者だけで決められるわけではありません。
払ったこと自体が「認めた」と受け取られることがある
身に覚えのない場面でお金を渡すと、後になって「やましいことがあったから払ったのだろう」と受け取られることがあります。店や警察に事情を説明する場面で、支払いの事実が不利な材料として扱われるおそれがある点には注意が必要です。
一度払うと、次の請求につながりやすい
払える相手だと分かると、日をおいて「やはり店に話す」「あれでは足りない」と再び連絡が来ることがあります。最初の支払いについて書面がなければ、何のためのお金だったのかを後から示すことも難しくなります。
申し出が恐喝にあたる場面
お金を求めること自体が、直ちに犯罪になるわけではありません。ただ、「払わなければ店や家族、勤務先に知らせる」「警察に行く」といった形で不利益を告げ、それによってお金を払わせようとする場合には、恐喝罪(刑法249条)にあたる可能性があります。お金を払う前の段階でも、脅すような言葉は脅迫罪(刑法222条)の問題になることがあります。
一方で、女性の側にも「嫌なことをされた」という言い分がある場合、恐喝にあたるかどうかの判断は単純ではありません。正当な損害の請求と、口止めを材料にした要求との間には、事情によってさまざまな幅があります。その場で「恐喝だ」と言い返すと話がこじれることもあるため、言葉の評価は後で弁護士と整理すれば足ります。恐喝との境目については、「金を払わなければ通報する」と脅されたら|風俗トラブルにおける恐喝罪への対処法で詳しく解説しています。
その場でとりたい対応
持ちかけられた直後は、気持ちが動揺しやすい場面です。次の点を意識しておくと、後から取り返しのつかない対応を避けやすくなります。
- その場で現金を渡さず、「いったん持ち帰って考える」と伝えること。
- 相手の言葉をできるだけそのまま記録すること(録音、またはやり取りの直後のメモ)。
- 身分証や名刺を見せたり、写真を撮らせたりしないこと。
- 念書や借用書など、その場で用意された書面に署名しないこと。
- 求められても個人の連絡先を交換しないこと。
- 相手を威圧したり言い争ったりせず、落ち着いて退出すること。
退出を妨げられたり、別の人物が部屋に来て身の危険を感じたりした場合は、ためらわずに110番通報を検討してください。自分が参加している会話の録音は、後で事実関係を確かめる材料として役立つことがあります。残し方の注意点は録音はどこまで証拠になるか|風俗トラブルでの残し方をご覧ください。また、「今払えば終わる」と強く迫られた場合の考え方は、【風俗トラブル】「今すぐ払えばこの場で終わる」と言われた|即時払いを求められたときの判断で扱っています。
身に覚えがあるかどうかで考え方を分ける
身に覚えがない場合
禁止された行為をしていないのであれば、お金を払う理由はありません。断ったことをきっかけに、事実と異なる内容が店へ伝えられるおそれもありますが、その場合は当日の時間の流れ、やり取りの記録、店の利用規約などを手がかりに、事実を説明していくことになります。先に払ってしまうと、かえって説明しにくくなる点に注意が必要です。
心当たりがある場合
店の禁止事項にあたる行為をしてしまった、あるいは自分の認識と女性の受け止め方が食い違っているかもしれない、という場合もあります。この場合でも、女性個人に口止めのお金を渡すことで問題が解消されるとは限りません。女性本人の気持ちが変わったり、店が別の経路で事情を知ったりすれば、改めて店からの請求や警察への相談に進むことがあります。なお、店を通さずに女性と金銭のやり取りをしたこと自体を、後から店が問題にすることもあります。
心当たりがある場合こそ、口止めの支払いではなく、女性本人と店の双方を当事者とした示談として、支払う金額とその後の取り扱いを書面で確定させることが大切です。示談書に入れておきたい条項は、風俗トラブルの示談書に必ず入れる6条項|抜けると後で効かないで整理しています。
すでに払ってしまった場合
その場の流れでお金を渡してしまった場合でも、できることは残っています。まず、いつ、いくらを、どのような言葉とともに渡したのかを、記憶が新しいうちに書き留めてください。振込であれば振込の記録、メッセージアプリでのやり取りがあれば画面の保存も役立ちます。
追加の請求が来た場合は、すぐに応じずに、最初の支払いが何に対するものだったのかを確かめることが出発点になります。また、脅されて払ったといえる事情があれば、強迫を理由とする取消し(民法96条)などを根拠に、返還を求める余地を検討できることもあります。ただし、返還まで実現できるかは、記録の残り方や相手と連絡が取れるかどうかに左右されます。お金を受け取った相手が本当に女性本人だったのか確かでない場合は、【風俗トラブル】支払った後に相手が別人だと分かった|本人確認をしない示談の危うさも参考になります。
弁護士に相談するとできること
弁護士が窓口になると、女性本人や店からの連絡を代わりに受け、ご本人が直接のやり取りから離れることができます。請求の根拠や金額を確かめたうえで、支払う理由のないものはお断りし、支払う必要がある場合には、女性本人と店の双方を含めた形で、後から蒸し返されないための条項を備えた書面にまとめていきます。
ご自身で対応するか弁護士に任せるかの判断材料は、【風俗トラブル】店との交渉を自分でするか弁護士に任せるか|分かれ目になる5つの事情にまとめています。
よくあるご質問
少額であれば、払ってしまった方が早く終わりませんか
金額が小さくても、払ったことが再度の請求につながったり、後で事実を争いにくくなったりすることがあります。早く終わらせたいというお気持ちは自然なものですが、少額であっても、何のための支払いで、それによって何が終わるのかを確かめてから判断することをおすすめします。
その後、女性から個人のLINEで連絡が続いています
店を通さない個人の連絡には、店の関与がないぶん、約束の中身が曖昧なまま話が進みやすいという特徴があります。返信の前に、やり取りの画面を保存しておくことが大切です。詳しくは【風俗トラブル】キャスト本人から個人のLINEで連絡が来た|店を通さない請求の扱いをご覧ください。
店の担当者から「警察には言わない」と言われた場合も同じですか
店が相手であっても、口頭の約束だけで刑事手続を止められるわけではない点は共通しています。店側の約束の受け止め方は、【風俗トラブル】店が「警察には言わない」と約束してきた|口約束の意味と限界で解説しています。
「店に言わない代わりに」という申し出は、その場の不安を和らげてくれる提案のように聞こえますが、払った後の扱いは何も決まっていないことがほとんどです。お金を渡す前に、何が起きたのか、何を求められているのかを落ち着いて整理することが、結果として負担を小さくすることにつながります。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


