背骨を正しく動かす為に必要な、からだの動かし方の考え方 ~腰痛改善・パフォーマンスアップの根幹~
こんにちは、姿勢トレーナーの八巻です。
今回はバレエやダンスをされている方にも参考にしていただきたい、
姿勢をつくる時の、動作の意識についてのお話です。
バレエやダンスをするにあたって、
そもそも最初の基本姿勢がうまくとれなくてお悩みの方も多いのではないでしょうか?
今回の姿勢改善ポイントは、
いつも肩が上がっていると言われる、
肩を下げろと言われるが、直せない・・
こちらを取り上げてみたいと思います。
肩が上がってしまう原因とは?
バレエやダンスをされている方からのご質問で、
一番多いご質問かもしれません。
上手く肩を下げられない・必死にその姿勢をつくろうとして、
体に力が入ってしまうという負のスパイラルに陥ってしまう事も多いと思います。
肩を必死に下げようとするのを、やめてみよう。
いつも「肩を下げろ」と注意されても上手く直せない人は、
そもそもの発想を変えてみましょう。
何に対して、肩の位置が高いのかと考えてみましょう。
肩を下げろと言われるのは、肩の位置が見た目高いように見えるからだと思うのですが、
そもそもどこに対して肩の位置が高いのでしょうか?
おそらく、胸・体に対してになると思います。
肩が上がっているように見える姿勢のほとんどは、
肩が上がっているというよりは、
胸が肩より下がっているというのが正しい表現かもしれません。
肩を下げるのではなく、胸の方を引き上げる。
肩から胸にかけて、鎖骨という骨があるのはご存じだと思います。
左右の鎖骨は、首と胸の境目ぐらいのところで、
胸骨という骨と接しています(ここを胸鎖関節といいます)。
長く座っていたりして胸が落ちて背中が丸まると、
この胸骨のあたりが下がってしまいます。
そうすると、相対的に肩が上がってしまうんですね。
見た目的にも、胸が下がる事で肩の位置は上がっているように見えてしまいます。
このように胸が下がってしまった状態で、
肩を必死に下げたところで、下がりません。
元々胸と一緒に下がってしまってますからね・・。
なので、「肩を下げる」という発想を捨てて、
「胸の方を引き上げる」ように発想を変えていくという訳です。
実はこれが「肩が上がったように見える姿勢」の実態なので、
こう直すのが正解なんですね。
胸の正しい張り方・引き上げ方を知ろう。
では、その「胸を引き上げる」動作をどう行うのかをやっていきましょう。
この動作がわかれば、
バレエやダンスで必要な姿勢の基本がおさえられると思います。
まずは、あばら骨自体を上へ少し持ち上げるようにしてみよう。
ここで間違ってはいけないのが、
鎖骨と鎖骨の間をただ上に上げようとしてはいけないという事です。
これだとただ体が反ってしまうだけになります。
まずはこんな風にしてみてください。
あばら骨を両手で添えて、そのまま上へ持ち上げるようにしてみましょう。
胸だけではなく、前後ろ関係無くあばら骨全体の位置を上げます。
あばら骨全体の位置が上がると、胸の位置が上がります。
体の位置が上がったところで、腕を脱力して落とします。
それで肩まわりの力が抜ければ、だいぶいいと思います。
バレエやダンスをするときには、
自分のガイコツが動いている姿を想像しよう。
姿勢をつくる上で、今挙げたような方法でやったとして、
次に大切なのは、これを筋肉の力でキープしようとしないことです。
もちろん筋肉の力全く無しで体を支える事は無理ですが、そういう事では無くて、
この位置を保つのに、出来るだけ少ない力で立てるようにするという事です。
出来るかぎり骨で立っているような感覚で、
筋肉は崩れない程度に軽く支える位でいいです。
動く時も、自分のガイコツをどう動かすか・どう動いているかを
俯瞰でイメージしながら動くといいですね。
「どこの筋肉を使って体を動かそう」と考えると、
どうしても力が入って動きが硬くなってしまいます。
このあたりはまた改めてお話したいと思います。
という事で、肩が上がっていると言われる(肩を下げろと言われる)ケースでの、
肩の下げ方という事でお送りしました。
肩が上がっているのではなく、胸が下がっているというのが正しいという事。
なので、肩を下げようとせず、胸・あばら骨の方を上げる。
これが肩下げの極意です。
ご自分ではなかなか感覚がつかみにくいところかもしれません。
そんな時は、お気軽にご相談ください。
バレエ・ダンスのための姿勢改善