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ドローイングではお腹は凹まない!本当はこうするお腹の凹ませ方

八巻稔秀

八巻稔秀

テーマ:トレーニング・エクササイズの”実は”

こんにちは、姿勢トレーナーの八巻です。


今回はお腹を引っ込めるのに必要な体のつくり方についてのお話です。



なぜトレーニング・腹筋をしても、お腹は凹まないのでしょう?



そもそも、歳を重ねてくると何故お腹が出てくるのでしょう?


運動不足で食べる量が多ければ、全体的に太ってきますが、
肥満体型では無いけれど、お腹は出ているなぁという人も結構いると思います。



そんな出てきて気になるお腹を凹ませたい・・

でも運動してもなかなかお腹だけは凹まないんだよね・・という人も多いと思います。



ジムなどで、「お腹を凹ますにはどうしたらいい?」と聞くと、
おそらく「お腹を鍛えましょう」と言われると思います。
また、そう考えておられるかもしれません。



しかし、十数年運動指導をしてきましたが、
お腹を鍛えてもお腹は凹ます事は出来ません。
これまでの経験から断言していいと考えています。


上にも書いた「運動してもなかなかお腹だけは凹まないんだよね」が、
それを物語っていると言っていいと思います。


シットアップをやってもお腹が凹まない理由は、
お腹が出る原因とは関係無い事をやっているから!



お腹まわりのトレーニングと言うと、
いわゆる上体起こしのシットアップのようなトレーニングの他、
体幹トレーニングのようなものが一般的です。


後は、ちょっと前にブームにもなった、
「ドローイング」というのがあります。


いわゆる「おへそを引っ込める」ような動作です。



ちょっと前に流行ったものだと、
大きく息を吐きながらお腹を凹ますようにする感じだったと思います。



確かにこれをやると腹筋に力が入って、
あたかも腹筋が鍛えられている感じになります。
実際に腹直筋を中心に鍛えられると思います。



でも、これでいくら腹筋を鍛えたところで、
お腹が凹む事はおそらく無いと思います。



お腹が出てくる原因の本質は、こういう事では無いからです。



結果無駄な事をやっているだけで、トレーニングをやめると
以前にも増してお腹が出た姿勢になってしまうと思います。




私がそう言う理由をこれから解説しますね。


お腹が出てくる理由は、簡単に言えば”姿勢の悪化”によるもの!




お腹が出てくるその原因は、
胸郭(あばら骨のかご)が縮んで落ちてしまうからです。


胸郭 イラスト

胸郭(あばら骨)




特に、左右の鎖骨の間にくぼみがありますよね?
そのすぐ下に胸骨という、みぞおちまである骨があります。
このあたりが凹んでいるような姿勢になると、
お腹が出るリスクが大きくなります。

お腹が出る原因
左のイラストのように胸のあたりがしぼんで、
背中が丸まるような姿勢になると、
胸郭自体が下に下がります。
そうすると、お腹の部分が余って弛むんですね。



船に帆を張るマストを思い浮かべていただくといいと思いますが、
マストを支えるロープは緩まないように張りますよね?

このロープが緩むとマストは安定して立てなくなるでしょう。


胸郭がしぼんで落ちてしまうと
(もしくはお腹まわりの筋肉が緩むと)
姿勢は悪くなって左のようになります。


この状態が続くとお腹はいつも緩み、内臓もここに集まってしまいます。
で、体は内臓を守るために脂肪をここに蓄えようとするのです。


それを改善するには、右のイラストのように
お腹が出る原因
胸郭を元の位置に引き上げ、
鎖骨や胸骨の位置を元の位置に引き上げる事が必要です。




緩んでしまった、マストを支えるロープを張り直すような事を体でもやるんですね。
お腹の筋肉を重力方向と反対に伸ばすようにするのです。
今までの考えと真逆の事をやるような感じですね。

そもそも、骨格をマストとなぞらえて考えると、
シットアップやドローイングは、ロープを下からグイグイ引っ張るようなものです。

そんな事したら、マスト倒れちゃいますよね!



引っ込めるのではなく、縦に伸ばす。



お腹を凹ます為に必要な意識は、
ドローイングのように「おへそを引っ込める」のではなく、
お餅を伸ばすようにお腹を縦に引き伸ばすという意識です。
縦に引き伸ばせば、自然にお腹は引っ込みますよね?


そこでまず行うのが、毎度の「伸び」です。


ポイント:骨盤とあばら骨の距離を取るように伸ばす。




画像は座位ですが、立位や仰向けでも構いません。

腕を上げて伸びをするのですが、
腕にはあまり力を入れないのがベターです。
お腹 伸ばしトレーニング
そして、ポイントは骨盤からあばら骨のかごを遠ざけるように、
あばら骨(胸郭)を上へ引き上げてお腹の部分を伸ばします。
おへそ側・腰側がそれぞれ長くなるようにします。

こうする事で、お腹の部分が縦に引き伸ばされます。


この骨盤とあばら骨が遠ざかった状態をキープする事がとても大事なのです。
マストを支えるロープが張っているのと同じく、
この姿勢になった時の腹筋群は軽く張力が効いた状態になっています。
この姿勢を保つだけで、縦長にお腹をキープする筋力がついてくるんですね!

さらに、胸郭自体も縮んでいるので、
ちょうちんを拡げるようなイメージで、あばら骨の骨の間を拡げるように伸ばします。
こうすると、だいぶ体が引き上がって本来の位置に近づきます。


最初のうちは意識をしないと落ちてしまうと思うので、
気がついた時に伸びをしてこの姿勢をつくる事を心がけます。


あばら骨の骨と骨の間を、拡げるように伸ばす。



お腹まわりを伸ばしてあばら骨を引き上げたら、
さらに胸側を引き伸ばします。

肋骨ストレッチ
あばら骨の骨の間を拡げるようにし、
胸骨を上へすぅっと引き上げていきます。






このようにすると、お腹まわりの筋肉や横隔膜も引き上がってきます。
このように伸ばす方へテンションをかけてあげる事が重要なんです!



骨格の姿までイメージし、腹筋をどう使うかを考える事が大事!



という訳で、お腹を凹ます為にどうお腹まわりの筋肉を使えばいいかというお話をしてきました。

ただお腹まわりの筋肉を使って鍛えればいいのではなく、
どういう原因でお腹が出てくるのかを正しく検証し、
それに見合った鍛え方をしないと、当然結果は出ません。


お腹まわりが縮んでいるのに、さらに縮ませるようなトレーニングをすれば、
お腹の筋肉は鍛えられても姿勢はさらに悪くなり、
お腹も引っ込まないまま硬くなりますし(トレーニーの人に多い体型ですね)
競技をしている人は重心の位置や筋力発揮の仕方が悪くなるなど、
パフォーマンスにも影響が出てしまいます。



既存のトレーニングをしていて、あまりいい成果が出ていないなと感じているならば、
それは方法が合っていないという事だと思いますので、
そんな方は特に今回のような違った方法を試してみるといいでしょう。
何よりこれで私自身が体型を維持しています。


腹筋シリーズを次回もやっていきますので、
ぜひ参考になさってください。

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八巻稔秀
専門家

八巻稔秀(スポーツトレーナー)

TYカラダ調整セラピー

独自のエクササイズ「カラダ調整体操」をベースに、体のゆがみを本来の形に整え、正しい姿勢や動作へ導くトレーニングメニューを提供。スポーツイベントや出張指導で、生き生きとした日常を応援します。

八巻稔秀プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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