姿勢・スタイル改善のための正しい歩き方・股関節の使い方を知ろう。~もも裏の筋肉を鍛えるならこうする!~
こんにちは、姿勢トレーナーの八巻です。
今回は、「歩き方」についてのお話です。
歩き方が良くないと姿勢が崩れ、体に負担をかけていく。
~だから、立ち姿勢だけでなく、 歩き姿勢もしっかり改善しましょう~
私は普段姿勢や歩き方・
そこから発展してスポーツなどをする際の体の動かし方を指導させてもらっています。
なぜ姿勢や歩き方を指導するのかと言うと、
歩き方やその姿勢が健康に影響するからであり、
スポーツやバレエなどに必要な動作の練習につながるからなんです。
いつも姿勢が悪いと、肩こりや腰痛になりやすいですし、
運動をすると足腰により大きな負担をかけてしまうんですね。
姿勢も立ち姿勢だけ改善しても意味が無くて、
その理由は歩く時の足や腕の使い方などで
姿勢って簡単に崩れてしまうんですね!
前へ進む時の体の進め方、足の出し方など
それらがきちんと合っていないと体が崩れてしまいます。
競技動作は、所詮歩行動作の応用に過ぎない。
スポーツやダンスなどに必要な動作の練習になるというのは、
簡単に言うとスポーツなどの動作って歩く動作の応用に過ぎないからなんですね。
正しい歩き方が身についてくると、
日常生活の中でスポーツやダンスに使う動作の基礎を
自然に練習している事になります。
歩くという動作の中には、
人間の動作機能がフルに詰まっていると言ってもいいと思います。
なのできちんと歩き方を追求すれば、
全身の筋肉をバランス良く使う方法が身に付き、
それが身に付いた体でスポーツをすればより機能的になって
より強い力を発揮出来、しなやかに体を動かせ、筋トレもより効率がアップするのです。
”ウォーキング指導”と、”生理的歩行動作指導”との違いです。
という事であれば、
歩き方をどこかのウォーキングスクールで教わればいいのだなと思われたでしょう。
でも、私はそれはどうも違うなと感じているんです。
世の中で行われているウォーキング指導と、
私が行っている歩き方指導は全然概念が違うようです。
違いは何かと言うと、どうでしょうね、
私の教えている歩き方は、
人間が生理的に備わっている身体的機能をとにかく忠実に再現しようという歩き方です。
それこそ2本足で立って原始人から無意識にやってきた事です。
それこそそこに自分の主観があるわけでは無く、
とにかく生理的に・物理的に一番無理の無い・
人間が自然に身につけてきた歩き方とは何かという歩き方ですね。
対して大学の教授とかウォーキングインストラクターという方々が
多く書籍などを通じて提唱されているウォーキング法は、
「その方が独自に編み出した歩き方」
という印象でしょうかね・・・・?
原始人から近代までの人が誰に教えられる訳でも無くやってきた歩き方とは別のものではないかと思っています。
全身を効率良く動かせると言っているけど力学的な見地が抜けてしまっていたり、
姿勢は確かによく見えるかもしれないけど、
これでは力んだ歩きになってかえって肩がこったりしてしまうなとか、
人の機能改善を目指すには不十分なものだなという印象です。
ここでは体の機能改善は期待出来ないと思いますので、
(その人の現状の体の状態によっては、参加によって悪化する事もあり得る)
「○○ウォーキング」というその人が考えた一つの運動方法という括りで考えるべきでしょうかね。
”ウォーキング”の問題点は何か?
ではその”ウォーキング”は、
私が言う”人間が無意識に身につけてきた歩き”に対し
何が不完全なのでしょうか?
その1.物理的な面 筋肉を使って歩く事を意識し過ぎている
歩く事って何のためにするのかと言うなら、
移動をするためですよね?
だから、歩く事の本質って
「体を移動させる」事をいかに効率よくするかという事だと思うんですよね。
荷物を運ぶのにどうやって運ぶかというような話です。
でも、足の筋肉や肩まわりの筋肉を使う事ばかりに意識が行き、
やたら大股で歩く事を意識したり腕を大きく振ったりという動作を要するメソッドも多いです。
腕や脚の筋肉はたくましくなるかもしれないけど、体には負担のはずです。
より効率的に歩く意識とは?
足を使って前に進もうと意識するのではなく、
骨盤から上の体の部分を水平に移動させるような意識です。
※赤が総合重心の位置。これを足の上から落とさずに水平に体を移動させる。
このイメージをしながら歩くと良い。
まず歩く時に必要な意識はそこからです。
そこに足がついてくるという感じです。
車を押すときにタイヤを押す人なんていませんよね?
ボディを押すと思います。
人間も物体として考えれば、同じ事ですよね。
2.機能的な面
太ももの後側の筋肉を使う機能が、使われていない
そもそも歩く動作の認識自体が間違ってしまっているのではないかと思いますが、
足で歩こうとし過ぎていると感じます。
それによって股関節の大切な機能が使えていません。
歩く時は足を前へ進めるのではなく、
体を前へ進める事が主な目的です。
体を進めるために足も一緒に前に出すのですが、
多くの人は足と体が一緒に進められていません。
ウォーキングメソッドの多くでは、
「かかとから着いて、つま先で蹴りましょう」と言われています。
そして「大股で歩きましょう」とも言われる事も多いです。
これを表現しようとすると多くの人は足だけが体より先に出てしまいます。
足が体より先に行くと体は反対にどんどん後に取り残されます。
この歩き方をしていると、どんどん骨盤後傾の格好になっていきます。
※脚を前へ出す事を意識すると、このように脚に対して体が後に残り
骨盤後傾の姿勢をつくってしまう。
この歩き方を続けると
太ももの前側の筋肉や腹筋が強くなり、体は力みやすく脚は太くなる。
そうならないように、肩甲骨を寄せて腕を振って歩くと、
今度は体が先に突っ込むような歩きになってしまいます。
※姿勢としてはこんな感じに。反り腰出っ尻姿勢になりやすい。
トップモデルはウォーキングを教わっているはずなのに・・
先日旅歩きの番組を観ていた時の事です。
出演していたすごくスタイルの良い(私は細すぎだと思うが)モデルさんの歩きがすごく気になりました。
股関節の伸展の動作が少なくて、ほぼ骨盤の前で大腿骨が動いていました。
なのでそのモデルさんの歩行時の姿勢は骨盤後傾でした。
モデルさんなのでウォーキング指導は受けていると思うのですが、
私にはあまり格好の良い歩き方ではないな、
股関節をもっと使えたら、もっとキレイに見えるのになと感じました。
あくまでランウェイで格好良くキレイに見せるための歩き方であって、
人間の機能に忠実かという話とはまた別という事ですね。
足は体の前だけでなく、体の後ろへ向けても使おう!
トップモデルも含め多くの人は脚の機能をきちんと使い切れていません。
すぐ上でも出てきた「股関節伸展」という機能です。
脚を体の前から後に振る動作です。
イラストにするとこんな感じです。
骨盤が脚の上を移動し、太ももが骨盤に対して後になる形になります。
これで脚が体を押し出す力が生まれます。
前足は体と一緒に進み、体の真下に着地して、
置かれた脚の上を体が進んでいきます。
これを交互に繰り返すのです。
(これは次回に詳しくやります)
3.意識的な面
体のどこかに力を入れて歩いてはいけない
立ち姿勢・座り姿勢でもそうなのですが、
いい姿勢で歩こうと意識をして過剰に胸を張ったり顎を引いたりすると、
体が凝って疲れてしまいます。
良い姿勢をとれてもこれでは非効率で、
肩こりや腰痛も治りませんし、スポーツやダンスでもかえって体は動かなくなります。
まず姿勢を保持するのに、力を入れて保持しているようであれば、
姿勢改善にレベルがあるとすればまだ「2流」です。
ですので、「○○に力を入れて立ちましょう」などという
姿勢改善メソッドは申し訳ないですが2流の人が考えた姿勢メソッドと言わざるを得ません。
しっかりと体を積み上げて、その結果そこで脱力出来るところまで来られたら
姿勢改善の上級者と言えると思います。
その脱力した体をそのまま移動させる。
それが理想の生理的な歩き方の形なのではないでしょうか?
まとめ
という事で歩き方についてのお話をしてきましたが、
体の不調の改善をしたり、スポーツの上達を促したりと、
あらゆる分野に応用が利くのが、
昔から人に自然に備わっている歩き方の習得なのではないでしょうか?
その歩き方には、人がすべき動作が全て入っていて、
それがどのくらい出来るかで体に不調が出たり、
スポーツの上達に差が出たりするのではないかと思います。
ウォーキングメソッドはあくまでその人が独自に考えた、
一定の目的下での効果を期待するものなので、
万能では決して無い事を知っていただければと思います。
”生理的歩行動作指導”は、
当方で行っておりますので、気になった方はお気軽にご相談ください。