スキーの基礎 中級者のはずなのにボーゲンが出来ない!その理由は?
こんにちは。
今回は、スキー上達のために鍛えたい、上半身の筋肉についてのお話です。
その筋肉とは、”前鋸筋”
あまり聞いた事が無いかもしれませんが、
肩甲骨から肋骨についている、いわゆる
”肩のインナーマッスル”です。
オレンジ色の部分が
前鋸筋です。
この筋肉の役割は、
”肩甲骨の外転”と言って、
肩甲骨を背骨から遠ざける動きを助ける役割をします。
この働きによって、腕が肩甲骨から伸びていく動作が可能になります。
肩甲骨外転がスキーのどんな時に役立つのか・・?
例えばボクシングでは、腕を伸ばすのに大きく役に立ったり、
この動作によって体幹部のねじれが加わり、
下半身で生じた力も上半身に伝わるようになり、
パンチ力が大きくアップするというボクサーにとってはたまらない効果が身につく訳ですが、
スキーヤーの場合はどう役に立つのでしょうか?
1.”懐を深く構えて”が出来る
ストックを構える時に、「懐を深く構えて」「ボールを抱えるように・・」など、
あまり脇を締めずに構えるように言われた事があるのではないでしょうか?
滑る前はなんとなく出来ても、
滑りだすと元に戻ってしまうという人も多いかもしれません。
そんな人が改善すべきなのが、
肩甲骨の外転動作です。
カラダ改善指導をしていると、
肩甲骨周りが硬くなっている人が多いのですが、
これは肩甲骨を逆に内転させる方の動作が強くなっているんです。
(よく、姿勢改善トレーナーなどが
「肩甲骨を寄せなさい」と言いますが、
これは肩甲骨外転をどんどん出来なくするダメ動作です)
構える時は、肩甲骨を背骨から遠ざけるように
手を前方へそっと伸ばします。
背中はちょっと丸いかな・・って思う位でいいんです!
2.上半身と下半身の”ツイスト”が出来る
コブ斜面などを滑ると、板と体が同じ方向を向いてしまうという人も多いと思います。
これを「体はフォールライン・板は斜め」の格好にするには、
上半身と下半身が捻れないとこの格好はとれません。
この捻る動作”ツイスト”をするのに必要な動作の一つが、
肩甲骨外転なのです。
この動作を片腕側だけで行うと、背骨から上半身が回ります。
上手く出来るとウェストを捻っているような感覚になります。
肩甲骨周りが硬くなっていると、
この動作が出来ませんので、体もツイスト出来ない訳です。
この動作は静止画像だけではなかなか難しいので、
動画もご覧になって参考にしていただければと思います。
スキーをする前に、体の基本動作を確認しておこう。
スキーの動作というのは、実はほぼ「歩き」の動作と一緒なんですね。
ここまでご紹介した上半身の動きというのは、
歩く際の腕振りの動作に使う体の動きでもあるんですね。
これに下半身の動きも加わって全身の動作になるのですが、
普段歩く時に、
前に出す足をメインに歩いているか、
後に伸びる足をメインに歩いているかで、
スキーが踏めているかどうかにも影響があります。
左:前に出す足優先で、骨盤が遅れてしまうパターン
スキーの場合でこれが出ると、板が流れてスリップしやすくなる。
右:軸足で地面を押し出して進むパターン
骨盤が脚の上にのり、板に過重をかける事が出来る。
普段から地面を押して歩けていない人は、
やはりスキーでも板を押し出す事が上手く出来ない傾向があります。
スキー上達を容易にするには、
普段の姿勢や歩行動作といった体の基本操作を知っておくといいと思います。
こちらは板を踏むためのトレーニングです。
ひとまずこんなトレーニングをやっておくと「踏む」感覚を養う事が出来るかと思います。