体の機能を知る・ゴルフの動作編 ~ゴルフでは体に備わる2種類の「回す動作」を使おう~
今回は、スポーツパフォーマンスアップと
ウェートトレーニングに関するお話です。
ネットの記事で、楽天の涌井投手が
ウェイトトレーニングが自分には合わなかったという記事を見つけました。
なぜ涌井はウェートトレーニングをピタリと辞めた?
ダルビッシュか、イチローか?
涌井投手は記事の中である後悔をしていて、
その後悔が「ウェイトトレーニング」であったというのです。
絶頂期の頃にウェートトレーニングを始めたのだが、
それから徐々にパフォーマンスが下がっていってしまったのだそうです。
記事にも書いてありますが、野球界では
ウェイトトレーニングを実践し、パフォーマンスアップにつなげているダルビッシュと、
ウェイトトレーニングが合わずに独自の方法を取り入れたイチローという、
二人のスーパースターのトレーニング理論が対極しています。
涌井投手はウェイトトレーニングが合わないので辞めて、
走り込みのようないわゆる昔ながらのトレーニング法に戻して、
今季のような復活につなげていったという記事です。
これはどちらが正しいかと言えば、どちらも正しいのでしょう。
それぞれ結果が出ているのですからね。
ただし、より多くの人が「大きく」パフォーマンスを上げるためには、
私はイチローや涌井側のトレーニングを採用するべきだと、考えています。
ダルビッシュは何故、
ウェイトトレーニングをして球速が上がったのか?
私は、野球はもちろん、他のスポーツでも、
パフォーマンスを上げるために一番必要な要素は筋力では無いと考えています。
自らが持っている力をより効率よく発揮させるための、
「体の使い方・動かし方」の改善だと考えています。
プロで長く一線で活躍しているような選手と、
アマチュアの中で埋もれてしまった選手とだと、
まず「骨格」と、「全身の使い方」が違います。
体を上手に移動させる術や、投げたり振ったりする動作一つとっても、
一流の選手はより大きな力を出すために理にかなった動きを身につけています。
ダルビッシュもそういう要素を元々持ち合わせていたのではと思いますが、
彼のすごいところは、ウェイトトレーニングをして体を大きくしても、
その繊細な動作が大きく狂う事なくパフォーマンスに反映出来たところではないかと思います。
球速を上げるには、全身の力を上手く引き出す全身の動きと、
体を移動させるエネルギーの増加が必要です。
元々ある高い動作力に、筋力と重さが加われば球速は増すという理屈ですが、
ウェイトトレーニングをすると、
微妙に投球動作とは違う動きでのトレーニングにより、
骨格や筋肉のバランスが微妙に崩れてしまう事がよく起こります。
これが怖いのですね・・。
ウェイトトレーニングは、やり方を下手してしまうと、
逆にパフォーマンスが落ちる要因になります。
これは、競技レベルが下がるほどその傾向が強くなると考えています。
姿勢・動作が悪いままウェイトをすると、よりその傾向が増す。
一流でないアスリートの多くは、骨格や動作が一流のそれで無い事が多いです。
そのままで筋力アップをしたところで、効果は限定的です。
例えは悪いですが、二流・三流の中で少しレベルアップするくらいのものです。
ストレングスコーチの中には筋肉の知識はあるが、
骨格や身体操作についての知識が充分で無い人も多いので、
そういうコーチから指導を受けると、
一流の人の骨格・動作バランスが崩され、逆にパフォーマンスが下がる可能性もあります。
もしかすると、涌井投手もウェイトトレーニングによってこうなった可能性があります。
動作改善は、二流・三流から一流へと導けるトレーニング法
ダルビッシュの場合は、元々超一流ですから、超一流の中でレベルアップした訳で、
ウェイトトレーニングをすればダルビッシュのようになれるかと言ったら、
それは違います。彼には元々一流のボールを投げる身体操作法が身についていて、
そこに補助的な要素として、トレーニングによる筋力・ウェイトアップが加わったのでしょう。
人一倍の探究心があることが大きいとも思いますが・・。
探究心など、頭脳の部分を抜きにすれば、
一流に近づくのであれば一流の動作を真似する事が一番です。
その動作とは、先にも言ったようにまず「骨格」です。
正しく積み上がった骨格は、全身をバランス良く、大きく使う基になります。
そして、その体をどのように使い・どのように移動させるか。
これを探求して行く事で、一つ上のレベルに進んでいく事も決して不可能ではありません。
レベルを大きくアップさせたいなら、
まず自分の動作がトップの人とどう違うのか、確かめましょう。