股関節は、”転がす”関節
こんにちは。
GWが終わりましたが、
コロナ禍はいつまで続くのやら・・・
実際の指導・レッスンが無いと、
参加者・クライアントさんからどのような体の悩みがあるという
情報がもらえないので、
コラムも何を書けばいいだろうと悩んでしまいますね・・
そこで今、LINEなどでご相談を受け付けておりますが、
早速ご相談をいただいております。
そこでいただいたご質問などもこちらの記事に反映させていければと思います。
今回はその中から、
「骨盤底筋群」を取り上げてみようかと思います。
骨盤底筋群とは?
骨盤底筋群とは、
その名の通り骨盤の底にあるインナーマッスルの総称です。
ここが緩むと内臓が下がったり、
尿もれが起こりやすくなったりすると言われています。
具体的にどこについているかと言うと、
骨盤の前側下にある恥骨周辺から、
後側にある仙骨や尾骨を主に結んでいます。
例えるなら、
骨盤の下部にハンモックを張ったような感じでついているのが
骨盤底筋です。
※下から骨盤を覗くと、こんな感じでスッカスカ。
そこを覆っているのが、骨盤底筋群という訳です。
骨盤底筋はなぜゆるむ?
骨盤の下部を覆っているこの筋肉達が緩むと
尿もれなどのトラブルが起こりやすいと言われていますが、
何故骨盤底筋は緩んでくるのでしょう?
ここで先ほど出した「ハンモック」の例えがわかりやすいかもしれません。
ハンモックは2本の木などに両端を縛って、
真ん中の網や布を適度に張って使いますよね?
この張りが無くなってくると、
上に乗っても下に着いてしまったりするでしょう。
ハンモックの張りが無くなった状態と
骨盤底筋が緩んだ状態が似たような状態なのではないかと考えればいいでしょう。
では、ハンモックの張りが無くなる・弱くなる状態はどう起こるだろうと考えてみましょう。
まず一つ目は、
ハンモックにたくさん物を載せすぎた場合です。
いくらピンと張っていても、物を載せすぎたら
布が伸びて物が下に下がってしまいます。
もう一つは、
ハンモックを縛ってある両端が近づいてしまった場合です。
動かない木だったらその心配は無いですが、
動く柱などに縛ってあったとしたら、その柱が動いて近づいた場合、
ハンモックの張りは緩んでしまいます。
骨盤底筋が緩むメカニズムは、
これと同じような事が起こっているのではないかと私は考えています。
骨盤底筋は、姿勢が悪いと緩んでくる!
右のような背中を丸めた姿勢をすると、
骨盤が後傾します。
骨盤が後傾すると、骨盤が開いて洗面器のようになり、
そこに内臓が降りてくるような状態になります。
腹圧が下がって、みんな骨盤の方に下がってきちゃうのですね。
まさにハンモックにたくさんの物が乗っかった状態!
骨盤底筋に負荷がかかり伸びてしまう状態です。
右の姿勢になると、ハンモックが緩むもう一つの要因も引き起こします。
右の姿勢になると、骨盤が後傾するのと同時に背骨も後に湾曲します。
背骨が後弯すると、骨盤と接する仙骨(お尻の割れ目の真上にある骨)も後傾します。
仙骨が後傾すると、その先にある尾骨が恥骨側に近づきます。
これで緩んでしまうのですね。
「緩むなら鍛えればいいじゃないか!」
と、骨盤底筋群を鍛えるエクササイズが紹介されていますが、
私はこれはあまり良くないと思っています。
確かに鍛えれば、力を入れている時はいいかもしれません。
でもそれって、力を意識して入れている時しか締まっていないのですね。
むしろ、右のような状態のまま鍛えるような感じ。
骨格・姿勢的にはマイナスでしかありません!
普段から筋肉が緩んでいない状態に近づけるには、
筋肉が緩んだ原因をとってあげる事が大切です。
それが、恥骨と尾骨を遠ざける事です。
これによって骨盤底筋に適度な張力が保たれるのです。
私が当コラムで度々「筋肉を鍛える前に骨格を考えよ」と言うのは、
筋肉は骨格が本来の形である前提で付いていますので、
本来の力を発揮するには骨格がきちんとしていないといけないからです。
それは骨盤底筋のようなインナーマッスルでも一緒です。
骨盤底筋、どう鍛える?
となると、骨盤底筋はどう鍛えるかという事になってきます。
鍛えると言うよりは、
「どう機能する状態に持っていくか?」
と考えた方がいいかもしれませんね。
先ほど挙げたハンモックが緩む要因、二つ挙げましたが、
これは姿勢を整える事でどちらも改善する事が出来るのではないかと思います。
体を上へ引き伸ばして骨盤を起こす。
これを行う事で
背骨が積み上がり、仙骨が前傾していきます。
骨盤も立ちます。
実際にやってみてください。
このようにお腹の部分を上に引き伸ばします。
骨盤と肋骨を遠ざけるようにします。
すると、自然に骨盤は起きますよね?
これで内臓もちょっと上がります。
で、さらにお腹&背中を伸ばし、
おへその下やお尻まで伸びが伝わるように伸ばしてみましょう。
ここまで伸ばせると、骨盤底筋のあたりが軽く伸ばされる感じが一緒に出てくるのですが
どうでしょうか?
これが感じられたらバッチリです!
お腹まわりの筋肉は、縮めて鍛えてはいけない!
姿勢をいい方向へ戻す事で、骨盤底筋に「張り」を戻す方法のお話をしてきましたが、
お腹や骨盤まわりの筋肉は特に、この「張り」を保っておく事が大切です。
皆さんが気になるお腹の筋肉が何故緩むのかというのも、
今日ご紹介したハンモックの例えと同じで、
姿勢が崩れてお腹の筋肉の両端が近づいてしまった事が原因です。
ですから、伸びをして骨盤と肋骨を遠ざけて元の張りをつくってあげるのです。
「腹筋をしても、全然お腹へっこまないんだよ!」
とよくジムでも利用者の方に言われたものですが、
腹筋のトレーニングって、逆に縮めて骨盤と肋骨近づけていますよね?
目的に方法が合っていないんですね。
お腹・骨盤まわりに限らず、全身そうなのですが、
特にお腹・骨盤まわりは筋肉が縮まないように適度に伸ばした状態を保つ。
こういう意識付けが、姿勢維持につながり、
アンチエイジングにもつながっていくのではないかと考えています。