見ないと後悔する目からウロコの家造り
毎年発生する水害
この度の豪雨で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
世界中の都市は川沿いの平地にあります。特殊な事情でマチュピチュの様に山岳に作られる都市もありますが、これはごく少数です。
今年に入って休みの都度、街の在り方を見て回っています。徒歩で東海道を歩いたり、城下町を散策したり、車では見過ごしてしまいそうな、街の成り立ちを探ったりしています。
道を歩いていて感じたことは、人は水平移動は驚くほど移動できるという事でした。私は今年で65歳になりましたが、普通に20kmくらいは移動できます。大阪の都心部を起点にすると、南は泉大津、東は枚方、西は芦屋付近まで、普通に歩いていく事が出来ます。
しかし、垂直方向の移動となるとそうはいきません。歩くのと同じく、今年に入ってサイクリングも始めましたが、標高90mのヒルクライムしたのが、今ままでの私の記録です。先日200mのヒルクライムに挑戦しましたが、二回ほど休憩しないと登り切る事は出来ませんでした。
都市は平地に発展する
そう考えただけでも、大きな都市は平地に発展するのが頷けます。それも水運に恵まれていれば、大都市に発展します。そもそも日本における平地は、川が山から土砂を運んできて、湾が埋め立てられた状態になったものだと言い換える事が出来ます。水平と言うくらい、水と平地は密接な関係にあるのです。
ですので、一度大雨が降れば、水害の危険に晒されるのです。大阪のハザードマップを見ていますと大阪市内はおろか、上町台地を挟んだ東側まで水害の危険区域が広がっている事が見て取れます。
上町台地の東側の土地が低いのは意外かも知れませんが、実は大昔は湖が広がっていたのです。丁度今の浜名湖の様な状態で、汽水湖が広がっていました。それが川から土砂が流入する事により、徐々に陸化していった経緯を辿ります。
数十年前でも、寝屋川水害等々幾度も水害が発生し、人々を苦しめて来ました。最近ではこの一帯の地下に、大放水路が建設され、以前よりも水害のリスクは減りましたが、想定外の事態が発生する昨今ですので、油断は禁物です。
平地は地震にも弱い
先程も書きましたが、水の力によって土砂が上流から運ばれて平になるのですから、当然地盤の強度としては強いものではありません。表面は他と変わらない、固い地面でも、少し掘ると人が立っているのもおぼつかない様な、泥の様な土地もあります。
この画像は、地震が発生した際に起こる、液状化を予想した地図です。液状化は水分を多く含んだ砂地が、振動を受ける事により砂の粒子が動き出して、固かった地面が一瞬にして液体の様な流動性を持つ状態を言います。上の水害ハザードマップと見比べて下さい。
地面の低い地域と液状化し易い地域が見事にラップしています。
校区が良いからとか、地価が値崩れし難いとか、親の家が近いからとか、地名が持つブランド力で土地探しをしていませんか?
分からない事には目を瞑り、世間の評価や自分の都合だけで土地を選ぶのは後々に憂いを残す事に繋がります。