見ないと後悔する目からウロコの家造り
梅雨前後は羽蟻が飛びます
耐震診断などで古い家を調査しますと、多くの家でシロアリの被害を見かけます。床下が湿気ていて基礎の高さが低い家に蟻害が発生している場合が多いです。
古い家に多く見られますが、新築だからといって、シロアリに強い訳ではありません。ベタ基礎にしたり、外壁に通気層を設けて乾燥状態を保つ様な工夫をしていなければ、また、防蟻材を散布していなければ、蟻害は古家・新築の区別無くやって来ます。
もしも、新築されるのであれば、それなりの防蟻対策を取ることをお勧めします。
シロアリは生きている木は食べません。シロアリの餌になるのは枯れた木です。枯れた木や木切れを無造作に地面に置いておくと、見事にシロアリに喰われます。自然界の摂理から云えば、そうして枯れ木をシロアリが分解してくれるから新しい命の元として再生できるのだと云う事です。
怖いアメリカカンザイシロアリ
シロアリは、羽化すると一旦地面の潜り込みその中でコロニーを作り、そこから這い出して来て家の中に侵入します。つまり木と地面が直接接しているような場所が最も危険に晒されています。勝手口の木枠や、タイルで仕上げたお風呂・トイレの床。そして木製の縁台等が警戒すべき場所です。ベタ基礎にしていれば、家の内部から侵入することはまずありません。(隙間の無い事が条件ですが)
外壁の地面に接した部分はコンクリートの基礎が立ち上がっていますから、シロアリはそこに蟻道を作って登っていきます。シロアリは光にめっぽう弱いのです。光を遮る土のトンネルを作りながら土台を目指します。造る速度はそんなに速いものではありませんので、一週間に一度程度家の周りを一周すれば、蟻道が出来ているかどうか検査できます。
但し、最近話題になっている、アメリカカンザイシロアリは羽化すると直接家の外壁の隙間に侵入し、直接家を食い荒らします。駆除方法は従来と同様ですが、侵入経路がどこから侵入するのか予想し辛く厄介なシロアリです。被害例がまだ少なく、大都市圏以外での報告はまだ少数ですが、今後用心が必要です。
シロアリの被害に遭わない原則は、木と土を直接触れさせない事です。但し木以外でもシロアリの被害が報告されているものもあります。硬質系の断熱材はシロアリにしてみれば、木と見分けがつきません。セルロースが主成分ではない化学製品でもシロアリには調べようがないのです。栄養にならないものでも、木だと認識するればシロアリは食べてしまいます。基礎の断熱にポリスチレンフォームを地面に接して貼っていたり、玄関土間の断熱用にポリスチレンフォームを敷いていたりしますと、それをシロアリが食い破って家の中に侵入してきます。
木の家を造ろうと思えば最低限今述べた事を実践しなければ日本全国何処へ行ってもシロアリの被害に遭う可能性があります。
家を新築したり、リフォームする際にはシロアリにも関心を持っておきましょう。