不動産会社の代表が毎朝考えている3つのこと
こんにちは、大阪市西区で不動産仲介をしているクレアクロスの重村です。
今回の忘備録は、売却査定で「他社より低い金額」をお伝えし、一度はお仕事をいただけなかった日の話です。
ご相談は、大阪市内の築25年ほどの中古マンションにお住まいのご夫婦からでした。
「住み替えを考えているので、いくらで売れるか知りたい」というご依頼で、すでに3社に査定を頼まれていました。
①査定額は「売れる値段」ではなく「意見」です
近隣の成約事例、同じマンション内の過去の取引、現在売り出し中の競合物件を並べて、私がお出しした査定額は他社より300万円ほど低いものでした。
ご主人は少し驚いた表情で「他の会社さんはもっと高かったですよ」とおっしゃいました。
ここで知っておいていただきたいのは、査定額は「その金額で売れる」という約束ではないということです。
宅地建物取引業法34条の2第2項では、不動産会社が売り出し価格について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならないと定められています。
私は成約事例の一覧と、なぜこの金額になるのかを資料にしてお渡ししました。それでも、ご夫婦は一番高い査定を出した会社と専任媒介契約を結ばれました。正直に申し上げて、悔しい気持ちがなかったわけではありません。
②3か月後、お電話をいただきました
専任媒介契約の有効期間は、法律上3か月が上限です。
その期間が終わる頃、ご主人からお電話をいただきました。「問い合わせはあったけれど、内覧は数件だけ。値下げを何度か提案された」とのことでした。
高い価格で売り出すと、ポータルサイトで比較された時点で候補から外れ、反響が少ないまま時間が過ぎてしまうことがあります。
その間に「売れ残っている物件」という印象がついてしまうと、最終的に相場より下げないと決まらないケースもあります。
住み替えの場合は、購入先の契約や引越しの時期とも絡むため、時間そのものがコストになります。
③あらためて一緒に決めたこと
再度ご相談をいただいた際は、査定の根拠をもう一度ご説明し、ご夫婦と一緒に3つのことを決めました。
・売り出し価格と、反響がなかった場合に見直す時期と幅
・住み替え先の購入スケジュールとの順番
・内覧時に見ていただきたいポイント(管理状態や眺望など)
結果として、再販売から約1か月半で、当初の私の査定額に近い金額で成約しました。
「最初から根拠をちゃんと聞いておけばよかった」とおっしゃっていただいたことが、今でも印象に残っています。
まとめ
査定額が高いことは、決して悪いことではありません。大切なのは、その金額に根拠があるかどうかです。
査定書を受け取ったら、ぜひ「この金額の根拠となった成約事例を見せてください」と聞いてみてください。
きちんと答えられる会社であれば、売却の途中で迷ったときにも、同じように根拠を持って相談に乗ってくれるはずです。
私自身も、お仕事をいただけなかったとしても、根拠のない数字はお出ししない。そのことをあらためて心に留めた出来事でした。
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