マナーうんちく話2120《勘違いは意外に多いもの。「百歳カフェクイズ」の解答と解説》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:超高齢社会に対応するマナー

挑戦していただいた皆さんは、一様に「知っているつもりで知らないことが多く、びっくりした」、「再度挑戦してみたい」との感想を寄せて頂きましたが、意外に勘違いが多いものですね。

加えて生涯学習の必要性が増しています。
技術革新への追従や健康寿命増進に向けての学びも大事ですが、ある程度年を取れば、かなりの知識や知恵が身についているので、それを次世代に伝えることも大切にしていただきたいものです。
伝えなければいけない大切なことは沢山ありますよ・・・。

前回の百歳クイズの解答と解説です。
参考にして下さい。


●百歳クイズ
〇世界で一番「百歳人口」が多い国はアメリカで、2番目に多い国が日本です。

〇順位は毎年変動がありますが、日本は「平均寿命」も「健康寿命」も世界でトップクラスです。
※世界的に長寿化が進行する中、病気や要介護状態で看護や介護の世話にならず、元気で自立して過ごせる「健康寿命」という概念が、2000年にWHOから提唱されました。

しかし健康寿命と平均寿命のギャップは大きく、なかなか縮小しないのが現状で、大きな課題になっています。

また最近では「幸福寿命」や「希望寿命」という言葉も生まれています。
ちなみに私は講演会や講座で「幸福寿命」をいかに伸ばすか?について触れています。
ポイントは周囲との人間関係づくりや社会貢献を視野に入れた生き方です。

〇百から一を引けば「白」という字になります。
※99歳は「白寿」です。

〇百歳になれば「内閣総理大臣」から祝い状が贈られるそうです。
※老人福祉法が制定された1963年には153人だったのが、現在日本には約86500人百歳
以上の人がいます。人口10万人当たりでは世界で断トツです。
普通の人が百歳まで生きられる国が日本です。素晴らしいことですね。


●昔話クイズ
〇十二支の物語
※神様が動物を集め、正月に私のところに一番先にあいさつに来たものから順に、その年の
支配者にしてやるといわれました。そこで動物達は正月に一斉に神様のところに出向くわけで
が、猫はいつ挨拶に行くのか忘れてしまいます。

そこでネズミに尋ねたところ1月2日だと教えられて、その通りにしたら、ネズミや牛と一
緒に十二支に加えてもらえませんでした。ネズミに嘘をつかれたわけで、今でも猫がネズミを追いかけるのはその恨みがあるからかもしれませんね。
これは難しかったようです。

〇七夕
※《マナーうんちく話99》《マナーうんちく話564》を参考にして下さい。

●認知症予防クイズ
〇千円札が10枚出ます。

●知っているようで実は自信がないクイズ
〇喜寿は77歳
日本は超高齢社会で、65歳以上の高齢者は3500万人以上います。
周囲に長寿の御祝いの対象になる人も多いと思いますが、長寿の祝いは「賀寿」「年祝い」
と呼ばれ、人生の大切な祝いです。
現在は「満年齢」「数え年」どちらで祝ってもいいとされているようですが、私は数え年でお祝いすることをお勧めしています。なぜなら祝い事は早いほどいいからです。

ちなみに「古希」は70歳、「喜寿」は77歳、「傘寿」は80歳、「米寿」は88歳。
そして90歳は「卒寿」、99歳は「白寿」で、百歳は「百寿」です。
今の日本人女性は2人に1人は90歳まで生きられます。

※人は生まれて死ぬまで様々な節目がありますが、人生の節目を家族、親族、親しい人で共に分かち合うのが「通過儀礼」です。

現在は家族や地域の結びつきが希薄になりましたが、このような行事を通じ、生きる喜びや命の尊さ、さらに絆を再確認し合うことに大きな意義があると思います。
形式にこだわる必要はないと思いますが、できる限りお祝いしてあげて下さいね。
祝い方は10人10色でいいでしょう。
内祝いにも決まりはありません。
「ありがとぅ」の言葉で済ますか、品物にするかは自由です。


〇「畳のふちを踏むな」の本意は、決定的な証拠はありませんが、主人が奉公人にかけた思いやりの言葉だと私は考えます。

※これには様々な説があり一概には言えませんが、日本の礼儀作法は「思いやり」「尊敬」「感謝の気持ち」を根源にしています。
奉公人が主に目通りの高さで、箱膳の食事を運ぶときには、下がよく見えないので、畳のふちにけつまずかないように注意しなさいよ!という意味なら頷けますね。
恐らくこの解釈はネットにもないのではないでしょうか・・・。

ちなみに物を渡すときに、相手が上位になればなるほど、高く上げて渡します。
相手により「腹の高さ(腹通り)」、「胸の高さ(乳通り)」、「肩の高さ(肩通り)」、「目の高さ(目通り)」となるわけです。主従関係が厳しかった時の表現方法でしょう。

詳しくは《マナーうんちく話782「和室のマナー。畳のふちを踏むな」の真意》を参考にして下さい。

※マナーは自分の為というより、むしろ相手に対する思いやりを表現したものです。
本来の意味を正しく理解してください。

●詐欺防止クイズ
〇無視する
※業者が個人にメールすることはないそうです。

●マナー美人クイズ
〇真ん中の項目が適切
※「お中元」は現在大きく様変わりしましたが、本来は継続性があり、目下から目上に贈ります。
またお中元とお歳暮はお歳暮が格上とされています。

〇椅子の上
※フランス料理の食事中に一時席を外すときには、テーブルナプキンは椅子の上に置きます。
食事が終われば机の上においてくださいね。
ナプキンのマナーで大切なことはタイミングです。食前、食後にナプキンを取るタイミング、ナプキンを置くタイミングを大事にして下さい。
※テーブルマナーは周囲と歩調を合わせることが大切です。

〇最近は「法事」の装いもかなり変わりました。
3回忌までは遺族は喪服がいいと思うのですが、平服にする場合はみんなと相談して決めたらいいと思います。
ただ招待する側は、お客様よりは格上の服装が良いと思います。

※平服と普段着は異なります。

●話のタネを増やす雑学クイズ
〇御御御付(おみおつけ)はごはんにつくもので「汁物」です。

〇日本の主な穀物年度は色々ありますが、「麦年度」は7月から6月、「大豆年度」は10月から9月、そして「米穀年度」は10月から9月です。

●誰かに教えたくなる雑学クイズ
〇ザクロ
※これはほとんどの方がご存じありませんでした。
ぜひ話の種にして下さいね。
「紅一点」とは一面緑の草むらの中にある、一輪の紅色のザクロの花です。
ザクロは古代神話に登場するくらい長い歴史がありますが、夏にオレンジ色の花を咲かせ、秋には実が熟します。草むらの中での花は、ひときわ目立ちますが、男性に対しては使わないほうがいいでしょう。

●教養問題
〇人にはせいぜい親切にして下さい
※この問題の認識は半々だといわれていますが、全くその通りでした。
私は学校などに出向いた時にもよく質問しますが、これが理解できている人は素晴らしいと思います。
「人に親切にすれば、それがまわりまわって自分に返ってくる」という意味ですが、最近の研究では親切にした瞬間から気分が良くなり幸福度が増すそうです。
せいぜい優しく振舞ってくださいね。

認知症には「これを飲めばよくなる」という薬はまだありませんが、予防法はかなり確立されています。頭と体を動かす続けることと交流が大切といわれています。
いずれもバランス良く実行したいものです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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