マナーうんちく話1863《変化してきた家族関係、どうする?「高齢期を【幸齢期】にするために⑨」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:超高齢社会に対応するマナー

【変化している家族間の人間関係】

少子化と高齢化が同時に進行する中、高齢者の家族形態も大きく変わっています。

長寿は人類永遠のテーマでこれを世界に先駆け達成したことは大変素晴らしいことですが、同時に長寿になればなるほど、子どもによる年老いた親の扶養期間も長くなり、定年を過ぎてからも親の面倒を見るケースも多々あります。

いわゆる「老々介護」ですが、介護に直面する前に介護に関する知識を身に付けることが大切です。

価値観も変化してきており、これから高齢期を迎える人にとって、「年老いた親の介護をしなくてはいけない」という概念も次第に薄れてきています。

また従来のような3世代世帯は減少し、「夫婦のみ」と「単独世帯」が増加傾向にあるのも最近の特徴です。

少子化、高齢化、核家族化でひとり暮らしの高齢者が増加することは頷けますが、多くの独居高齢者は今の生活に満足しているようです。
しかし孤独死は増加傾向にあります。

何かあった時、周囲に頼れる人がいないのは寂しい限りですね。
日頃から周囲と良好な人間関係を築いておきたいものです。

【新たに浮上した「引きこもり」と「8050問題」】

「引きこもりが」問題になり、はや20年経過しますが、今は若者に限らず中高年齢者の引きこもりも珍しくなくなりました。

40代、50代の引きこもりと70代、80代の親の生活の現実は「4070問題」とか「5080問題」といわれており、ゆゆしき事態だと思います。

親もよほど裕福でない限りゆとりはないでしょう。
多くは年金のみの生活費で、それに扶養家族が加われば、経済的にも精神的にも限界かもしれません。
高齢になれば自分の体のことも心配です。

恐らく何かのボタンの掛け違いでこのようになったかもしれませんが、世間体を気にしてに、自分だけにとどめず、プロの力を借りることが大切だと思います。

私も様々な自立支援に関わっていますが、現在は行政や支援団体がこれらの問題に真剣に取り組んでいます。

自身の高齢と合わせて深刻な問題として捉え、SOSを発信することもこれからは必要なことではないでしょうか。

高齢期は周囲との人間関係がとても大切ですが、先ずは子どもや親とどのような人間関係を再構築するか常に考えて頂きたいものです。
もちろん夫婦関係もしかりですが、これについては次回詳しく触れてみます。

さらに今までは、死亡する順番は親が先で子が続くケースが一般的でしたが、今後は50代、60代の子がガンなどの病気で、80代、90代の親より先に亡くなるケースも珍しくなくなります。

とにかく、こまめに家族間でコミュニケーションを深めることが大切です。

そのためにも盆や正月は家族で水入らずのひと時を過ごすのがいいでしょう。
家族の絆を深めるいいチャンスです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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