マナーうんちく話1639《どうする?エレベーター内での会話》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:ビジネスマナー

今年は明治維新から150年の節目の年のようですが、明治の初めまで使用されていた旧暦には四季の移り変わりを豊かに感じる美しい言葉がたくさんあります。

先人が使いこなしてきた旧暦に触れてみるのも毎日が豊かになり、お勧めです。

そして今でも覚えておきたい季節の言葉や名句があります。
丁度この季節には「春眠暁を覚えず」という言葉が思い浮かびますが、いかがでしょうか・・・。

さらに桜前線の動向が楽しみな頃ですが、桜の花を優雅に愛でる人を意味する「桜人」、桜が咲いているところを探し求めて歩く「桜狩り」も趣が感じられる言葉です。

今は便利で豊かですが、毎日が何かとあわただしく過ぎ去るのが現実です。
それに比べ昔は貧しいけど、のどかで単調です。

太陽が昇れば目を覚まし、日が沈んで暗くなれば床につく・・・。
太陽の動向に合わせて、寝る時間も変化するのはごく自然の流れです。

恐らく今でも、冬は睡眠時間が長く、夏は短くなる傾向にあるのではないでしょうか・・・。

ところでエレベーターの中でお客様と同席した時に、話をしようか?沈黙するか?迷うことはありませんか?
エレベーターは西洋の文化ですが、今は日本にも完全に定着しています。

ちなみにお客様をエレベーターに案内するときのマナーでは、すでにエレベーターの中にほかの人がいる場合はお客様が先に入ります。

しかしエレベーター内にだれもいない時には、案内する人が先に入り手でドアを抑えてお客様を誘導します。

出るときにはお客様が先です。
加えて上座と下座など、自分の立ち位置にも気配りが大切です。

ではエレベーター内での会話はどうでしょう。
中にほかの人がいる時といない時で対応が変わりますが、会話もしかりです。

自分たち以外にほかの人がいれば当然周囲に配慮するのがマナーですから、沈黙のほうがいいでしょう。

沈黙は、お客様にとって居心地が悪くなるかもしれませんが、やたらにビジネスの話をすれば、情報が洩れることもあります。

特にこのことは、エレベーターのみならずトイレなどでも注意した方がいいでしょう。

しかしエレベーター内にだれもいなければ、この空間を有効利用して会話を続けるのもありです。基本的にはエレベーター内での会話和控えたほうがいいですが、誰もいなければ状況に応じての会話もありだと思います。

しかし、エレベーター内での時間はごくわずかですから、沈黙するのもいいと思います。相手雰囲気次第ではないでしょうか。

また一人でエレベーターに乗って、中に知り合いがいた場合は、最初に挨拶をするとか、会釈をすれば、後は無言でも構いません。

先に降りるときには「お先に失礼いたします」の挨拶があれば好感を持たれるでしょう。

エレベーターの歴史は意外に古く、最初は人力で駆動していたようですが、18世紀後半の産業革命後には、人力以外で動くエレベーターが開発されたとか・・・。

日本でも1873年に旧暦から新暦に移行するわけですが、1890年には電動式のエレベーターが登場し日本人をびっくりさせたようです。
どんな人が、どんな思いでエレベーターに乗ったのでしょうか・・・。

通信手段や交通手段が目覚ましく変化すればするほど、「桜人」「花人」「桜狩り」「紅葉狩り」「蛍狩り」といった美しい言葉が縁遠くなりますが、これも時代の流れでしょうか・・・。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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