マナーうんちく話251≪電話のかけ方のマナー≫
和風月名では3月は「弥生」ですが、他にも「雛月」「桃見月」「花見月」そして「夢見月」があります。
いずれも明るくて希望の持てるとても美しい言葉です。
昔の人は本当に春を迎えることが嬉しかったのでしょうね。
そんな気持ちがひしひしと伝わる表現です。
ところでビジネスシーンでは言葉の使い方がとても大切になりますが、自分の会社を相手方に伝える時に「弊社」と「当社」どちらの言葉を使用しますか?
恐らくどちらでもいいと思います。
ただマナーは自分視線ではなく、あくまで相手視線ですから「弊社」の方がより好感を持たれるのではないかと考えます。
「弊社」はへりくだった表現ですからTPOに応じることが大切です。
例えば謝罪をしなければいけないような場合は「当社」より「弊社」がお勧めですが、逆に相手方に抗議するような場合は凛とした態度の方がいいですから「弊社」より「当社」がいいかも・・・。
また社内で会議やプレゼンを行うような場合は、あえてへりくだる必要はないので当社でもいいでしょう。
基本的には弊社はへりくだった表現であることを認識して、TPOに応じて使い分けて下さい。
日本は昔から相手を立て、自分を下げることをとても大切にしています。
いわゆる相手に対する思いやりや敬意です。
例えば手土産を渡す時には「つまらないものですが・・・」という表現をしますが、これは「貧乏な自分にとってはとてもつまるものですが、お金持ちで社会的地位があるあなたにとってはたいしたものではないでしょう」という意味で、自分を下げ、相手をあげた表現です。
さらに「座礼」の場合は正座をして手前に扇子を置きます。
これは扇子が境界線で、扇子を境に相手方が上座で、自分側が下座になります。
加えて座蒲団もしかりです。
「貴方は私より格上の人ですから高い位置に坐して下さい」という発想でできています。つまり相手を敬う気持ちの表現です。
このような言い方をすることで、相手と良好な人間関係を築こうとする先人の感性は素晴らしいですね。
必要以上に「個」を主張する傾向が年々高まっている気がしてなりませんが、時代の流れだと言って、本当に幸せになれるのかを危惧しています。
ちなみに「祝い箸」は本来柳の白木で作られています。
柳が丈夫だからという意味もありますが、柳の様に「謙虚になりなさい」と諭している一面が有ります。