マナーうんちく話511≪逆らいしぐさ、前置き言葉にご注意あれ!≫
10月は旧暦では「神無月」といわれます。
全国津々浦々の神様が出雲に出張されて、不在になるから付けられた名前です。
ただし出雲地方は神様が集結されるので「神在月」になります。
では質問です。
多くの神様が出雲に出向かれるわけですが、留守番をされる神様がいらっしゃいます。どんな神様かご存知でしょうか?
難しいかもしれませんね。
言い方を変えます。
ビジネス、農業、漁業に携わっている人には最もなじみの深い日本の神様です。七福神の一柱で、右手に釣竿を持ち、左わきに鯛を抱え、風折帽子に狩衣姿の神様です。
「えびす」ですね。
日本古来の「福の神」で、「商売繁盛」「五穀豊穣」「大漁」をもたらして下さる、日本人にはだれにもなじみ深い神様ではないでしょうか。
「釣竿」を持っているのは、「釣りして縄せず」の意味があります。
つまり不必要に一網打尽にせず、必要な数だけ一本釣りするということでしょうか。限られた資源を昔の人は本当に大切にしていたのが良く理解できますね。
つまり暴利をむさぼらないという考えで、清い心を象徴しており、そこが先人たちに商売繁盛の神様として敬われた所以だと思います。
商売熱心な人は床の間に、「恵比寿神」の掛け軸を飾り、酒や鯛などをお供えして、商売繁盛を祈願する人もおおいのでは・・・。
そして10月20日は「恵比寿講」です。
商売に関わる人が集い、酒席を設け、縁起を担ぐのもいいですが、「釣りして縄せず」のポリシーに思いをはせるのもお勧めです。
「恵比寿講」は秋の季語でもありますが、行事の在り方や開催日などは地域により様々です。
しかし、今では「ハロウィン」のイベントが賑やかな気がしますが如何でしょうか。
年中行事や商売のしきたりまで本当に変わりましたね。
それがハッピーに繋がればいいのですが・・・。
私は日本が神様(神道)・仏様(仏教)の国であり、米を主食に生きている国で有る以上、それらにまつわる文化を大切にしていきたいと思います。