マナーうんちく話1163《「卒業祝い」は本人の自覚を促す祝い方を!》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:親に身につけていただきたいマナー

約1400年前に、「白銀も小金も玉も何せむに優れる宝子にしかめやも」と山上億良が詠んでいるように、古来より日本人は子どもを非常に大切にしてきました。

明治新政府も教育には大変力を入れ、そのお陰で日本の義務教育は世界でも最高水準に達しています。

そして子どもの成長を祝う儀式も非常に沢山あります。
「卒業式」もその一つですが、シーズン間近になりましたので「卒業祝い」に触れておきます。

【卒業祝いのポイント】
卒業式の祝いは家族的なモノですから、周囲を意識する必要はないでしょう。お祝いは家族の私的な行事の一つとして、家の中で済ませればいいでしょう。

恵まれた時代と国で生まれ育ったことと、多くの人のお陰で卒業できたことを自覚させて下さい。これが、これから歩む長い人生でとても役に立ちます。

【年齢に相応し祝い方を】
○幼稚園
まだ本人にとってそれほど印象深いものではないでしょう。
むしろこれからスタートする小学校への期待及び不安が大きいので、幼稚園生活が無事終えたことのねぎらいの言葉と共に、ささやかな「祝いの席」を用意して、一つの節目を体験させてあげればいいのではと思います。

○小学校
自我がある程度確立してくるので、小学卒業を機会に人格を尊重するのもお勧めです。「今日から今までとは少し異なるよ」と言う意識を植え付けるのもいいかも・・・。

○中学
高校への入学が決まり、ある程度本人の将来設計が出来る頃でもあります。
形式なお祝もいいですが、ファミリーレストラン等で将来の事について話してみることも大切ですね。

○高校
大学へ進学する場合はまだ学生生活がありますから、特に卒業を人生の節目と捉える必要はないでしょう。但し卒業後、社会人になる場合は盛大にお祝いしてあげることをお勧めします。
家族みんなの激励の言葉は大きな励みにもなります。
できればホテルやレストランなどに出向き、「場馴れ」をさせるのもお勧めです。

【卒業祝いのお礼は本人自ら】
卒業祝いとして頂いたお祝いに対する「お返し」は基本的には不要です。
だから、本人自らが直接出向き、口頭でお礼を述べることが大切です。

また、親経由でお祝いを頂いた場合でも、本人が直接出向き、元気な姿を見せてキチンとお礼が言えればいいですね。
中学生以上で有れば是非実行させてあげて下さい。

これが何よりの返礼になります。
「感謝」することと、「お礼」が言えることが大きなポイントです。

最近はスマートフォン全盛ですが、スマートフォンですむことと、手紙や直接顔を合わせてしなければいけないことの区別も、しっかり認識させることも大切です。人柄はこのようにしながら磨かれて行くのではないでしょうか。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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