マナーうんちく話269≪顧客満足より従業員満足≫
■どのように教えるか?
○相手の意向や考え方をよく聴き、信頼関係を築くことが先決。
「話し上手は聞き上手です」。
先輩・上司からの一方通行にならず、相手に対し「聴く耳」を持って下さい。
○「こちらが笑えば相手も笑う」スタイルがお勧め。
ゆとり世代は、異世代には人見知りします。
新入社員の関心を無理に引こうとするのではなく、先ずは相手に対して関心を寄せることが大切です。
つまり、「思い内にあれば、色外に出る」で、新入社員との人間関係作りはこちらの出方次第です。
挨拶も、「されたら返す」のではなく、積極的に先手必勝の挨拶を心掛けて下さい。
○「座学+行動」。
机上で学ぶことに慣れた世代ですから、座学は功を奏します。しかも先輩や上司が講師を務めれば、コミュニケーションが図れるので一石二鳥です。
一方、彼らは、知識は有りますが、経験は全く有りません。座学と共に、行動することも多く取り入れるべきです。
○彼らは、褒められて育った時代です。
どんな些細な事でも、しっかり目を見て褒める。
要は、悪いことを指摘する前に、良い所を褒めることです。
「豚もおだてりゃ木に登る」と言いますが、褒められた喜びが、さらなる意欲を産み、やがて成果に繋がります。
但し、「言うべき事は」キチンと言って下さい。
嫌われるのを恐れて、何も意見しないでは困ります。
○必要な事を単に指示するだけでなく、相手の主体性を引き出すような教え方も必要です。特に、「何のためにそうするのか?」等の理由づけは大切です。
特にビジネスマナーには、「何故そうするのか?」という合理的な理由が必ず存在します。先ずはその点方キチンと理解することが必要です。
○新入社員と言え、「早く、創造的な仕事がしたい」と言う欲望は強いようですが、いきなり格好いい仕事ができるはずは有りません。
将来の事を視野に入れれば、成長段階において、「汚い仕事」も「嫌な仕事」も、しっかり体験さす必要が有ります。
「譲れない部分は譲らない!」と言う凛とした態度も時には必要です。
但し、このことも、何故そうするのか?と言う事をキチンと説明して、避けて通れないことを理解さすべきです。
○彼らはコミュニケーションが苦手です。「報・連・相」を徹底することが大切です。
「報告・連絡・相談」の大切さをしっかり認識させて下さい。
詳しくは「マナーうんちく話233《報・連・相とマナー》」を参考にして下さい。これは、とても大切ですが、最初が肝心です。
以上、色々と述べましたが、これを可能にするには、「教える側の技量」及び「職場の環境整備」が問われます。
平成の新入社員を育てる本質的な対策は、まさにここに有ります。
平成生まれの新入社員に対して、あれやこれや「教える」ことは重要な事ですが、同時に、一日も早く戦力になるように「育てる」ことも必要な事です。
これは、新入社員と共に行動することによって育まれると思います。