マナーうんちく話706《結婚式の心付けのマナー》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:結婚のマナー

結婚式を挙げるのに「心付け」が必要なの?と疑問に思う人も多いと思います。
勿論その通りだと思います。

従って、婚礼のパンフレットにも「従業員への心付けは不要です」と明記しているホテルや式場もあります。しかし、ありがたく頂戴する会場も少なくありません。

心付けを渡す方も、渡される方もその対応は様々ですね。
私も長い間ホテルで結婚式の仕事に従事しておりましたが、私は頂いておりました。頂き方も様々で、披露宴が始まる前に頂く時も有れば、披露宴がお開きになって頂く時もあります。特殊なケースですが、新郎新婦を高砂の出来に先導している最中に、大勢のお客様の前で頂いた経験もあります。

また、最初はサービス料まで支払うのだから心付けは全然予定されていなかったお客様が、お開き後に、「思っていた以上に真心のこもったサービスを受け感動したので急いで心付けを用意しました。是非受け取って下さい」と言われて頂いたケースも結構あります。何もかも杓子定規にいかないのが結婚式です。

また、責任者が一括して頂く場合も有れば、ポチ袋に分けてそれぞれ頂く場合もあります。頂いた心付けの分配の仕方も会場により様々です。

心付けを渡される場合は次の点に注意して下さい。

○お札は出来る限り綺麗な紙幣がお勧めです。

○熨斗袋に入れて、表書きは「寿」か「ご祝儀」がお勧めです。
ちなみにコラムでも何度も触れましたが、この際水引の形に注意して下さい。

「蝶結び」は「何度でも」を意味しますので婚礼には不向きです。
必ず「一度切り」の意味がある「結び切り」の水引を使用して下さいね。

加えて、金額に応じたデザインや大きさにして下さい。5000円以下の金額ですと、熨斗と水引が印刷された物でいいでしょう。勿論市販されています。

ちなみに、「御祝儀」は会場のスタッフが対象です。友人に受付や撮影等をお願いしたような場合は「お礼」になります。
スタッフには「御祝儀」、招待客には「お礼」ということです。

○金額は総責任者が一番多く、後は統一されても良いと思います。

○渡すタイミングは始まる前がお勧めです。全員に渡すことは難しいと思いますので、出来れば小分けして総責任者にお任せしたらいいでしょう。心付けが渡ったら、それぞれ個別にお礼を言われると思いますので笑顔で受けて下さい。

本来は新郎新婦から会場に付いた時点で渡すのが理想ですが、当日は何かと慌ただしいので、親にお願いされても良いでしょう。

○心付けを渡しても、会場側が受け取らないケースもあります。そんな時には「気持ちですから」と言って再度渡して、それでも受け取られなかったらあきらめて下さいね。

○主賓への車代は「御車代」と表書きして、新郎側の主賓には新郎の名前を、新婦側の主賓には新婦の名前を書きます。実際の車代金よりやや多めの金額がお勧めです。

結婚式はウエディングプランナーや司会者やキャプテンなど表舞台に立つ人もいれば、裏方で料理を作ったり、事務をしたり、あるいは会場を清掃する人もいらっしゃり、実に多くの人の力で成り立つものです。

その人達への感謝の気持ちと、新郎新婦の「幸せのお裾わけ」が「心付け」だと私は思っています。

規定の料金を支払うから心付けは不要とされるか、感謝と幸せのお裾わけとして渡されるか、新郎新婦でしっかり話し合ってみるのもお勧めです。

自分の意見を相手に押し付けるのではなく、互いの意見を尊重して、結論を出して下さいね。



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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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