マナーうんちく話143≪昔と今、どう違う恋愛事情≫
前回、七夕は、「中国の星祭り」と、「日本のお盆」の行事が融合した行事で、「七夕飾り」や「七夕(たなばた)」の読み方の由来についてふれましたが、今回は「織姫と彦星が一年に一度しか会えない理由」に迫ります。
天の川の西に、「彦星(牽牛)」と言う独身の若者が暮らしていました。
彼の仕事は牛飼いで、それは、それは働き者でした。
一方、天の川の東には、独身の「織姫」が住んでいました。
彼女は宇宙を司る天帝の娘で、素晴らしい機織りの技術を持っていました。
しかし、年頃になっても機を織るだけで、恋人もなく、寂しい暮らしをしていたので、天帝は、働き者の彦星と所帯を持たせました。
目出度し、目出度しですね。
しかし、これからがよく有りません。
二人は一緒に暮らし始めると、来る日も来る日も甘いムードに浸り、それまでの、真面目に仕事をすることをすっかり忘れてしまいました。
これに、天帝はひどく怒りました。
そして二人に罰を与えたわけですね。
二人を天の川を挟んで、引き離してしまいます。
しかし、引き放したままではあまりにもかわいそうなので、一年に一度だけ会うことを許したわけです。
そして、織姫と彦星の伝説が生まれたわけですね。
既婚の人は経験済みだと思いますが、結婚したら少なくとも、一月位は甘い生活が続きます。
いわゆる蜜月(みつげつ)です。
蜜月とは、蜜のように甘いひと月の事です。
すなわち、結婚してまだ間が無い頃とか、非常に密接な関係を意味します。
そういえば、新婚旅行を「ハネムーン」とか「蜜月旅行」とか言いますね。
これは、古代ゲルマン民族が、結婚したら当分密で作った酒を飲んでいたことに由来します。
密には滋養強壮効果が有り、精力を増強する効果が有るので、これを飲んで子作りに励んだわけです。
ところで、結婚生活を有意義にするには、互いの価値観の違いを認識し尊重し合うことが大切ですが、常に何らかの目標を持つことが大切だと考えます。
「目標」を「生きがい」に替えても良いでしょう。
仕事やこどもに生きがいを見つけるのも良いですね。
織姫や彦星のように甘い生活に安住し、惰性に流される生き方は感心しません。
加えて、出来る限り共有する時間を取る事をお勧めします。
出来たら、「楽しい時間の共有」がお勧めです。
折角の休日、主人はゴルフ、妻は買いモノでは寂しいです。
さらに、できる事を惜しまないで、互いに家事もしっかり励んで下さい。
「家事をおろそかにしない」と言うことは、二人の生活の場を大切にすることです。
そして、互いに、感謝し合い、建設的なコミュニケーションづくり、特に会話を大切にして下さい。
「もう聞く耳を持たない」と言うことになれば、離婚にも発展しかねません。
朝の挨拶や共に食事をすること、さらにユーモアも大切です。
相手を非難しないで、伴侶を喜ばす事を考えて下さい。
七夕の日は、改めて、朝起きて美味しいコーヒーを共に飲む相手がいることの価値を考えてみるのもお勧めです。結婚の意義はここに有ります。
最後に、織姫と彦星の逢瀬が叶うように、七夕の日は「晴れますように」と願いますが、「雨が降った方が良い」とする考えもあります。
盆祭りの前に、身を清めるからです。