マナーうんちく話314≪箸と茶碗≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:親に身につけていただきたいマナー

親に身に付けて頂きたい「こどもの未来を明るく照らすマナー⑤」

処暑が過ぎ、秋がにわかに近づいてくると、なんとなく感傷的になり、ため息が多くなっていませんか?

ため息は、不安や心配ごと等を抱えている時の心理状態が、呼吸注枢に作用して出るとされていますが、常に、身も心も健康でありたいものですね。

毎年のことですが、ちょうど今頃から霧が発生するようになります。
霧は、水蒸気を含んだ大気の温度が下がって出来るわけですが、昔は、人のため息が霧になると思われていたそうです。
霧が立ち込めてきたら、心に手を当ててみるのも良いですね。

さて、今回は、「食べる道具」に触れてみます。
多分、今まであまり関心を持たれなかった部分ではないでしょうか?

親の大切な役割の一つに、「子供に食べさせること」がありますが、そのために何を、どのように、誰と食べるか?が大切である!と申しましたが、「食べるための道具」も、とても大切です。

ところで、私たちは、日常生活で多種多様な道具を使用していますが、その中でも、特に大切な道具は何だと思いますか?

私は「箸」と「茶碗」だと思っています。
「食べることは生きること!」で、そのための道具だからです。
だから、毎日使用する「箸」と「茶碗」はこだわって頂きたいと思います。
高価で有る必要はないですが、しっかりしたものがお勧めです。

日本では、地域により若干異なりますが、子どもが生まれて100日経ったら、子どもが食べ物に一生困らないように!との願いを込め、「箸祝い」、あるいは「箸始め」とか、「お喰い初め」の儀式を行います。
西洋では、銀のスプンを贈る風習があります。

勿論、まだ食べられないので食べる真似をするだけですが、その食べ物を口に運ぶ務めを果たす人を「箸役(はしやく)」といい、子どもの長寿を願い、同性のお年寄りにお願いします。

そして、亡くなった時には、あの世で、食べ物に不自由しないようにとの願いを込めて「箸渡し」の儀式を行います。
つまり、日本人にとって「箸」は、「人生の杖」なのです。

また、日本はどんな家庭でも、箸と茶碗は「自分専用」のものを用意しています。これも、日本独特の文化です。

だから子どもにも、専用の箸や茶碗を用意してあげて下さい。子供用だからと言って、いい加減の物にせず、キチンとしたものを最初から授けて下さいね。他の物はさておいて、特に箸と茶碗はしっかりしたものがお勧めです。

加えて、家族全員に「箸置き」を用意されることをお勧めします。
箸置きの役割はすでにお話ししましたが、自分の箸・箸置き・茶碗を、綺麗な食卓に、理路整然と並べるだけで、食卓がとても優雅になります。

家族の座る位置も、使用する道具も綺麗に揃ったら、まさに豊かな食卓の出来上がりで、これが、本来あるべき家族の食卓です。
このような食卓で育った子供の将来は、とても明るいモノになります。

さらに欲を言えば、日本は四季折々の行事が多く存在する国なので、正月・桃の節句・端午の節句・お盆・お月見・クリスマス等に使用する、特別な箸・器・グラス・フォーク・ナイフもあると良いですね。
温くて豊かな家族を演出してくれます。

これらは、たった一年に一度しか使用しませんが、子どもが情緒豊かに育つため、及び家族の絆を築き育むために、出来る限り用意されることをお勧めします。そして、これを管理・運用するのもお母さんの大切な役割です。

出来れば、それぞれの行事や、それに使用する道具のいわれなどを子どもや家族に説明して上げれば最高ですね。そして、それに相応しい、お母さんの手料理と優しい笑顔があれば、子どもも家族も最高に幸せです。



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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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