マナーうんちく話143≪昔と今、どう違う恋愛事情≫
7月7日は「七夕」ですね。
日本では、盆・正月・クリスマス・こどもの日等などと同じ位、実施率の高い、年中行事の一つです。
「短冊」に、お願い事を書かれる方も多いのではと思います。ちなみに、ある調査では、お願いごとの内容で一番多いのは、「家族の健康」だそうです。
短冊に願い事を書いたり、大切な人と一緒に、夜空を見るくらいなら、簡単にできますので、このコラムを参考に実行して頂ければ嬉しい限りです。
ところで、七夕は、ご承知の通り、一年に一度だけ、織姫と彦星が天の川を越えて、逢瀬を楽しむ日です。「逢瀬(おうせ)」とは、あまり聞き慣れない言葉ですが、「会う時」と言う意味です。特に、「愛し合う男女が密かに会う時」等に使用されます。
共に愛し合っていながら、一年に一度しか会えない、「織姫と彦星のロマンス」は、多くの先人たちの共感を得たから、このように、日本を代表する年中行事に発展したのではないかと、私は思っていますが、皆さんは如何でしょうか?
農耕文化の基になるのは、畑を耕し荷物を運ぶのに不可欠な牛を飼うことと、機(はた)を織ることですが、七夕のロマン物語は、ここからがスタートです。
天の川を挟んで、牛飼いの仕事に精を出す「彦星」と、日夜機織りに精を出す「織姫」の、大変働き者の男女がいました。そして、その姿に感心した、宇宙を支配する神様「天帝」が、この二人を夫婦にしたわけですね。
天帝は織姫のお父さんです。
二人は大変幸せになり、目出度し!目出度し!です。
しかし、この後が良くありません。
二人は、甘い生活を謳歌しますが、全く仕事をしなくなったので、天帝は非常に立腹して、二人を引き離してしまいました。
二人は嘆き悲しみますが、永遠に分かれさせてしまっては、あまりにもかわいそうなので、天帝は一年に一度だけ、天の川を渡って会うことを許しました。この、「一年に一度だけ会うことを許された日」が七夕です。
二人は天の川を挟んで引き裂かれたので、共に会うためには、天の川を渡らなければ会えません。しかも、渡れる日は一年に一度だけです。その日が天気なら問題は無いのですが、もし大雨が降って、川が増水したらどうでしょう?
以前にもお話ししましたが、この時には、「カササギ」が飛んできて、互いに羽を広げて、天の川に橋を作ってくれます。織姫と彦星の逢瀬を実現してくれる、まさに愛のキューピットが、実はカササギなのです。
また、昔は、字が上手に書けたり、縫物ができたり、機が織れたりすることは、女性にとって何よりも重要なことだったので、「字や文章が上手に書けること」「縫物の上達」「機織りのスキルアップ」を願って、短冊に言葉を添えてお供えするようになったわけですね。
従って、願い事の内容は、この意味からすれば、「習い事などの上達」が一番ふさわしいように思います。子供たちにも是非教えてあげて下さい。
ところで幸せな結婚を実現されたら、織姫と彦星のように、甘い生活に浸るばかりではなく、「社会貢献」を視野に入れた生活設計を立てられたら如何でしょうか。結婚はゴールではなく、新たなるスタートです。この時点において、どのような人生を築いていくか、二人のライフプランを立てられることはとても大切です。
社会貢献と言っても、なにも大げさに考えて頂くことは有りません。
先ず二人が仲良く暮らし、幸せになり、周囲の人に好感を与えるとともに、「結婚はいいものだ」と憧れを抱かせることも素晴らしいことです。
さらに、生活を安定させるために、一生懸命働き、税金や年金を修めることも大きな社会貢献です。
加えて、子供ができれば、素晴らしい社会貢献に繋がると思います。
だから、結婚する以上は、それが「幸せ婚」であって頂きたいと願うわけです。
「幸せ婚」こそ、最高の「社会貢献」ではないでしょうか?
天の川を眺めながら、幸せ婚への戦略や戦術を、しっかり練るのもお勧めです。