マナーうんちく話456≪乾杯と献杯③献杯の意味とマナー≫
【冠婚葬祭の知識とマナー8】 香典の意味と不祝儀袋のマナー
今の日本では、結婚式は約6割の人がキリスト教スタイルで式を挙げますが、葬式は9割以上が仏教で行います。さらにキリストの誕生日は盛大に祝いますが、お釈迦様の誕生日は殆ど話題にさえなりません。
クリスマスは大いに商売になるが、お釈迦様の誕生日を祝う「花まつり」は商売にならないからでしょうか?
皆さんはこの現状をどのように思われますか?
冠婚葬祭の、しきたりやマナーと、売り上げとは、切っても切れない関係が有ります。
今回は葬儀の時の熨斗袋の書き方ですが、霊や仏をどのように捉えるかによって、表書きが異なってきます。マナーの本は、「御霊前」が多いですね。
「人が亡くなってから仏になるまで49日要するから」というのがその理由のようです。
しかし、人が亡くなるとともに、仏になるという考え方もあります。
私は、「霊魂の存在をどのように捉えるか?」、そのことを明確にしなければ、葬式のスタイルを確立するのは難しいと考えます。しかし、日本の公立学校では、宗教教育がなされてないので、多くの人は、宗教や仏教の知識を持ち合わせてないのではないと思います。
マナーにはそれぞれその合理的な理由が存在すると何回もお話ししましたが、知識や一般常識が無ければ、どうしても不安になり、他人のする事がとても気になりがちです。
特に葬儀に関してはその傾向が強いと感じます。
日頃から宗教に関心を持ち、それなりの知識を習得し、自分なりの考え方を表現することも必要だと思います。
ところで香典とは、本来焼香の時に使用する「香の代金」のことです。香は大変高価なもので、焼香用に参列者が持参していたのですが、香の代わりに米などを持参するようになりました。喪主はその米をお金に換えて葬式費用に充てていたようです。ちなみに、そのお米が今のようにお金に変わったのは、昭和の初め頃から中頃でしょうか。
そのような理由で私は、香典の表書きは「御香典」と書きます。「御香典 平松幹夫」です。
以下、不祝儀袋の表書きを解説しておきます。
○仏式の葬儀
黒、白、銀の結びきりの水引で、表書きは「御霊前」「御香典」「御香料」が一般的で、下には贈り主のフルネームを書きます。この場合できれば薄墨をお勧めします。「突然だったので、ゆっくり墨をする時間が有りませんでした」「悲しみの涙で墨が薄くなりました」という理由からです。
○神式の葬儀
表書きは「御玉串料」、白、黒、銀の結びきりの水引。
○仏式の法要
「お供え物に変えて」という意味から、表書きは「御供え」、下に送り主のフルネーム、水引は白、黒、銀、黄等を使用します。
○香典返し
表書きは「志」として、下に送り主の苗字、あるいは○○家とします。例えば「志 平松」
「志 平松家」のように。
なお、葬儀・法要の知識とマナーについては順次詳しく触れて行きます。