マナーうんちく話486≪大切にしたい序列のマナー≫
平松幹夫のマナーうんちく話⑨《会社経営とマナー》
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、お彼岸は季節の節目ですが、秋分の日の雨は、まさに夏と秋の分かれ目のようでした。
そして、気温の変化が大きく、猛暑の疲れがどっと出やすい時節です。くれぐれもご自愛ください。
さて、先日この「マイベスト岡山」がご縁で、ある「経営者の定例会」にてマナーの話をさせていただきました。深謝!
「マナーと言えば、学生・若者・新入社員のモノ」と思われがちですが、本来は特定階級や指導的立場にある人のためのモノです。
西洋でも日本でも、マナーは社会体制が確立されるにつれて、権力者の地位の確保と秩序だった生活を築く必要性の中で形成されていきました。
西洋では、先ず国王、そして諸侯、騎士へと普及しています。特に西洋貴族たちは晩さん会を度々開き、互いに招待したり、招待されながら、マナーに磨きをかけたそうです。さらに「テーブルマナー」も王家から生まれています。
また、上級の学校になればなるほどマナー教育を重要視します。
わが国においても、成文化された日本初の礼儀・作法は「17条の憲法」「冠位12階位」だといわれておりますが、これらは貴族に対し発令されています。「有職故実」・「武家故実」しかりです。さらに「小笠原流礼法」は将軍家の公式礼法でした。また、明治維新以後、国際交流の必要性から、西洋の挨拶「握手」は避けて通れないマナーでしたが、公式に日本人として初めて握手をしたのは明治天皇です。相手は南北戦争に勝利したグラント将軍で、明治12年の出来事です。
現在、書店には多種多様なマナー本が存在し、それにインターネット等くわえると情報は氾濫しすぎるほどですが、そのほとんどが若者や学生相手のモノが多いような気がします。加えて「心」より「形」重視のモノが多いようにも見受けられます。
それぞれのマナーには必ず合理的な理由が存在するので、それをキチンと理解していただきたいものです。
それでは、管理職や経営者が率先してマナーを身につけることによって「期待できる効果」と、「売上に直結する戦略的なマナー」について触れてみます。
●期待される効果
1、マナー精神を強化したマネージメントで会社は元気で明るくなります。
2、さらに社員のモチベーションがアップします。
3、外部への対応が洗練されたモノになり評価が高まります。
4、若者の早期退職が少なくなります。
5、なによりも売上げアップにつながります。
●売上増のための戦略的なマナー
1、先ず好かれて「客」になってもらうこと。
2、次に「客」から「リピーター」になっていただくこと。
3、さらに「リピーター」から「新たな客を紹介」してもらうこと。
そのためには「好感度をアップする」ことです。
以前このコラム欄で紹介しました「好感度アップのマナー」を参考にして下さい。
そして、お客様に対して「感謝の気持ち」をどのように形に表すかです。このことはマナーの基本ですが、実際にできてないところが圧倒的のようですね。
社内間の「報・連・相」も大事ですが、客への「報・連・相」もより大事です。利益は客が支払って下さるお金以外には発生しません。
いずれもほとんど経費らしい経費はかかりません。
要は、組織や会社を運営するに当たり、トップや指導的立場にある人が、どのようにマナーを認識し、そして実行するか否かです。
また組織運営に役立つばかりではなく、夫婦円満、心豊かな生活、社会貢献などなど、全ての面において功を奏します。
今まであまりマナーに関心がなかった皆さん、主体的変容をなされては如何でしょうか?
私は各種マナーのほかにも、「中高年齢者の生きがいづくり」の講演依頼をよく受けますが、その時も「好感の持たれる生き方」を必ず提言させていただいております。最近特に、団塊世代以降の人たちは、自分さえよければという方より、何らかの形で社会貢献を希望される方が多くなってきているように感じます。そのためにも良いマナーを身につけていただくことが何より大切なのです。
人生が好転します。
是非お試しあれ!!
追伸
社長の皆様にお話をさせていただいた2日後、「平松さんの話を聴いたとおりに接客したら、大変満足いく結果になったよ。
ありがとう!」というお礼の電話をいただきました。
こちらこそ大変ありがとうございました。