口やかましく言われる人ほど、人より早く出世・成長する
介護の現場では
よく虐待のニュースが報じられますように
まるで日常茶飯事のように、頻繁に虐待が行われているような印象があります。
実際の現場(施設)ではそのようなところばかりではないですが
満足のいく手厚い介護が受けられるような印象とは違い
大なり小なり従事者からの圧力はあるようです。
ではどうして介護福祉のような現場で
虐待行為が行われてしまうのでしょうか?
介護福祉の現場といっても
基本的には従事者と利用者との人間関係ですから
介護従事者が利用者のわがままや要望に対して日常的にストレスを感じ
どうしても強く当たってしまうことがあるようです。
しかしそのようなことだけでニュースで報じられるような
信じられない虐待行為が発生するのかといいますと
どうやら他にも要因がありそうなんですね。
介護福祉の現場は従事者と利用者の人間関係だけではなく
従事者(職員)同士の人間関係もありますし
最も大きな要因となりうるのがその業務内容ではないでしょうか。
職員は利用者にサービスを提供するわけですが
飲食店や商業施設(店舗販売)などの顧客とは違って
サービスの利用者の健康面の安全(バイタルや身体介護)など
常に緊張感を持ちながらチェック体制にも気をつけていなければなりません。
そうすると業務上のストレスの上に
身体機能や能力の差による上下関係(職員が上で利用者が下)も生まれやすいですし
利用者が認知症や障害を抱えていたりしてわがままや言うことを聞かなければ
規範に従わせようとやがて高圧的だったり命令調になり
本人の意識なく虐待行為へと繋がりやすくなってしまうんですね。
つまり職員にとっては業務が中心になっていて
業務を遂行するために利用者に従ってもらう(従わせる)形になっているのが要因です。
(人(利用者)ファーストではなく業務ファーストになっている)
理念としては利用者が中心(優先)なのは理解しているのですが
安全のためにまず業務の安定遂行が求められるため
どうしてもそれに従ってもらおうと(従わせようと)命令口調になったり
業務優先の対応になってしまうんですね。
ですから本人が虐待をしようとして意識してそうなるよりも
言うことを聞かない(聞けない)利用者を従わせるために(従ってもらうために)
そうした日常が繰り返されることによってやがて虐待行為へと発展してしまうのです。
先ほども述べましたが、身体的上下関係もその一つの要因です。
(要介護者=弱者)
簡素にではありますが要約しますと
チェック体制や管理業務など業務の多忙性(高負担)に
安全面からこちら(職員)の指示に従ってもらう必要性。
そして素直に従わない(手がかかる)者に対するストレスなど
虐待につながってしまう要因は多岐にわたります。
そもそも従事者や利用者という関係であっても
お互い対等な人間関係であるという基本的な人権問題(配慮)を忘れ
提供者(従事者・職員)と顧客(サービス利用者)として
互いの認識のズレによってもハラスメントが生まれてしまう土壌があるのでしょう。
いずれにしても多忙を極める業務負担や従業員の業務遂行意識こそ
虐待につながる要因になっているのかもしれません。
事務系など業務の部分と直接的介護業務の完全分離を図れば
幾分虐待行為発展への懸念は払拭されるかもしれませんが
もう少し踏み込んで介護現場の実情を踏まえながら取り組んでいく必要があるようです。