話を聴くということは心に寄り添うということ ~聞くことは簡単でも聴けることは簡単ではない~

宮本章太郎

宮本章太郎

テーマ:心理カウンセリングについて

心理カウンセリングではまず聴くことが大事だとされ
繰り返し強調して言われますが
例えば何か人の相談に乗るのでも、ただ話を聞くだけ(聞いてるだけ)なら簡単です。

誰でも出来るでしょうし難しくもないでしょう。

しかし聞き手(カウンセラー)の自分の考えや価値観を織り込まずに
相手の考え方や価値観に立った聴き方が出来るかと言いますと
これは相当困難で簡単にできるものではありません。

おそらくベテランのカウンセラーの方でも難しいのではないでしょうか。
カウンセリング業に携わる身においては常に付きまとう大きな課題だと言えます。

お話を聴いててその考え方が問題になってるのでは?と気づいたとしても
それを突きつけることなくフラットな状態でお話を聴き続けられますか?
相手の話に(心情に)寄り添って話を聴き続けられますでしょうか?

大事なのはここなんです。

カウンセラーの自分がこうなのでは?と思っても
その考え方を押し付けることなく話を聴き続ける。
もしくは押し殺して一切口にしない。
相手の気持ちに寄り添って一心にお話を聴く。

果たしてそんなことが簡単に出来ますでしょうか?

人はどうしてもこうですよと自分の考え方を相手に押し付けたいものです。
相手を納得させたい(説き伏せたい)ものです。
自分の考え方や主張の正当性を示したくなるものです。

しかしそんなことはカウンセリングにおいてはやってはいけないことなんですね。
当たり前でわかってることですがなかなか難しいのです。

ですのでどんな悩み事でもそうですが
自分の頭でわかってることとそれを現実に制御(コントロール)出来るかというと
やはりそう簡単には出来ないということを理解しておかなければいけません。

わかってたらそうしたら良いんですね。
対処方法もわかってるはずですから。

しかし実際はそのように出来ない。
これが現実なのです。
だからこそ私たちは悩み苦しむのではないでしょうか?

そしてだからこそ、聞き手が自分の考えを押し付けることなく
下手に意見してしまうようなことのないように
あくまで話し手の気持ちに寄り添って(寄り添い続けて)聴くことが大事なのだと思います。

話し手は何か答えを欲してるわけではないのですから。

そうして自分で自分の心の中を整理していって
これから進む方向を自分で見つけ出し(発見し、気付き)
一歩一歩自分の力で進んでいけるようになるのだと私は思います。

聞き手(カウンセラー)はそのサポートに徹するのみで
話し手がこれから進もうとしている道探しの邪魔をしてはいけない。
これが心理カウンセリングで真に必要なサポートだと思うのです。

手を差し伸べるまではしても、そこから手を引っ張るのではない。
一緒にその歩みに寄り添っていく。
歩き出すまで時間がかかるなら、一緒にその場に立ち止まって寄り添い続けることが
心理支援(心理相談)としての本当に必要なサポートの形だと私は思いますね。

だからこそお話を聴くということが簡単ではないということをしっかりと認識し
常に肝に銘じながら取り組んでいけるよう心がけますので
もし何か気になって引っかかるようなことや不備がありましたら
どうぞ遠慮なくご指摘くださいませ。

私自身学びに変えて、教えて(気づかせて)いただいたことに感謝して
改めて取り組ませていただきます。

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宮本章太郎
専門家

宮本章太郎(心理カウンセラー)

京都カウンセリングラウンジ

心の健康のみならず、メンタルに関連して起こる様々な身体への影響や健康に関する知識が豊富ですので、うつ対策や不眠症の改善といった、総合的な健康法についても心理学の観点からアドバイスと情報提供が可能です。

宮本章太郎プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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