現代の住環境は日本の風土に本当に適しているのか
キッチンの高さで、腰を痛めることがあります。
私は、実家に帰って炊事をしているときに、決まって腰痛が出ます。原因は、流し台の高さでした。自宅と実家では、約5cm違います。実家の流し台は、母の体型に合わせてあるので、自宅より低いのです。
流し台の高さには、標準があります。標準は85cmで、多くのメーカーが、80・85・90cmの3種類を用意しています。選ぶときの目安として、「身長÷2+5cm」という計算式がよく紹介されます(+2.5cmとする式もあります)。ただし、あくまで目安で、誰にでも当てはまるわけではありません。
まな板一枚ほどの高さの違いでも、身体には負担になります。しかもキッチンの作業は、食器を洗う、煮炊きをする、食材を切る、と分かれていて、作業によって使いやすい高さが違います。計算式は出発点にすぎません。実際にどう使うかを見て、決める必要があります。
2世帯で住む場合、キッチンは別々にすることが多いのですが、同じキッチンを一緒に使う家もあります。そのときは、お嫁さんとお母さんの、どちらが使う回数が多いかを聞いて、その人に合わせて高さを決めていました。
どうしても、一方に合わせきれないときは、高さを変えられるシステムキッチンを選ぶようにしています。ただ、そこまでする家は、滅多にありません。
年齢を重ねると、腰も曲がります。長年の生活習慣で、低い高さに慣れている方もいます。高齢の方は、若い人ほど順応性がありません。新しい家に移ったとき、住まいに身体を合わせることが負担になって、体調を崩すのも、無理はありません。
新築やリフォームの計画で、家族の生活習慣を考えずに決めてしまうと、心身の不調につながることがあります。キッチンの高さは、その分かりやすい例です。
今日からできることがあります。今の家のキッチンで、いちばん長く立つ人が、腰や肩に負担を感じていないかを、聞いてみてください。負担があるなら、リフォームの前に、使い方で調整できないかを考えてみてください。
キッチンは、毎日、何時間も立つ場所です。わずかな高さの違いが、毎日積み重なります。図面の寸法より先に、誰がいちばん使うのかを、決めてください。
新居で暮らしが合わなくなる理由は、noteにも書いています。「新築・リフォームの大失敗の原因」


