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小橋広市

元建築家。女性の起業サポートするコーチングのプロ

小橋広市(こばしひろ) / 講師

一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会

コラム

新築・リフォームには落とし穴がある

2020年6月6日 公開 / 2020年10月25日更新

テーマ:住環境習慣コンディショニング

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 注文住宅インテリアコーディネートシステムキッチン リフォーム

新型コロナウィルスが収束していないのに、こんなことを言うのも不安を煽るようで何なんですが、最近、地震が多発しているのが気になります。

さて、今回は、建築設計をやっている頃の、ウソのようなホントの話をしましょう。

建物が完成し、お施主様が家具を搬入する際にちゃんと計画したはずなのに家具の置き場所がないというトラブルはよく聞く話。そんなこともあって私が設計する際には、お施主様に必ず行なってもらう儀式があります。

計画前に次のような儀式を行います。

新居で使う家具に番号を入れたタグを付けてもらうこと。理由は、設計プランの際の家具の配置を忘れないためです。設計の打合せと建物が完成する直前にも再度、家具の配置を確認します

これからお話することは、お施主様の友人のAさんのところで現実にあったエピソード。Aさんの家には、娘さんがピアノを習っていたので、少し小さめのグランドピアノがあったそうです。

なんとAさんは、計画プランの打合せ時にピアノのことをすっかり忘れ、新居が完成するまでピアノのピの字も打合せの話題に上がらなかったそうです。

当然、設計者もAさんも、すっかりピアノが頭から抜け落ちていたので、新居に入る時になって、建物のどこからもピアノが入らない上に、ピアノのために防音設備も床の補強もしていませんでした。

この後、どうなったか想像がつくでしょう。専門家がお施主様の家族の生活習慣を把握していなかったことで起こった最悪の事例です。

ここまでじゃなくても、家具の配置を細かく計画しない設計者やお施主様が意外に多く、ピアノの次に問題になるのは仏壇です。近頃では、和室や仏間を作るお施主様が少ないので、仏壇の設置場所をプランに入れないことが多いのです。

後で急に仏壇を置くことになったとしても、仏壇を置く場所は方角が決まっているので、存在を忘れると結構、大変なことになります。

打合せ

家具の配置


建物を計画する際、家具配置を忘れるとこんなトラブルになる 

・家族の動線が悪くなった
・窓が半分塞がり、通気と採光不足になった
・ドアが家具に干渉して全開できない
・家具でコンセントが使えない
・インテリアにマッチしない

このようなことはザラにあります。新築やリフォーム工事は以前より便利になって当たり前。しかし、これらが満たされてなかったら些細なことがストレスになって新築ブルーになることがあります。

家族の生活習慣と住まいは、密接な関係があることを認識しておいて下さい。それが理想の家を作る第一歩です。

※新築ブルーとは、住宅の建築中や入居後に、建物の不満やローンの不安と後悔でうつ状態になること


今回の記事によるご質問がありましたら気軽にメッセージ、或いは「オンライン寺子屋コミュ」で相談して下さい。

あなたにも気付きがありますように


下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。

◇「新築・リフォームの大失敗の原因」
新築ブルーとは何か、何故、起こるのか



【小さな実践】
専門家と打合せする際、必ず家族全員の生活習慣と価値観を引き出しておく


 

この記事を書いたプロ

小橋広市

元建築家。女性の起業サポートするコーチングのプロ

小橋広市(一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会)

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