準備途中でも即行動しなさい
先日の「自律神経をコントロールすることができる?」の続き、今回は「自律神経と思考」について。
私は数年間、アンガーマネジメント協会でシニアファシリテーターをやっていました。協会での活動は良きつけ悪しきつけ、学びが多かったのは事実です。
中でも一番大きかった学びは「多くの人が怒りに不安と危機感を持っている」ということが、参加者さんを通じて確信が持てたこと。
怒りに危機感・・というと大げさに思うかもしれないが、個人はもちろん、企業も個々の人間の思考で行動し組織が動いています。
私たちの思考が働く際、何かしらの感情によって動かされます。それらの感情の中で、最も多く思考に影響を及ぼし強いエネルギーを持っているのが怒りの感情です。
喜怒哀楽の中の1つが怒りの感情ですが、悲しみ、喜び、楽しいなどの感情は、怒りの感情と表裏一体の関係です。つまり、悲しみは恨みや怒りに変わり、喜びや楽しさもそれを制限されるとイライラや怒りに変わります。
その怒りは二次感情と言われています。怒りの根っこになる一次感情は、不安、焦り、緊張、恐怖、後悔、不満、罪悪感、劣等感、絶望、憎悪など。これらに加えて、思い込み、拡大解釈、過小評価なども要因としては一次感情に入ります。
これらは、ほとんどの人が持っている感情です。人間も動物も怒りは自己を防衛する本能的な情動。天敵に出くわした際に「闘う」か「逃げる」かを、直ちに選択しなければならないので情動としてエネルギーが強いのです。
強いエネルギーを持つ「怒り」は、ある意味、私たちにとって諸刃の剣。使い方を誤ると刃になって相手を傷つけます。多くの人は、これを本能的に感じているので無意識に怒りに危機感を持つのでしょう。
自律神経と思考の関係
さて、本題の自律神経と思考の関係の話。怒りの根っこにある上記の一次感情は、ストレスの要因ですが、捉え方次第でプラスにもマイナスにもなります。
ストレスがすべて悪いわけじゃありません。ただ小さなストレスでも蓄積されると自律神経に悪影響を及ぼします。
イライラや怒りはアドレナリンを分泌させるので、怒りを理解して思考を上手にコントロールすれば、やる気が出たり、悔しさをバネにするプラスエネルギーに変換することができます。
しかし、怒りの感情を正しく理解していないと、ストレスがどんどん蓄積されて交感神経と副交感神経のバランスが崩れます。
では、「怒りを理解する」とはどういうことかをお伝えします。
怒りをコントロールというより、一次感情を思考でコントロールすると言った方が解りやすいでしょう。
一次感情は、捉え方次第でリフレーミングできます。
例えば、会社が終わって飲み会があるとしましょう。私は皆んなと交流ができるので好きです。一方、仕事でもないし酒も飲めないので苦痛に感じる人もいます。
同じ出来事なのに、本人が持っているマインドセット(概念、思い込み、体験、トラウマ)で真反対に分かれます。
しかし、同じ出来事なら、少し視点を変えたり捉え方を変えることで、いつもなら苦痛に感じることが普通に付き合えるようになりストレスに感じなくなることだってあります。
大切なことは自分の思考のクセに気付くこと。このイライラの一次感情は何だろう?
一次感情が「不安」だったとしたら、何に不安を抱いているのだろう?と掘り下げてみて下さい。
不安の根っこが解らないとリフレーミング(捉え方を変える)することはできません。少し大げさに言うと物事の捉え方ひとつで、あなたの未来が不幸にも幸せにもなります。
まとめとして、
思考のクセ(マインドセット)を変えることも自律神経のバランスを保つ方法の1つということ。マインドセットについては、私の記事のテーマ「マインドセットの書き換え」を参考に。
参考になれば幸いです。
下記に参考になる記事のリンクを貼っておきます。
◇「ストレスに愛着を感じるストレスフレンドリー」
ストレスは悪いことだけじゃない
◇「自律神経のバランスが崩れると身体が暴走する」
自律神経とは・・・
【小さな実践】
過去の後悔や未来への不安で、理想の自分や他者を拡大解釈せず、現状の自分を褒める意識を常に持っておく