Good & New
Part1の「阪神淡路大震災の被災地において、ボランティアだった二人の人間関係がどのようにして縮まったのか、その理由の前にPart2の脳の構造をお伝えしましたので、いよいよその理由ですね。
こんなに長く記事を書くつもりはなかったのですが、実は「脳の3層構造」がキモになるところで、構造を理解しておくと人間関係ばかりか生活習慣の改善のフォーマットになります。
前置きはこれくらいにして、危険な場所で行動を共有すると関係性が縮まる理由は、自己防衛本能がある爬虫類脳と仲間意識を高める哺乳類脳がフル活動したことによるストックホルム症候群に似た感情かもしれません。
ストックホルム症候群は、誘拐事件や監禁事件などの被害者が、犯人に対して好意的な感情を抱くこと。つまり、閉鎖された空間の中で生きようとする人間の生存本能や極限状態で芽生える連帯感が、複雑に絡まり合って生まれる心理的な現象。
ストックホルム症候群の名付け親の米国の精神科医フランク・オッシュバーグ氏によると、ストックホルム症候群には3つの要素があるそうです。
・人質は犯人に対する愛着や愛情が芽生える
・それに報いる形で、犯人も人質を気遣うようになる
・両者がそろって「外界」に対する軽蔑を抱くようになる
話を本題に戻すと、
命の危険がある非日常的な場所で、長い時間を共にすることによって2人の間に過度の連帯感や好意的な仲間意識が芽生えたのかもしれません。ある意味、極限状況で起こる一連の心理的な動きです。
このような感情は、被災地の避難住民の間にも芽生えます。起こった現実の恐怖と不安に、被災した住民同士がチカラを合わせて行動しする連帯感が、いっそう仲間意識を高めるでしょう。
こうして構築された私たちの人間関係は、大げさに言えば戦友のような関係かもしれません。神戸で知り合ったその友人は、6年前に重度の心筋梗塞で倒れ、設計業務ができなくなった条件の悪い私の仕事を、無条件で引き継いてくれた大恩人です。
先日、その友人は奥さんのもとへヒッソリと旅立ちました。
【小さな実践】
「脳の3層構造」を理解しておくと人間関係と生活習慣の改善のフォーマットにし、応用してみる