金魚鉢の人間
先日、どうしても
仕事で車が必要になり
レンタカーを借りました。
乗るのは正月以来。
でも慎重に運転していると
1時間もすれば元通り
なんてこと、
あるわけないでしょう。
このような考え方が
一番危険です。
自分の意志とはウラハラに
車は勝手に動いています。
時速50キロで走行して
突然、自転車が飛び出したので
危ないと思ってブレーキを
掛けたとします。
運転者が危険を感じて
急ブレーキが必要と判断し、
アクセルペダルから足を動かす
反射時間0.4~0.5秒です。
ブレーキペダルに足を乗せ、
踏み込んでブレーキが効き始めるまで
個人差はありますが、一般的には
平均0.75秒と言われています。
これが空走時間。
次はブレーキが効いて
止まるまでを制動距離。
しかし、これには様々の条件の
摩擦係数が加わってきます。
晴れ、雨、雪、氷、アスファルト
砂利道、登り、下り
時速50キロで
平坦で乾いたアスファルトを
走行していた停止距離は23.78m
停止時間は2.72秒となります。
私の若い頃の
空走時間は0.62秒でした。
平均0.75秒とすると、
現在の私は0.8秒くらいでしょうか。
それでも私の年齢では速い方でしょう。
気だけは若いつもりでも
こうして数字にすると運転が
恐くなります。
私はある時期、
交通事故原因調査の専門家でした。
なのでどんな時に事故になるか
どんな場所で事故が起きるか
一般の方より300%くらい
予見能力が高いと思います。
だからこそ、
余計に恐いのです。
この私でさえ、
予見時間も鈍くなり
空走時間も長くなると、
運転疲労度だけが増します。
0.7秒よそ見をすると
私の車はノーブレーキで、
飛び出した自転車を
轢くことになります。
というわけで、
市街地を一日中、車で走った
私は死ぬほど疲れました。
【小さな実践】
免許取り立ての頃の運転に戻ってみて
慣れておざなりになっているところを意識する