幽体離脱で場を感じる

人前で話すのは、
なかなか慣れないですね。
毎回、緊張します。

まぁ、適度な緊張感があった方が
結果的には上手くいってます。

オリンピックでアスリートをみていると
実力があるのに本番では普段の実力を
発揮できないことがあります。


古い話しですが、
私が経験した思い出したくもない
出来事をお話しましょう。

阪神淡路大震災の後、
住宅メーカーが主催する耐震補強のセミナーで
「建物と家具」というテーマのセミナーに
登壇した時のことです。

建物の耐震は、得意分野でしたから
特に緊張することもありませんでした。

その講演では、質問がたくさん入ると見越して
途中でも質問の時間をとっていたところ、
お客様の一人が、講演のテーマから外れた
こんな質問をしてきたのです。

「築3年の住宅メーカの建物が倒壊して
両親が亡くなったのに補償をしてくれない」

という内容のだったと思います。

この質問に何とか答えようとしましたが、
お客様が望んでいる回答にはなりません。
それはそうでしょう。
私が答えるべきことではないのですから。

その質問で頭が真っ白になり、
後半の講演は何を話したのか覚えていません。

しばらくは、そのことがトラウマになり、
質問を最後にもってくるようにしても、
質問内容にはピリピリしていました。


そんな頃、有名な先生の講演を拝聴し、
著者の本にサインを頂く時に
先生本人にこんな質問をしました。

「講演で緊張しない方法はありますか？」

先生はこう答えてくれました。

「適度な緊張感を皆さんと楽しみながら
場を感じるようにしています」


それから数年経って・・・





「場を感じる」を自分なりに理解しました。

どういうことかと言うと、
自分も含めて会場全体を俯瞰して観ると
客観的に自分が観えて面白いのです。

イメージにするとこうなります。

自分の斜め後ろの少し高い位置から
会場全体を俯瞰すると自分を含めた会場の
お客様の顔や空気感が感じれます。

NLPをご存じの方は理解できると思いますが、
これは「ディソシエイト」の状態で、
冷静に自分や周囲を客観視できます。
※ディソシエイト 物事を客観的に見ている状態


これはあなたもトレーニングできます。

部屋で椅子に座って
あなたの後ろ姿をイメージして下さい。
目を閉じて後ろ姿が浮かぶまで練習して下さい。

後ろ姿がイメージできるようになったら
後ろの高い位置から、自分を含んだ
部屋全体を俯瞰してみて下さい。

あなたと部屋全体が観えるようになったら
椅子に座っている、あなた自身に何を感じますか？
そしてあなた自身に何か話しかけてみたら
いったいどのような答えが返ってきましたか？