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理容師・美容師に、「常に見られている意識を持たせる」

2017年9月27日 公開 / 2021年1月1日更新

テーマ:エステティシャン・美容師が必ず身 につけたい接遇マナー

コラムカテゴリ:ビジネス

理容師・美容師に「常に観られている」という意識を持たせる

ショーウインドーは、商品を美しくみせ、その年の流行が一目で分かるようにディスプレイされています。ショーウインドーの前を行きかう人は、何気なく目に入るその色合い、コーディネートの仕方、デザインから、自分の好みや憧れそして「欲しい」と思う購買意欲をかきたてられます。
 美容室・理容室も、今やガラス張りの店舗が多くなり、店内の雰囲気や店のコンセプト、
大きな鏡や椅子といった配置から、ヘアケアのディスプレイまで、全てが外からでも見える状況です。ということは・・・
お客様は外に居ながら、「店のスタッフの様子も全て見えている」と、いっても
過言ではありません。店の作りや店内の雰囲気といったハード面だけでなく、スタッフの動きや表情、お客様の対応といったソフト面も、ガラス張りの店舗からはお見通し。
つまり、百貨店やブランド店のショーウインドーを華やかに彩るマネキン人形が、お客様の購買意欲をそそるように、理容室・美容室のスタッフもその店のコンセプトやお洒落の楽しさをガラス張りの店内から発信できるということを、意識しないといけません。



ショーウインドーを眺める

そう、理容師・美容師は、ガラス張りの店内に立つことで、
時代の流行を、そしてお洒落や美しくなることへの喜びを
アピールできる存在なのです。

ですが…
どれだけのスタッフの方が、このことに気が付いて意識し、自分をブラッシュアップ出来ているでしょうか?また、理容師・美容師を目指す若い方々は、そのことに気づき、日々の理容・美容の授業で、意識して取り組むことが出来ているでしょうか?

見えてしまってはいけない様子が、見えたことで・・・

あるお客様が、こんな話をしていました。
ちょっとイメージチェンジしたいので、友達が勧めてくれた美容室を、近くに行った時に、覗いてみた。そうしたら・・・、受付付近で、お客様対応していないスタッフ数人が、壁によりかかって携帯を見ながら、談笑している。入店してきたお客様がいたが、すぐに携帯を止める様子もなく、お客様に背中を向けて携帯の操作が見えないようにし、「いらっしゃいませ。」って声をかけていた。確かに、入店の際には、店内のスタッフ全員で挨拶をしようと、決めているのかもしれない。けれど、携帯見ながらって・・・。それも、お客様が入店したのに背中を向けて、言わないといけないから、義務みたいな挨拶・・・。
なんだかその数秒のやり取りをたまたま店の外から見たせいで、せっかくお友達が勧めてくれたけど、「この店には行かない。行きたくない。」と、はっきり気持ちが固まって・・・。と。
皆さんは、この美容室でのやりとり、どのように感じますか。そして、現在スタッフとして働いている方、そして理容・美容を目指す人は、どう感じるでしょう。

もちろん、理容師・美容師だって、携帯の確認もしたいし、ずっと立ったままですから、少し足や体も休めたい。その気持ちは、十分理解できます。ですが、皆さんにここで伝えたいのは、人から常に見えているという意識を理容師・美容師は、どんな職業の方よりもって頂きたいのです。

大型店舗に入っている美容室などでは、トイレが一般のお客様と同じ場所を使用することで、客の立場として見たくない状況を垣間見ることも、多々あります。
さきほどまで店内では、にこやかに接してくれていたスタッフが、トイレでは、なんだか乱暴な態度でおかまいなしといった雰囲気、大きな音を立ててドアの開け閉めをし、
手をチャチャット洗ったかと思ったら、ハンドドライヤーに忙しなく手を突っ込むと、
タバコを出して吸い始める・・・。そこは、喫煙可能な場所なの?と思うけれど、おかまいなし。そして、携帯を出して操作しながら、くわえタバコをふかしている。

仕事をしていると、息抜きも必要ですが…、見えてはいけない様子や態度は、その人の印象を悪くするだけでなく、その店の評価も下げることになるのです。

理容・美容を目指す若い方に、授業の段階で意識を持たせる

この度、四国地区理容師美容師養成施設教職員研修会にて、講演させていただく機会頂きました。その際に、この「常に見られている意識を持たせる」ことについても、お話致しました。

講演写真



授業をしていると、座学であっても、しっかり座っていない生徒。(机にもたれかかるような姿勢)
立ったままでの実技では、体の軸がゆらゆら揺れて、しっかり立つこともままならない生徒も中にはいます。
卒業し仕事を始めると、意識も変わってくるとはいえ、普段出来ていなことが、社会人になったから今日から出来ますという簡単なものではありません。身についた悪い癖は、やはりなかなか治らず、仕事をはじめた自分をもっと苦しめることでしょう。
上にあげた、悪い印象の店員・スタッフの現状は、もしかしたら、理容学校・美容学校を卒業後のあなたの姿かもしれません。
慣れない仕事、ぬけない怠け癖、先輩からの注意、長時間立つたままの大変さ、忙しさで休み時間もなかなかとれない。
確かに、その息抜きもしたいし、自分を解放できる時間も必要でしょう。
ですが、休む時には場所を選ぶ、人から見えていることを意識し身だしなみや態度を整える、店舗の外にでても、自分はその店の看板を背負っている・人から見られているという意識と気持ちが大切です。

ショーウインドーの向こうのファッショナブルな世界は、お客様にとって憧れです。
美容室・理容室もまた、お客様の美しくなりたいという願望を叶える場所。
そこに立つ皆さんは、お客様にとって、「あのスタッフさんみたいな髪形にしたい。」
「あのスタッフの方の髪色、素敵ね」といって頂ける、動く商品でもあるのです。
お店の集客を増やす、利益を上げる、リピーターを増やす。その為にも、
『常に人から見られている意識』理容室・美容室でも、取り組みませんか?

この記事を書いたプロ

谷澤優花

人を敬う心“接遇”を伝えるビジネスマナーのプロ

谷澤優花(谷澤優花)

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