35【確定申告】減価償却から考える事業・投資戦略

第3部 住宅ローンという出口
ここまでは、
築古戸建てのメリットとリスク、
ケーススタディ、
そして今後考えられるリスクについてお話ししました。
ここからは、
住宅ローンという視点から出口戦略を考えてみます。
不動産投資というと、
利回りや家賃収入に目が向きがちです。
もちろん、
それも大切です。
しかし、
売却するときには、
「誰が買ってくれるのか。」
という視点が欠かせません。
投資家へ売却する方法もあります。
家賃収入が安定していれば、
オーナーチェンジ物件として売却することも可能です。
一方で、
空室になったタイミングでは、
実際に住む方へ売却できる可能性も生まれます。
つまり、
住宅ローンを利用する実需のお客様です。
私は、
この選択肢を持っておくことが非常に重要だと考えています。
売却先が投資家だけなのか。
それとも、
実需のお客様にも広げられるのか。
この違いだけでも、
売却価格や売却までのスピードは大きく変わることがあります。
もう少し言うならば、銀行の融資姿勢です。
投資については波がありますが、住宅ローンについては安定して積極的です。
築古戸建てでも、
ファミリータイプのマンションでも同じです。
「この物件は住宅ローンを利用する方にも魅力があるだろうか。」
という視点を持つことで、
出口戦略は大きく広がります。
私は、
選択肢を増やすこと自体がリスク管理だと考えています。
唯一無二の魅力がある物件であれば、
「この家に住みたい。」
と思ってくださる方が一人いれば十分です。
そのためには、
売却活動も工夫が必要です。
売主側の仲介会社だけでなく、
買主側の仲介会社にも、
物件の魅力をしっかり伝える。
内覧時に資料を用意する。
リフォーム内容や特徴を説明する。
こうした小さな工夫が、
住宅ローンを利用する実需のお客様との出会いにつながります。
ここで大切なのは、
住宅ローンは「お金を借りる話」ではなく、「購入者を増やす話」だということです。
だから私は、
住宅ローンをFPの知識としてだけではなく、
出口戦略の一つとして考えています。
売主側の仲介業者だけでなく買主側の仲介業者にもそんな思いを共有したいと考えています。
では、
住宅ローンを利用できるのは、
どのような人なのでしょうか。
次は、
銀行が購入者をどのような基準で審査しているのかを見ていきます。
第3部② 銀行は何を見て住宅ローンを貸しているのか
住宅ローンを利用する実需のお客様へ売却する場合、
「この物件を買いたい。」
という気持ちだけでは契約は成立しません。
金融機関の審査を通過して、
初めて売買が成立します。
そのため、
売主である大家さんも、
住宅ローンの基本的な考え方を知っておくことは大切です。
住宅ローンでは、
まず**「人」**を審査します。
年収だけではありません。
勤務先や勤続年数、
年齢、
自己資金、
そして個人信用情報など、
さまざまな項目を総合的に判断します。
例えば、
クレジットカードの支払い遅延、
携帯電話料金の滞納、
キャッシングの利用状況、
他人の借入れの連帯保証人になっていないか。
こうした情報は、
個人信用情報として確認されます。
さらに重要なのが、
返済比率です。
年収が高くても、
すでに多くの借入れがあれば、
返済比率は高くなります。
逆に、
年収がそれほど高くなくても、
借入れが少なく、
安定した返済が見込める方であれば、
住宅ローンを利用できるケースもあります。
銀行は、
「いくら借りたいか。」
ではなく、
「無理なく返済を続けられるか。」
という視点で審査しています。
そして、
「人」の審査が終わると、
次は**「物件」**を審査します。
銀行は、
その物件にどの程度の担保価値があるのかも確認します。
都市部のマンションでは、
売買価格と銀行評価がほぼ一致するケースも多く、
住宅ローンを利用しやすい傾向があります。
一方で、
郊外の築古戸建てでは、
売買価格より銀行評価が低くなることもあります。
その場合は、
購入者が自己資金を多く準備しなければならず、
住宅ローンを利用した売買が成立しにくくなることがあります。
私は築古戸建てを購入・売却するときには、
売買価格だけではなく、銀行評価も事前に確認することをおすすめしています。
つまり、
住宅ローンは、
単に「お金を借りる制度」ではありません。
購入希望者の信用と、物件の価値。
この両方がそろって、
初めて売買が成立します。
この仕組みを理解しておくと、
「どのような物件なら売れやすいのか。」
という見方も変わってきます。
第3部③ 住宅ローンは最大限に活用する
私は住宅ローンを、
単なる借金だとは考えていません。
人生で一度使える、大きな金融商品の一つだと考えています。
もちろん、
借り過ぎは禁物です。
しかし、
無理のない範囲で活用できるのであれば、
住宅ローンは資産形成を後押ししてくれる強力な仕組みになります。
私がおすすめしている基本的な考え方は、
できるだけ長く、できるだけ多く借りることです。
返済期間は35年、
金融機関によっては50年や80歳完済の商品もあります。
頭金についても、
自己資金を多く入れることだけが正解ではありません。
フルローンや諸費用まで借りられるのであれば、
手元資金を残すという考え方もあります。
また、
私は原則として、
繰り上げ返済は急がなくてもよいと考えています。
現在の住宅ローン金利は、
他のローンと比べても非常に低い水準です。
無理に繰り上げ返済をするよりも、
手元資金を残しておけば、
新しい投資のチャンスや、
急な支出にも柔軟に対応できます。
住宅ローンは、
「早く返すこと」よりも、
上手に付き合うことが大切です。
さらに、
住宅ローンには、
団体信用生命保険や住宅ローン控除など、
さまざまなメリットがあります。
住宅ローンは、
金利だけを比較する商品ではありません。
保障や税制まで含めて考えることで、
本当の価値が見えてきます。
もちろん、
金利の動向には注意が必要です。
変動金利なのか、
固定金利なのか。
その時々の経済状況や、
ご自身のライフプランに合わせて選択することが重要です。
住宅ローンは、
「借金だから怖い」と考えるのではなく、
正しく理解し、正しく活用する。
その視点を持つだけで、
住まい選びだけでなく、
将来の資産形成や出口戦略も大きく変わってくると思います。
投資用ローンと同じく、できればインフレとの関係性まで含めて考えてるべきものだとも思います。
第3部④ 住宅ローンは「売却」だけでは終わらない
住宅ローンを活用した実需向け売却は、
非常に有効な出口の一つです。
しかし、
私はそれだけを考えているわけではありません。
出口は一つではないからです。
例えば、
実需向けに売却したほうが良い物件もあります。
家賃収入を維持しながら、
投資家へオーナーチェンジで売却したほうが良い物件もあります。
そして、
最後まで保有し、
子どもへ承継したほうが良い物件もあります。
大切なのは、
物件ごとに出口を使い分けることです。
購入した時点で、
「この物件は将来どうするのか。」
そこまで考えておくと、
リフォームの内容、
借入れ、
保有期間など、
日々の経営判断も変わってきます。
私自身も、
すべての物件を売却するつもりはありません。
都市部で長期的な資産価値が期待できる物件は、
家族へ承継する選択肢も考えています。
一方で、
役割を終えた物件は売却し、
より条件の良い物件へ入れ替えていきます。
つまり、
出口戦略とは、
「売るか、持つか。」
という二択ではありません。
売却、継続保有、相続。
複数の選択肢を持ちながら、
その時々で最も合理的な方法を選ぶことが、
長期的な大家経営につながると私は考えています。
第3部④ 出口戦略は「100年」で考える
ここまで、
実需向け売却や住宅ローンについてお話ししてきました。
しかし、
私は出口戦略を考えるとき、
売却だけを考えているわけではありません。
出口は一つではないからです。
実需向けに売却した方が良い物件もあります。
投資家へオーナーチェンジで売却した方が良い物件もあります。
そして、
最後まで保有し、
家族へ承継した方が良い物件もあります。
相続も、不動産投資における重要な出口戦略の一つです。
例えば、
郊外の築古戸建ては、
売却価格だけを見ると都市部のマンションほど伸びないかもしれません。
しかし、
別の視点で見ると大きなメリットがあります。
建物の固定資産税評価額が低くなっているケースが多く、
相続税評価額も低く抑えられる傾向があります。
つまり、
家賃収入を生み続けながら、
相続対策としても活用できる可能性があるということです。
また、
郊外の築古戸建ては、
相続税評価が難しいケースも少なくありません。
土地の形状や接道条件などによって評価が変わることがあり、
相続後に評価を見直した結果、
相続税の還付を受けられるケースもあります。
もちろん、
すべての物件が対象になるわけではありませんが、
「そのような制度がある」ということは、
知っておいて損はないと思います。
私は、
物件を購入するときから、
「この物件は最後にどうするのか」
ということを考えています。
実需向けに売却するのか。
投資家へ売却するのか。
家族へ承継するのか。
出口を決めておくことで、
購入価格や借入れ、
リフォームの内容、
保有期間など、
日々の経営判断も変わってきます。
私は、
入口よりも出口を重視しています。
どのように買うかも大切ですが、
最後にどう活用するのかまで考えて初めて、
本当の投資になると考えています。
私は、物件を買う前から出口を考えています。
入口よりも出口。
さらに言えば、
10年、20年ではなく、
100年スパンで資産全体を考える。
売却、保有、相続、税金まで含めて
トータルで設計する。
道順は違っても目的地は同じ。
これが、不動産投資ではないでしょうか。
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