現状、マイナンバーの利用目的に労災給付は、記載できません。

影山正伸

影山正伸

テーマ:マイナンバー

 そろそろ個人番号(マイナンバー)が送られて来た方も出始めているようです。
 事業所におかれましては、マイナンバーの取り扱い規程を既に作成されたところもあるかと思います。規程の中に、マイナンバーの利用目的について、下記のように記載されているところも多いかと思います。
  会社が取り扱う個人番号関連事務、又は個人番号利用事務は、原則として以下のとおりとする。
(1)健康保険・厚生年金保険関係届出事務
(2)雇用保険関係届出事務
(3)労働者災害補償保険法関係届出事務
(4)給与所得・退職所得に係る源泉徴収票作成事務

労働者災害補償保険法関係届出事務は、目的に記載してはいけない

 ここで問題が発生しました。10月21日に厚生労働省から通達が出まして、要は、労働者災害補償保険法関係届出事務は、利用目的に記載してはならない、というものです。
 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000101750.pdf
Q6を見ていただくと、労災に関しては、個人のマイナンバーを収集してはならないとなっていますので、現段階では、利用目的に記載できない、ということになります。ただし、一番下の※印に、現在検討中とあります。ですので、後々やはり取り扱っても良いということになるかもしれませんが。。現状は、記載することは、できません

本人確認に年金手帳は、ダメになりそうです。

 また、読売新聞にありましたが、マイナンバーを収集する際に、本人確認が必要ですが、国民年金法で、「何人も第三者に基礎年金番号を告知することを求めてはならない」とあり、企業は、年金手続き以外で年金手帳(基礎年金番号)を収集してはならない、ということです。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20151024-OYT1T50099.html
 現在、内閣府のマイナンバーの本人確認について、写真付きの証明書が無い場合、健康保険証や年金手帳など2点が必要となっています。
 http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/pdf/kakunin.pdf
こちらも、修正される可能性がありますので、注意していきましょう。

 このように、いろいろ問題が発生してきて、この期に及んでマイナンバーの取り扱いについて、修正が出てきています。もっと、早く確定させてほしいものです。しかし、今回初めて、国民一人一人に個人番号を振り出しますので、まだまだ紆余曲折が予想されます。気がついたところでお知らせする予定ですが、漏れる可能性もありますので、注意深く見ていってください。

 

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影山正伸
専門家

影山正伸(社会保険労務士)

影山社会保険労務士事務所

手続業務、給与計算はもちろん、労働基準監督署労災課、監督課での実務経験を活かし、従業員とのトラブル解決、労務管理の諸問題の相談・指導に特に強く、また、賃金体系・人事評価制度の整備にも詳しい。

影山正伸プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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