- お電話での
お問い合わせ - 047-393-6220
コラム
定額残業代の再点検を(2)~定額残業代(固定残業代)を否定する裁判例が増えています。
2013年12月13日
前回「定額残業代の再点検を(1)」では、定額残業代(固定残業代)を営業手当の名目で
支給していたケースをご紹介しましたが、今回は「組込み方式」で支給していたケースです。
◆テックジャパン事件(最高裁一小 平成24.3.8判決)
「基本給41万円、1ヶ月の総労働時間が180時間を超える場合には1時間あたり一定額が
支払われる」とする雇用契約に基づく取扱いとして、月間180時間以内の労働時間に含まれる
時間外割増賃金は基本給に含まれるとされたことを不服として、派遣社員が派遣会社に
対して通常の計算による時間外手当の支払を求めた事案です。
最高裁は、月額41万円の全体が基本給とされており、その一部が他の部分と区別されて
割増賃金とされてはいない上、1ヶ月の時間外労働の時間は月によって所定労働日数が
異なること等により相当変動しうるものであるから、月額41万円の基本給について、通常の
労働時間の賃金に当たる部分と時間外割増賃金に当たる部分とを判別することはできず、
月額41万円には時間外割増賃金は含まれていないとして、月間180時間以内の労働時間中の
時間外手当についても月額41万円の基本給とは別に割増賃金を支払う義務があると判断しました。
◆再点検のチェックポイント
ここまで細かく支給実態が問われる背景には、定額残業制であることを理由に適正な労働時間管理
が行われず、実際の時間外労働時間が把握されていないために潜在的な未払い残業代があったり、
また労働者に対する制度の周知と説明が不十分であるため労働者自身が制度内容をよく理解して
いなかったりすることが少なくないという問題があります。
この機会に貴社の定額残業制度の内容と運用には問題がないか、あらためて点検されてはいかが
でしょうか。
以下に主なチェックポイントを挙げましたので、点検の際に是非ご活用下さい。
□ 定額残業代を割増賃金として支払う旨が明確に就業規則及び雇用契約書に定められ、その内容
を従業員に周知していますか?
□ 支給時に支給対象の時間外労働の時間数と残業手当の額が明示されているか、少なくとも予測
できるようにしていますか?
□ 定額残業代を超えた時間外労働があった場合は、超過分を別途支給していますか?
【手当方式の場合】
□ どの手当でいくらを定額残業代として支払うのか明示していますか?
□ 実質的にその手当が時間外労働の対価としての性格を有していますか?
【組込み方式の場合】
□ 基本給等に法定の割増賃金が含まれているとするために、通常の労働時間の賃金分と割増賃金分
とが明確に区別されていますか?
ご質問等、お気軽にどうぞ。初回相談は無料とさせていただきます。047-393-6220
影山社会保険労務士事務所オフィシャルサイト↓
http://kageyama-office.com/
関連するコラム
- 中小企業も月60時間超えは、残業5割増しへ(平成31年度より) : 労働基準法改正 2014-05-19
- 「名ばかり管理職」のコラムが記事になりました。 2013-10-11
- 旅行業界大手「HIS」が、労働基準法違反で書類送検 2017-06-18
- 長時間労働の上、過労死。役員にも損害賠償決定(日本海庄や) 2013-11-15
- 不払い残業代1億3千万円、平成23年度千葉県 / 千葉県 社会保険労務士 2012-10-26
コラムのテーマ一覧
- 育児・介護休業法
- 人手不足
- 社会保険労務士
- 年金
- 雇用保険
- プライバシーマーク(Pマーク)
- 同一労働同一賃金
- 影山社労士事務所
- 女性活躍社会
- 社会保険労務士個人情報保護事務所
- マイナンバー
- 有期雇用特別措置法
- 給与計算(代行)(アウトソーシング)
- 労働問題
- マタハラ
- パートタイム労働法
- 失業手当
- 年金事務所の調査
- 社会保険(健康・厚生年金)未加入問題
- 解雇
- 国民年金
- 人事制度、評価制度
- ワークライフバランス
- 退職金
- 労働相談 あっせん
- 遺族年金
- 賞与
- 限定正社員
- 健康保険
- 育児休業
- 雇用の規制緩和
- 是正勧告
- 懲戒処分
- 非正規雇用
- 出向
- 労働基準監督署
- 採用選考
- 派遣労働者
- セクハラ・パワハラ・マタハラ
- 労災
- 就業規則、作成・変更
- 失業率・就職率
- 労働力調査
- 春闘
- 労働安全衛生法
- 労働組合
- 労働基準法
- 水中写真
- マイカー通勤
- 生活保護
- 障害者雇用
- 厚生年金
- メンタルヘルス
- 社会保険
- 残業問題
- 助成金
- 高齢者雇用
- リストラ
- 最低賃金
カテゴリから記事を探す
影山正伸プロへの
お問い合わせ
マイベストプロを見た
と言うとスムーズです
勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。