年商を積みまし、経営を安定させる事業の多角化のアイデア Vol.2 ラテラルマーケティング発想をはじめる
1、評判を気にしすぎる経営者
飲食業や、ネット販売業など、BtoCで販売を行う事業の経営者の方は、今、非常に口コミに敏感です。
特に、SNS等へのマイナスコンテンツの書き込みが一切行われないように配慮し、それを見つけると、大きな精神的なダメージを負うケースもあります。
一方で、SNSへのプラス評価の書き込みを稼ぐため、インフルエンサーマーケティングに大きな費用を投入する企業もあります。
確かに、BtoCビジネスにおける消費者の評判は、非常に重要なものであり、そこに配慮しない経営は、よくありません。これは、SNSが普及する以前からそうでした。
一方、SNS時代は、消費者の評判がインターネット上に拡散し、しかも、それが残るようになりました。一旦、マイナス評価記事が書き込まれると、容易に消すことができず、昭和・平成時代よりも、令和の今は、消費者のインターネット上の書き込みが大きな影響を事業に与えるのは事実です。
しかし、他方で、大成功する経営者は、このSNSの拡散力を逆転的に利用して、売上をとっています。大成功して、大きく伸ばす経営者は、非常にアグレッシブな経営姿勢が、SNS上で発信をする消費者から、往々にして人気がなく、マイナスコンテンツの書き込みを避けることはできないので、彼らはそれを逆手にとって、マイナスコンテンツも利用しています。
今回は、大成功する経営者の、口コミの逆転的活用法について、発信したいと思います。これを読んでいただくことで、評判を過度に気にしすぎている経営者の方は、楽になっていただけるのではないかと思います。
2、よい評判ばかりの口コミは、逆に信用されない?
今、SNSを観る一般の人たちのほとんどは、そのSNSの世界で、ステルスマーケティングが行われていることをよく知っています。
SNSが利用者を急増させていた時代には、「広告は信用できないが、SNSは信用する」という考えで、SNSをみていたヒトも多かったのです。しかし、SNS活用が普及し、その活用に慣れた今のユーザーは、一日に多くの時間をSNSの動画やコンテンツの視聴にあてていても、その情報を鵜のみにしてはいません。
大量に溢れる情報は、自分の視聴と同様の傾向を持つコンテンツが表示されるアフゴリズムによって動いているため、自分の視聴傾向を強化するコンテンツが表示されることを知っています。SNS上に溢れるマイナスコンテンツばかりを視聴するユーザーには、マイナスコンテンツが多く表示されるのがSNSです。
しかし、このようなユーザーがマイナスコンテンツを大量発信して炎上させない限り、少数のマイナスコンテンツが、マスユーザーを動かすチカラには、今は、もうなりません。
3、賛否両論で盛り上がる口コミが、最も注目を集める
むしろ、SNSのプラス面の側面というのは、圧倒的なマスユーザーの注目度を現出させられる点にあります。
この圧倒的なマスユーザーの注目度を現出するのは、賛否両論がSNSに大量に掲載されて、盛り上がっている状態です。
色々なインフルエンサーがそのブランドや商品を絶賛すると、ユーザーの期待値が猛烈にアップします。一方で、期待値が猛烈に高まったユーザーが、そのブランドや商品を実際に使用して、その期待値を裏切られた場合、ユーザーは、ステルスマーケティングを疑い、ブランドや商品に批判的になってしまいます。
一方、賛否両論が盛り上がっているブランドや商品の場合、ユーザーは、「本当はどうなんだろう」という好奇心をもって、期待値を高めずに、そのブランドや商品をフラットな目で購買し、評価をします。
そして、
「案外、いいじゃん」
という感想を持てば、ブランドや商品のファンになってゆきます。
この状態が、最も好ましいSNSの盛り上がりの状態です。
従って、経営者は、賛否両論の状態を怖れる必要はないのです。
4、中小企業が大ヒットを生み出す法則
中小企業が生み出すヒット商品というのは、すべてのヒトに好感される商品ではありません。
10人中1人でも、
「これ、絶対買う!」
と顧客がいう商品が、ヒット商品なのです。
日本人1億人のうち、10%が絶対買ってくれるなら、1000万個を売る大ヒット商品になるからです。
ですから、否定的な意見を打ち消すのではなく、「誰がなんて言おうとも、絶対自分は、この商品を買う」という、顧客が獲得できるマーケティングを目指すべきなのです。
5、絶対に避けたい、ステルスマーケティングの活用
SNSの発展によって、今、最も経営者やマーケッターが注意しなければならないのは、ステルスマーケティングの手法です。
特に、インフルエンサーの中には、短期的な営利目的で、写真やコメント・動画の発信をしている人が多く、そのようなインフルエンサーを束ねて、様々な形式の利益をインフルエンサーに提供して、提供企業の広告的な発信を、インフルエンサーの評価のような形をとって行わせるのが、ステルスマーケティングです。
視聴者をインフルエンサーの体験のように偽装して騙すマーケティング手法です。
先に述べたように、消費者は、インフルエンサーの発信の中に、それが営利的な便益を受けて行う発信かどうかを見分けることができません。したがって、消費者は、インフルエンサーが推薦する企業や商品に高い期待を持つため、その企業や商品に対する期待値は、非常に高くなります。当然、購買後の評価も厳しくなります。
その結果、その期待値に企業や商品サービスが適合しないと、逆に、消費者が攻撃的になる傾向が強くなり、炎上のリスクが高まります。
インフルエンサーに商品やサービスに注目してもらい、それを積極的に発信してもらうのは、非常によいマーケティングですが、それは逆に、インフルエンサーに、確実に、プラス面の情報として発信を約束させるものではありません。
それを、プラス面の発信を獲得するため、経済的な便益をインフルエンサーに提供する方法は、非常にリスクの高いマーケティング手法だと考えたほうがよいでしょう。
賢い経営者、長期的に成功する経営者は、このような消費者を騙すマーケティングは、行いません。
URVグローバルグループ マーケティング支援事業