焼肉店経営はなぜ難しい?和牛の仕入れと原価管理から学ぶ海外飲食進出の成功条件
目次
今の飲食業経験者の多くは・・・
経営コンサルタントの本業と、副業の飲食業経験
私は20代前半から、本業である経営コンサルティングの仕事と並行して、自ら資金を投じて飲食事業を始めました。
最初のきっかけは、実姉の独立を支援するために始めた小さな飲食店でした。
しかし、その後、飲食事業を単なる副業の範囲にとどめることなく、人材を採用し、店舗を増やし、複数店舗を運営する事業へ育てていきました。
そして2017年、長年育ててきた飲食事業をM&Aによって売却しました。
この売却によって得た資本を、次の事業へ再投資しました。
その後、URVグローバルグループでは、経営支援、海外進出、マーケティング、不動産、総合商社、飲食、人材育成などへ事業領域を広げ、国内外で複数の事業を展開する企業グループへ成長してきました。
つまり、私にとって飲食業は、単に「飲食店を経営した経験」ではありません。
自分の資金を投じる。
人材を採用する。
店舗をつくる。
売上と利益を管理する。
利益を次の店舗へ再投資する。
組織をつくる。
そして、最終的には事業そのものに企業価値を持たせ、M&Aによって資本へ転換する。
この一連の経営を、実際に経験してきた事業です。
私は、飲食店の料理人としてキャリアを積んだわけではありません。
厨房で料理人として働いた経験を積んでから飲食事業へ参入したわけでもありません。
それでも、飲食事業を複数店舗へ拡大し、最終的にはM&Aという出口まで経験しました。
この経験から、私は、飲食店で働く能力と、飲食事業を経営する能力は、分けて考える必要があると思っています。
料理ができることと、飲食会社を経営できることは同じではありません。
接客が上手であることと、複数店舗を経営できることも同じではありません。
ここを理解することが、飲食事業への参入を考える経営者にとって、最初の重要なポイントです。
ずばり! 飲食業の経営は、それを本業にしてこなかった方に向きます
飲食業の経験がない経営者から、私はよく、
「料理ができないのに飲食店を経営できるのでしょうか」
と聞かれます。
私の答えは、
「経営者自身が料理をつくる必要はありません。しかし、料理をつくれる優秀な人材と組む必要があります」
というものです。
飲食事業を経営するために必要なのは、経営者自身が厨房へ入り、料理をつくる能力だけではありません。
むしろ、事業として拡大するのであれば、
どこへ出店するのか。
どの顧客を狙うのか。
どの商品を売るのか。
いくら投資するのか。
何年で投資を回収するのか。
どの人材に店舗を任せるのか。
原価率と人件費率をどこに設定するのか。
どのように集客するのか。
利益をどこまで次の投資へ回すのか。
こうした判断の方が、経営者にとって重要になります。
飲食業の経営者として成功できるかどうかは、飲食店で働いた経験の長さだけでは決まりません。
料理や接客の専門人材と組み、その専門性を利益を生み出す事業へ変換できる経営能力があるかどうかが重要です。
もちろん、飲食業の現場経験を持つことには大きな価値があります。
食材。
調理。
接客。
衛生。
店舗オペレーション。
現場を経験した人だからこそわかることは数多くあります。
しかし、その専門能力と、会社を経営する能力は別です。
優秀な料理人が、そのまま優秀な経営者になるとは限りません。
反対に、料理をつくれない経営者でも、優秀な料理人、店舗責任者、マーケティング人材などを集め、適切に経営資源を配分できれば、飲食事業を経営することはできます。
私自身が、その方法で飲食事業を育ててきました。
だからこそ、飲食業以外の会社を経営してきた経営者が、
財務。
マーケティング。
人材管理。
組織づくり。
資金調達。
投資判断。
といった自分の経営経験を飲食事業へ持ち込むことには、大きな意味があります。
飲食業への参入を考える際には、
「私は料理ができないから無理だ」
と考えるのではなく、
「自分には何ができ、何を専門人材へ任せなければならないのか」
という役割分担から考えるべきです。
投資型事業である飲食業で成功する要素とは?
飲食事業で成功する経営者の資質は、我慢強さにある!
飲食事業を考えるうえで、経営者が理解しておかなければならないことがあります。
飲食店は、開業前に資金を投入し、その投資を開業後の利益から回収していく事業です。
店舗を借りる。
保証金を支払う。
設計する。
内装工事を行う。
厨房設備を入れる。
家具や什器を購入する。
人材を採用する。
開業前教育を行う。
メニューを開発する。
広告を行う。
食材を仕入れる。
開店する前から、多くの資金が出ていきます。
そして、開業した翌日から、その投資額が回収できるわけではありません。
家賃。
人件費。
食材原価。
水道光熱費。
販売促進費。
設備保守費。
修繕費。
決済手数料。
さまざまな費用を支払いながら、毎日の売上から少しずつ利益を積み上げていきます。
だからこそ、飲食事業は、
「店が流行ったから成功した」
では判断できません。
重要なのは、投資した資金を回収したうえで、その後も継続的に利益を生み出せるかどうかです。
開業時には、少なくとも、
初期投資額。
想定売上高。
想定客単価。
必要客数。
原価率。
人件費率。
家賃。
その他固定費。
営業利益。
キャッシュフロー。
投資回収期間。
を計算する必要があります。
そして、売上が計画の80%だった場合。
原材料価格が上昇した場合。
採用予定の人材が集まらなかった場合。
開業が予定より遅れた場合。
こうした状況でも資金が持つのかを確認しておく必要があります。
飲食事業では、「いくら儲かりそうか」より先に、
「計画どおりにいかなかった場合、どこまで耐えられるのか」
を考えることが重要です。
この意味で、飲食経営者に必要なのは、単なる我慢強さではありません。
数字を見ながら、必要な改善を続け、結果が出るまで資金と組織を維持できる経営力です。
店舗経営では、良い月もあれば悪い月もあります。
季節変動もあります。
競合店が現れることもあります。
食材価格も変動します。
人材が退職することもあります。
そのたびに一喜一憂するのではなく、数字を見て原因を分析し、商品、人材、価格、マーケティングを改善していく。
この地道な積み重ねが必要になります。
飲食業界で働くことを希望するヒトは、最も我慢ができないタイプが多いという現実
飲食業は、人材の力に大きく依存する事業です。
厨房人材。
ホール人材。
店長。
複数店舗を統括する管理者。
これらの人材がいなければ、経営者自身がどれだけ優秀でも、店舗を増やすことはできません。
しかし、飲食業では、採用だけでなく定着も大きな経営課題になります。
土日や夜間の勤務がある。
立ち仕事が多い。
ピーク時間帯には高い集中力が必要になる。
同じ品質のサービスや料理を繰り返し提供しなければならない。
飲食業には、華やかな部分だけではなく、地道な日常業務があります。
だからこそ、経営者がすべきことは、働く人を一面的に評価することではありません。
どのような人材が自社の業態に適しているのか。
どのように教育するのか。
どのようなキャリアを用意するのか。
どのような評価制度をつくるのか。
どうすれば店長として店舗を任せられる人材へ育つのか。
これを設計する必要があります。
私が飲食事業を複数店舗へ拡大できた理由の一つも、私自身が厨房へ入り続けたことではありません。
店舗を任せられる人材を見つけ、その人材を育て、権限を渡したことにあります。
経営者がすべての仕事を自分でできる必要はありません。
むしろ、自分がいなければ店が動かない状態のままでは、2店舗目、3店舗目へ進むことができません。
飲食事業を一店舗の商売から企業へ変えるためには、
「誰に任せるか」
という人材戦略が不可欠です。
企業価値論が教える投資型事業開業の鉄則
私は、飲食事業を経営してきた経験から、店舗の売上だけでなく、会社そのものの価値を考えることが重要だと思っています。
会社の利益は、すべて経営者個人が使うためのものではありません。
設備へ投資する。
人材へ投資する。
新しい商品へ投資する。
マーケティングへ投資する。
新店舗へ投資する。
必要に応じて、新しい事業へ投資する。
利益をどこへ再投資するかによって、会社の未来は変わります。
私自身も、飲食事業から得た利益を、個人消費へ回すことより、次の事業投資へ振り向けることを重視してきました。
その結果、一店舗から複数店舗へ事業を拡大することができました。
そして最終的には、店舗一つひとつではなく、会社という事業そのものに価値を持たせ、M&Aによって次の成長資本へ転換しました。
この経験から、私は、
経営者がつくるべきものは「自分が働けば収入を得られる仕事」ではなく、「自分がいなくても継続的に価値を生み出せる事業」である
と考えるようになりました。
飲食店でも同じです。
人気料理人本人が厨房に立っている間だけ売上が立つ店舗と、料理、教育、仕入れ、サービス、管理の仕組みが整い、その人が不在でも運営できる店舗では、事業としての性格が大きく異なります。
複数店舗へ進む。
他地域へ展開する。
海外へ進出する。
フランチャイズを検討する。
将来M&Aを検討する。
こうした成長を目指すのであれば、経営者個人に依存しない事業構造を早い段階からつくる必要があります。
飲食事業を投資対象として考えるということは、単に店を出すことではありません。
資金を投入し、人と仕組みをつくり、その事業そのものの価値を高めることです。
企業を成長させたいヒトは、投資型事業に参入せよ
私は、どの会社にも飲食事業への参入を勧めるつもりはありません。
飲食業は、初期投資が必要で、人材依存度も高く、固定費も発生します。
事業として失敗すれば、当然、投資資金を失う可能性があります。
また、既存事業とのシナジーがない企業が、単に
「飲食店をやってみたい」
という理由だけで参入するのであれば、私は慎重に判断すべきだと思います。
一方で、飲食事業が、自社の既存事業と結び付く企業には、大きな可能性があります。
例えば、
食品を生産している会社が、自社商品を消費者へ直接提供する。
食品卸会社が、自ら飲食サービスまで展開する。
不動産会社が、自社保有物件の価値向上と合わせて飲食店を開発する。
海外事業を持つ会社が、日本食ブランドを海外市場へ展開する。
地域産品を持つ企業が、飲食店を通じてブランド価値を高める。
このように、既存事業の川上、川中、川下をつなげる形で飲食事業へ進出する場合には、単独の店舗売上だけではない事業価値が生まれます。
これは、URVグローバルグループが進めている「飲食六次化」という考え方にもつながっています。
生産。
食品加工。
流通。
貿易。
外食。
中食。
マーケティング。
海外展開。
これらを別々の事業として考えるのではなく、食に関するバリューチェーンとしてつなげることで、より大きな付加価値をつくる。
飲食店は、その中で、消費者と直接接点を持つ重要な事業になります。
したがって、飲食事業への投資判断は、
「飲食店は儲かりそうだから」
ではなく、
「自社の経営資源と飲食事業を組み合わせることで、どのような新しい価値と収益構造をつくれるのか」
という視点から行うべきです。
厨房人材との提携・ホール人材の確保ができれば、飲食業は未経験経営者でも投資ができる
飲食業未経験の経営者が事業へ参入する場合、最初に考えるべきことは、料理を習うことではありません。
誰と事業をつくるかです。
料理を設計できる人材。
厨房を管理できる人材。
サービスを設計できる人材。
店舗を管理できる人材。
採用と教育を担える人材。
そして、それらを統括する経営者。
このチームをつくる必要があります。
経営者は、その中で、
事業構想。
資金調達。
投資判断。
立地。
事業計画。
人材配置。
原価管理。
マーケティング。
ブランド。
資金繰り。
を管理します。
したがって、飲食業の経験がなくても、別の事業で経営経験を積んだ経営者が、自らの強みを活かして飲食事業へ参入することは可能です。
しかし、
「未経験だから、既成概念がなくて成功する」
というほど単純な話でもありません。
経験がない部分については、専門人材の力を借りなければなりません。
食材を見る能力がなければ、その能力を持つ人材が必要です。
料理開発ができなければ、料理人が必要です。
衛生管理を知らなければ、学び、専門家の支援を受ける必要があります。
つまり、未経験であることそのものが強みなのではありません。
自分が知らないことを理解し、その領域を任せる専門人材を集めながら、経営者として全体を設計できることが強みになるのです。
これは飲食事業だけではありません。
新規事業に進出する経営者に共通する能力です。
私自身も、飲食の料理人として事業を始めたわけではありません。
経営者として資本を投入し、料理人や店舗人材と組み、店舗をつくり、利益を再投資しながら事業を育てました。
そして、最終的にはM&Aによって、その事業価値を次の投資資金へ転換しました。
この経験を経て、現在のURVグローバルグループでは、飲食店という一つの業態だけを見るのではなく、日本の良質な食品、生産者、食品流通、貿易、外食、海外進出までをつなぐ飲食六次化事業を展開しています。
現在、食品関連事業を持ち、
「自社の商品を最終消費者へ直接届ける事業をつくりたい」
「新規事業として飲食分野への参入を検討したい」
「飲食事業へ投資したいが、自社に専門人材がいない」
「一店舗の出店ではなく、継続的に成長できる事業モデルとして設計したい」
「国内だけではなく、将来的には海外展開まで視野に入れたい」
と考えている経営者の方には、飲食店を単独の店舗ビジネスとして考えるのではなく、自社の既存事業や経営資源と組み合わせて考えることをお薦めします。
飲食事業への参入で最も危険なのは、
「店を出すこと」
を目的にしてしまうことです。
何のために飲食事業へ参入するのか。
どの顧客へ、どの価値を提供するのか。
自社の既存事業と、どのようなシナジーがあるのか。
どれだけの資金を投じるのか。
何年で投資を回収するのか。
誰が現場を運営するのか。
一店舗で終わるのか。
多店舗化するのか。
海外へ展開するのか。
将来、その事業をどのような企業価値へ育てるのか。
ここまで考えて初めて、飲食事業への投資は、経営戦略になります。
URVグローバルグループの飲食六次化事業では、飲食店だけを単独で捉えるのではなく、食品、生産、流通、外食、マーケティング、海外展開までを含め、食に関わる事業の付加価値を高めることに取り組んでいます。
飲食業への参入を「店を持つ」という発想だけで終わらせず、既存事業とのシナジーを持つ新規事業として、あるいは将来の企業価値を高める事業として検討される経営者の方は、URVグローバルグループの飲食六次化事業をご覧ください。
URVグローバルグループ 飲食六次化事業
https://urv-group.com/services/foodbusiness-sixthsector/


