知っておきたいDX用語 ダイナミックプライシングって、何よ?
1.サブスクリプションとは?
サブスクリプション。略称、サブスク。
一定額を支払えば、一定のサービスを継続的に利用できるサービスのことです。
例えば、音楽の一定期間の定額配信。
例えば、雑誌の定期購読。
これらは、すべてサブスクリプション型のビジネスモデルです。
2.サブスクのビジネスモデルをより深く考えてみる
ここでは、音楽の定額配信の事例で、サブスクを、より深く考えてみましょう。
音楽をCDで、販売したとします。
このとき、CDの価格が3000円であったとすると、その中に収めている音楽を聴く権利を、一括して3000円で販売したことになります。
購入者は、3000円を一括で支払う代わりに、その後、そのCDを持っている限り、その10曲の音楽をいくらでも聴くことができることになります。
一方、販売する会社は、一括して3000円を売り上げ、その後は、そのCDで購入者がいくら音楽を聴いても、売り上げにはなりません。
一方、サブスク型の販売は、そのサービスの対象となる曲(この曲は、数千曲とは数万曲という単位の、非常に大きな曲数)を、視聴者に毎月定額で(例えば、毎月500円としよう)、視聴者が退会するまで自由に聞ける権利を売ることになります。
視聴者から観れば、3000円を一括で支払って、10曲を永久に自由に聴ける権利と、毎月500円づつ支払えば、膨大な曲の中から支払いを続ける限り自由に音楽を聴ける権利の、どちらをえらぶえしょうか?
現代の消費者は、圧倒的に後者を選ぶ人の数が多いわけです。
そして、インターネットにおけるデータ配信量の莫大な増大という事情によって、消費者が低コストで音楽配信を受けることができるようになったこともあり、サブスク型の顧客数は、大きく増大しているのです。
一方で、サービス提供側の企業が、サービス(ここでいう配信できる音楽の楽曲数)を刻々と増大させていけば、消費者は、解約をすることなく、契約を継続する。顧客の継続が続けば、一人の顧客が支払う価格の総額(ここでは、毎月500円×継続月間数で算出される)が、時間の経過とともに大きくなります。
こうなると、顧客数の増大と、一人当たりの顧客が支払う価格の総額の積によって算出される総売上高は時間の経過とともに増大します。
企業の売り上げは、商品の単価を下げても(ここでは、CDの価格3000円から、毎月の価格500円に下げること)、右肩あがりの業績を実現できるのわけです。
3.サブスクリプションビジネスモデルの落とし穴
最近は、映像編集などの業務をサブスクモデルで、提供をするような、画期的な業者さんも出現しております。
ただし、このようなサービスを利用する場合、そのサービスの質を、事前によく考えないと、問題発生の原因になりかねません。
音楽の配信などのサービストと違って、ヒトの労力を要するサービスの場合、固定料金で無限に利用できるサービスを、サブスクで提供できるはずがありません。
サブスクで提供できると約束をして、提供が不可能になった場合、法的な問題が起きる可能性があります。従って、利用者も、本当に、サブスクで、提供可能なモデルなのかを、よく考えて、利用しないと、「話が違う」ということにも、なりかねません。
注意をしてください。
松本尚典の中小企業経営者支援コンサルティングサービス
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