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施術が改善へ向かう症状

肩こり、腰痛

長時間に及ぶデスクワークなどにより、肩こりや腰痛を抱える人が増えています。肩こりや腰痛の原因は、筋肉疲労やストレスによる自律神経の乱れなどさまざまです。原因により選ぶツボ(=経穴)は違うので、本人の生活習慣や体のクセ、体調などから、どのツボにアプローチするのかを見極めます。鍼灸の刺激で筋肉の緊張をほぐしたり、血の流れを促したりすることで痛みやこりをケアすることができます。

神経痛

神経痛は、皮膚などから受けた感触、刺激などを脳に伝える感覚神経(知覚神経)が、筋肉や骨などで圧迫されることで起こります。「三叉神経痛(顔面)」や「後頭神経痛(後頭部やうなじ、耳の周辺)」「肋間神経痛(背中から胸のあたり)」「坐骨神経痛(お尻から太もものうしろ、ふくらはぎ)などで、いずれも激しい痛みが出ます。これら神経痛に対し、鍼灸を行うことで痛みの軽減などを目指すことができます。

不妊

「子どもがほしい」といった悩みに、鍼灸の技術や知識が生かされています。妊娠にいたらない原因として、女性に多い冷え、ストレスやプレッシャーによる自律神経の乱れなどが挙げられます。それぞれのコンディションに合わせ、適切なツボに鍼をすることで血行をよくして冷えをやわらげたり自律神経のバランスと整えたり、おなか(子宮)周辺をお灸で温めることで、赤ちゃんを迎える状態へと体を導いていきます。

花粉症

花粉症は、目の充血やかゆみ、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどが主な症状です。鼻がつまることで口呼吸が多くなり、のどが渇いて咳が出たり、肌にかゆみや赤みが出ることもあります。いずれも不快で体調不良にもつながります。鍼灸では、アレルギー症状が起きにくい体質へと導くためにからだ全体を整えるほか、目のかゆみや鼻づまりなどの症状に有効なツボにアプローチして症状の緩和を目指します。

食欲不振

仕事などが忙しく睡眠が十分とれていなかったり、食事が不規則なったり、仕事のストレスやプレッシャーなどで緊張状態が続くと自律神経のバランスが崩れ、食欲不振を引き起こすことがあります。また、暴飲暴食により胃腸が疲れている場合もあります。鍼灸によって神経や血流などに働きかけ、食事をとれるように体の調子を整えていきます。

頭痛

目の疲れ、肩こりのほか、日々のストレスが原因となって頭痛がする場合があります。女性であれば月経に頭痛を伴うこともあります。頭痛にはこめかみから目のあたりがズキズキ、ガンガンする片頭痛、首筋から後頭部を中心に頭全体をギュっと締め付けられるように痛む緊張型頭痛などがあります。それぞれの頭痛のタイプに応じ、頭や首、肩、手、足などにあるツボに鍼灸で働きかけ、痛みの軽減をはかります。

便秘

便秘は「排便の回数が少ない」「便が硬くて量が少ない」「排便してもスッキリせず残便感がある」「便意があっても強くいきまないと出ない」といった状態を言います。便秘になるとおなかが痛くなったり、おなかが張ったりするほか、胃痛や胸やけがすることもあります。胃腸機能が低下している場合などは、鍼か灸を施して胃腸の調整を行い、改善へとつなげていきます。

健康保険適用対象の治療

神経痛

三叉神経痛、後頭神経痛、肋間神経痛、坐骨神経痛といった神経痛は、医師の同意書を得た場合、鍼灸院で施術を受ける際に健康保険が適用されます。三叉神経痛は顔に出る痛み、後頭神経痛は後頭部や耳の後ろ、耳の中など、肋間神経痛は肋骨に沿うように胸や背中に出る痛み、坐骨神経痛は腰から足に欠けて伸びる神経に痛みが走ります。

リウマチ

慢性関節リウマチは主に手足の関節で起こりやすく、腫れや激しい痛みが出て関節を動かしにくくなるほか、微熱や疲労感、食欲不振といった不調を招くことがあります。関節リウマチの発症は30代~50代がピークで、男性よりも女性の方が多いと言われています。医師の同意書があれば健康保険適用のもと、鍼灸の施術を受けることができます。

腰痛症

腰痛症の症状は腰の痛みです。鍼灸では主に、体を支える骨に負担がかかり障害が起きている場合や、筋肉疲労により生じる痛みなどに対応しています。健康保険を活用するには、医師の同意書が必要です。腰痛は心身のストレスが原因になるほか、細菌感染やがん、臓器や血管の病気が引き起こす場合もあるので、医師の診断を受け適切な治療を受けることが大切です。

五十肩

五十肩は、肩の関節が痛み動きが悪くなることで、腕を上げたり後ろにまわしたりすると強い痛みが走ったり、夜中に痛みが出て眠りを妨げたりすることがあります。自律神経が乱れ筋肉が緊張することで発症したり、内臓疲労が原因になったり、スマホやパソコンの操作など手指の使い過ぎによって五十肩になることがあります。医師の同意書により、健康保険が適用される場合があります。

頚椎捻挫後遺症(ムチウチ)

頚椎捻挫後遺症は、いわゆるムチウチのことで車の急停車や交通事故などにより、首を捻挫してしまうことを言います。首や肩、背中などに痛みが出ますが、事故に遭ってすぐにこういった症状が出ないケースもあります。タイムラグが生じる場合もあるので、体の状態に十分に注意を払うことが大切です。交通事故などの場合は、自賠責保険などを活用することもできます。

頸腕症候群

頸腕症候群は、腕や肩、首、背中などに現れる痛みやしびれ、重さ、だるさといった不調の総称です。パソコン業務や仕分け作業など指を細かく動かす仕事、保育や介護など肩から指先をよく使う仕事をする人に多いと言われています。また育児やスポーツが原因になることもあります。医師の同意書がある場合は、鍼灸の施術についても健康保険給付の対象となります。

鍼灸院での流れ

問診表の記入

初回は、現在の体の状態、また過去の病歴などについて問診票に記入します。内容は、現在の不調がどのようなものか、いつから起こりどのような経過をたどっているのか、よく眠れるか、眠りが浅いかといった睡眠の質、日常的に運動をしているか、飲酒量や喫煙といった生活習慣などです。体調や生活について詳しく把握するため、問診票の内容にそってヒアリングも行われます。

施術の説明・今後の計画説明

問診票やヒアリングなどを通じて体の状態を確認し、どういった施術を行うのか説明があります。説明の後は、ベッドに案内され施術が行われます。施術後は、今後の流れについて説明を受けます。どれくらいのペースで通うのがいいか、また日常生活ではどういったことに気をつければいいのかなど、一人ひとりに合わせてアドバイスも行われます。

会計

今後の施術方針などの説明を受けたら、受付で会計を行い次回の予約を入れます。鍼灸院で保険適用となるのは、神経痛、リウマチ、腰痛症、五十肩、頚椎捻挫後遺症(ムチウチ)、頸腕症候群の6つです。鍼灸院に用意されている同意書をかかりつけの医師に記入してもらい、その同意書と健康保険証、印鑑をもって施術を受けます。なお、病院で対象となる症状の治療を受けている場合、鍼灸院で健康保険を使うことはできません。

施術の種類

鍼の施術では、0.1mm~0.2mmほどの細い鍼を使用します。鍼は、筒を用いて鍼を刺入する「管鍼法(しんかんほう)」と、筒を使わず指でつまんで直接肌に刺す「撚鍼法(ねんしんほう)」があります。ツボに施した鍼を回したり上下に動かしたり、振動を加えるなど刺激を与えてからすぐに抜く場合と、しばらく鍼を刺した状態で置いておく場合があります。また、鍼に微弱な低周波の電気を通すこともあります。

ツボに熱刺激を加えるのが灸です。灸の施術ではヨモギの葉から作られたもぐさを使います。肌の上に直接もぐさをのせて点火する「直接灸」と、肌ともぐさの間に緩衝材をはさむ「間接灸」、鍼の頭(肌に刺した部分から一番離れたところ)にもぐさをつけて灸を行う「灸頭鍼(きゅうとうしん)」といった方法があります。

遠赤外線・吸玉(カッピング)

鍼や灸のほか、遠赤外線によるケアもあります。体の深くまで届く遠赤外線を照射することで体を温めたり、血流を促したりします。また吸玉(カッピング)といって、カップを肌に当てて中の空気を抜き、肌を吸いあげることで血の巡りなどをよくする方法もあります。血行不良が改善されることで内臓の働きがよくなったり、肩コリや腰痛などの緩和を目指すことができます。

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