正しい姿勢で歩くためにまず必要なこと、それは「立つ」こと
”正しい姿勢”は、楽に速く走るための最良条件!
前回 、
より速く走るための姿勢についてのお話をしました。
正しい姿勢の目安・定義については前回の記事でお話したので
そちらを見ていただくとして、
https://mbp-japan.com/tokyo/karadachosei/column/5038616/
なぜ正しい姿勢になると速く走れると言えるのか、
もう少し詳しくお話しましょう。
より速く走るポイント:骨盤から地面までの距離
こちらの二つの立ち姿勢。
左の方がいい姿勢だなというのは見てすぐわかると思います。
左の姿勢が右の姿勢になってしまうのは、
重力によって頭や胸郭・背骨・骨盤が下へ落ちる力が加わり、
崩れてしまうからなのです。
(よく、歳をとると身長が縮むと言いますが、これは体が重力に押されているからです。
関節の部分のすき間もこれで無くなっていき、それが背骨や関節の不具合になるのではないかと私は考えています。)
右の姿勢になると、骨盤の位置が左の時より地面に近づきます。
左は骨盤から下に真っ直ぐ脚が伸びていますが、右は膝が曲がっていますよね?
そうなると、脚の動きに大きな影響が出てきます。
これが、走力に大きく関わってくるのです。
骨盤が落ちていると、股関節から脚を動かせなくなる。
体を前に進ませる時には、脚が前から後へスイングする動作を使います。
これが地面を蹴る力を生み、前への推進力になります。
骨盤が地面から遠ければ、脚の長さを最大限に利用出来るので、
大きな力を加える事が出来ます。(大きな筋肉がある股関節も力を発揮します)
しかし、骨盤が地面に近くなると脚の長さを使い切れず、
膝下を多く使った走りになりやすくなります。
さらに、骨盤が地面から近いと接地時間が増えます。
接地時間が増えると、地面からの抵抗が増えますので、
スピードにもスタミナにも悪影響になります。
脚力をしっかりと生かすには、骨盤を地面から遠ざける事がおそらくベストな方法だと思います。
そのために姿勢を改善する事が必要なのです。
肩甲骨を寄せても、それだけでは骨盤は高くならない。
姿勢を良くするために、肩甲骨を寄せるよう言う人がよくいらっしゃいます。
ひじを後に引き、背中を緊張させて走るよう言う人もいらっしゃいます。
が、どちらも×です。
背中が丸まっているか反っているかは、実は2の次で、
今回お話しているように骨盤・体がどこにあるかが一番の問題です。
骨盤が低い位置のままで背中を反っても姿勢が「良く見える」だけで、
本当に良くなった訳ではないのです。
ちなみに、ひじを後に引いたり肩甲骨を寄せたりして走ると「前へどんどん進む!」と
いう感覚になるとよく紹介されていますが、
肩甲骨を寄せると逆にお腹が前へ出て、前へ体が倒れるような力が働きます。
「どんどん進む」のは、体が前へ倒れそうな力を利用しているに過ぎません。
という事で、走る時の姿勢について、それをするメリットについてのお話でした。
ストライドを上げるにも、この考え方が一番理にかなっているように感じます。
走力アップの参考になりましたら。