マイベストプロ大阪
福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

コロナとエアコン

2020年6月5日

テーマ:【賢い家造り】

コラムカテゴリ:住宅・建物

エアコンで家中にコロナウィルスが拡散する事はない

多くの方が空調と換気を混同して考えられています。大きなビルやホールは別として、一般的な家であれば、空調はパッケージエアコンで部屋ごとに単独で行います。一部屋ずつエアコンが付いていて、その部屋で空調が完結してしまうやり方です。
全館空調と比べて、初期投資は高くなりますが、ランニングコストが下がります。人のいない部屋まで空調する必要はありませんので、殆どの一般住宅で採用されています。
ですので、感染性の病いで、自宅で療養されている方がおられて、隔離した部屋のエアコンを回していても、ウィルスが他の部屋に拡散する事はありません。暑い季節になって、窓を閉めきる事が多くなっても、エアコンが元で二次感染する事はありません。
ワイドショー等でコメンテーターが、エアコンを通じてウィルスが蔓延すると云った情報発信を、されているのを稀に見掛けますが、空調ダクトを設けた様な大規模な建築物で無い限りその心配はありません。
エアコンで注意するとすれば、フィルターにウィルスが多く付着しますので、隔離した部屋のフィルターを重点的に洗浄する事でしょう。ウィルスは生物の細胞以外で増殖する事はありませんので、カビや細菌の様にフィルターでウィルスが増殖する事は考えられませんが、付着しているウィルスを除去するに越したことはありません。

コロナ対策には換気の方が重要

エアコンよりも換気扇の方が、家の中の空気の移動と云う意味では大きな役割を果たします。空気は圧力の高い方から低い方へ流れます。最近の家は気密性が高いので、より顕著に現れます。レンジフードを回して、ドアの開閉が重く感じられる家は気密性の高い家だと言えます。
つまり、隔離している部屋の気圧が高く、他の部屋の気圧が低ければ家中にウィルスが拡散してしまう恐れがあると云う事です。レンジフードを使う時は、キッチンの窓を少し開けて気圧が低くならない様に気をつけましょう。
他の部屋に比べ、隔離室の方が気圧が低ければ、ウィルスは家中に拡散する事はありません。隔離室の換気扇を回し、常に部屋の気圧を下げる事です。隔離部屋に換気扇が無ければ、窓に窓用換気扇を設け隔離室の減圧を心がけましょう。

この記事を書いたプロ

福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(岡田一級建築士事務所)

Share

関連するコラム

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ大阪
  3. 大阪の住宅・建物
  4. 大阪の注文住宅・住宅設計
  5. 福味健治
  6. コラム一覧
  7. コロナとエアコン

© My Best Pro