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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

予算が無い時ほど設計事務所の力が必要

2017年6月7日

テーマ:【賢い家造り】

コラムカテゴリ:住宅・建物

設計料が高いのに何故設計事務所に依頼するのか

建物を建てようと思えば、建設費以外にも様々な費用が必要です。登記費用等の公租公課。ローン申し込みに伴う保証料。引っ越し費用。古家があれば解体費用。それに加えて設計監理費を計上すると、一体トータルコストは幾らになってしまうのかと不安は募ります。
予算の無い時は特にそうで、設計事務所に依頼すればデザインばかり先行して、予算的には手も足も出ない様な建物を設計されてしまうのではと云う不安も湧いてきます。そうして殆どの方は建売住宅を買ったり、建築条件付の(売り建て住宅)の方がお手軽だと云う理由で、業者の云われるがままの家を建ててしまいます。家造りは一生の内でも大きな仕事のひとつです。建てた後で後悔しても遅いのです。今年に入って建売住宅や売り建て住宅を買ったばっかしにひどい目に遭ったと云う相談が複数件寄せられています。
http://www.jin.ne.jp/oado/sippai.htm
http://mbp-japan.com/osaka/oado/column/30013/
http://mbp-japan.com/osaka/oado/column/30182/

設計事務所は裁判で云うと弁護士の様な立場です。

これから家を建てようと夢いっぱいの時に裁判の話しをするもの気が引けるのですが、訴訟を起こす場合素人が相手弁護士と堂々と渡り合えるでしょうか。家造りもこの点のみでは訴訟に似ています。素人が技術・技能に長けた施工者に堂々と自分の要望を伝えられるでしょうか。「要望通りにすると高くなる」と云われて「こうすれば値段は変わらないでしょう」と言い返せますか?
設計事務所は建築主の要望を咀嚼し、希望価格で仕上がる工法を模索し、建築主になり替わって施工者を監理指導する役目を負っています。一見無駄な職種に思えてもトータルコストではその方が安く仕上がるのです。

設計事務所を雇うと何故安いのか

設計事務所は建築主になり替わり、見積書のチェックを行います。建築主で見積書の内容を査定出来る人がいるでしょうか。殆どの人が出された見積書を鵜呑みにして、依頼するか断るかの判断をしているのではないでしょうか。見積書の価格と自動車の様な工業製品の販売価格は大きく異なります。建築工事の見積書はまだ出来ていない、影も形もないものに値段をつける作業なのです。その中には経験や勘で値段を計上している部分も少なからずあるのです。設計事務所は見積書のぜい肉をそぎ落とし、臨機応変にコストダウンの提案も行います。これを行わなければ、これら全てが建設業者の余剰利益となるのです。家造りは2000万円とか3000万円の建設費を投下する一大事業です。1割削減できれば設計監理費用が賄えておつりが来ます。

土地探しを設計事務所に依頼するとまだ費用は抑えられる

土地探しから行う場合は、これ以上にトータルコストが下がります。土地探ししている人の土地に対する希望は大体同じです。南向きの敷地で交通の便が良く、校区が良くて静かな環境の良い敷地です。これでお値段のお手頃な土地となると100%ありません。仮に出たとすれば市場に出回る前に業者間で取引されてしまいます。素人さんはそれに気づかず幻想を追いかけて長い年月を無駄に過ごすか、云われるままに妥協してしまうかの道をたどります。
設計事務所の家造りは土地に根差します。もちろん既製の間取り集なんで持ち合わせていません。その土地に合った間取り構成を模索します。北向きの細長い誰も見向きもしない安い土地でも間取りの取り方によっては明るい素敵な家に変身する可能性もあるのです。そう云った土地に根差したプランの提案を出来るのが設計事務所を活用する最大のポイントでもあります。似たような坪数の土地でも北向きの敷地では南向きの敷地と比べて二割程度安くなります。土地も建物と同程度の値段が張りますから、設計事務所を活用する事により数百万得することになります。
予算の無い家造りほど設計事務所に依頼する事をお勧めします。

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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(岡田一級建築士事務所)

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